「中小零細の養鶏場はみんな辞めた」

 

目先の卵価格云々より、問題は養鶏産業の将来の問題になってきているようです。何しろ日本は「卵の自給率ゼロ」ですので(ヒナがほぼ100%輸入のため)、なかなか厳しいことになっていきそうです。


「中小零細の養鶏場はみんな辞めた」卵の価格、高値傾向続く

TBS NEWS DIG 2023/07/06

過去最悪の広がりを見せた鳥インフルエンザが収束。ところが、エサや包装資材などが軒並み値上がりするなどしていて、気になる卵の価格は高騰したままです。こうした中、卵を節約するレシピがいま注目されています。

養鶏農家が減少…「卵の価格」高値傾向は長期化も

全国で1771万羽のニワトリが殺処分され過去最悪の拡大を見せた鳥インフルエンザ。農林水産省は6月、今シーズンの収束を示す「清浄化宣言」を発表しました。防疫体制を強化し、警戒を続けてきた養鶏農家にとっては、ようやくほっとできる季節がやってきました。

(鈴木養鶏場・鈴木明久会長)「500万円とかは軽くかかっている。消毒ゲートでしょ…必要なことはどんどんした、全滅するよりはいいから。やっと九州、うちなんかも今年はクリアしたなと思いました」

殺処分の影響でヒヨコの価格は高騰しているものの、大分県日出町にある鈴木養鶏場では7月、3万7000羽を仕入れました。順調に育てば、130日後には卵を産むようになります。一方で、消費者にとって気になるのは卵の価格。2020年の6月にはキロ当たり157円だった価格は今年6月は344円と倍以上に高騰しています。

(鈴木養鶏場・鈴木明久会長)「鳥インフルエンザでやられたところが今から産みだします。ところが今はエサの値段が倍になっている。だから中小零細の養鶏場は去年みんな辞めた。円安が戻らない限りはワンパック298円で買えたら安いくらい」

鳥インフルエンザは収束しても、エサや包装資材などが軒並み高騰していて生産コストが大幅に増加。一方、養鶏農家の減少により供給量の大幅な増加は見込めず、高値傾向が長期化する可能性があります。