ヨーロッパの干ばつ指数が過去最悪の状況となり、小麦生産量に懸念

 


ヨーロッパの小麦作物の健康状態が少雨で悪化

gro-intelligence.com 2023/06/07

European Wheat Crop Health Deteriorates Amid Scant Rainfall

高温と少雨がヨーロッパの大部分を襲っており、大陸の小麦作物に被害が及ぶリスクが高まっている。これは、ウクライナ戦争により世界の穀物の供給が引き続き圧迫されている中でのことだ。

EU 最大の小麦生産国であるフランスでは、 小麦作付地域の生育状況が急速に悪化している。

今年これまでの累積降水量は、フランスの小麦栽培地域の 10年間の平均を 50%下回っている。

その結果、5月中旬以降、フランス産小麦を加重した当社の分析による植物健康指数は急激に低下し、現在は、相次ぐ熱波でフランス産小麦生産量が前年比 5%減少した 2022年に見られた落ち込んだ水準と一致している。

さらに、フランス小麦の土壌水分測定値は、昨年のこの時期に見られた低レベルまで低下した。過去 2週間にわたる干ばつ指数の着実な上昇により、この指数は過去 20年間で 3番目に高い干ばつの測定値にまで押し上げられた。

干ばつ指数によると、スペインの農地が「極端な」干ばつ条件(少なくともここ 20年で最悪)に見舞わ れており、フランスでも乾燥栽培条件の問題が生じている。

7月と8月に収穫されるフランス小麦は現在、最終収量に最も大きな影響を与える成長期にある。

主要な小麦輸出国であるフランスの作柄見通しは、ロシア・ウクライナ戦争の影響で、黒海地域からの小麦輸出が依然不安定なため、西ヨーロッパからの供給への依存度が高まっている多くの国、特に北アフリカや中東諸国に影響を与えている。