先日、実家のあるホッケ堂に帰ったんですが(焼魚かよ)、ああ北海道ですね。
そちらに、18歳の甥がいるんですが、唐突に、「叔父さんの若いときのチラシ持ってるよ」と言われ、何のことかと思いましたら、1987年頃におこなった self23 第 2回公演のチラシを持ってきたのでした。36年前の以下のものです。
「なんで持ってる?」とは思いましたが、特には追求しなかったんですが、これはレアで、私自身持っていないんですよ。なんせ、基本的に全体が手作りで、チラシの発行数が少ない時でしたから。
このイラストは、当時の新進気鋭の漫画家のイワモトケンチさんが、第1回公演を見に来てくださっていて、その時に「次の公演のイラストなど描いていただくのは可能でしょうか」というように言いましたら、OK で、「あまりお支払いはできないんですが」というと、「ギャラなんていいよ」と描いてくださったものでした。お陰で集客能力の高いチラシとなりました。その後、数作品描いていただきました。
このチラシ自体も懐かしいのですが、このチラシの裏にある「私の顔写真」を見て、
「ああ、こうだった、こうだった」
と思い出しました。
以下の写真ですけれど、これを 2年間くらいずっと、チラシの裏に「作・演出」として貼り続けたんですね。
23歳の時のこの公演から始めたことでした。
「表現団体としての異常感」を出すための演出でしたが、2年も続けていると「オカってのは、本当にこんな人らしい」という話が出ていると聞きましたが、まあいいやと。
今だと、いつもマスクをしている優秀な衛生対策をしている人、という評価になるのですかね(笑)。
しかし、この「アブノーマルさん」というのは、先ほどのチラシのイラストのイメージとは異なり、暗い内容の公演でしたね。
今でいう発達障害あるいは学習障害の中学生が、「思う通りのことをすると何をやっても罪になってしまう」ということで、鑑別所に送られて、そこで、職員たちを相手にカッターナイフで戦争を挑む話でした。
でも、自分の価値観が通じる世界はこの世にはないと悟り、その場所で、自分の体をカッターで切り刻んで自死してしまうという話でした。
その少年の役は、私がしたのですけど、最後、血まみれになる時は実に充実感がありました。私も、自分の価値観が通じる世界はこの世にはないと思っていたのですかね。まだ20代前半なのに。