コロンビア政府がイスラエルへの石炭輸出停止を決定。イスラエルは石炭の50%以上をコロンビアから輸入している





コロンビア、ガザ戦争でイスラエルへの石炭輸出停止へ

AP 2024/06/09

Colombia will suspend coal exports to Israel over war in Gaza


コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領。

かつては緊密な軍事・商業同盟国であった両国の関係が悪化する中、コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領は 6月8日、ガザでの戦争を理由にイスラエルへの石炭輸出を停止すると発表した。

ペトロ氏は X に、ガザでの「大量虐殺」が止んだ場合にのみ石炭輸出が再開されると書いた。

ペトロ氏はまた、国際司法裁判所が最近出したイスラエルのガザ地区からの軍撤退命令にイスラエルが従う場合にのみ石炭輸出が再開されるとする法令草案も投稿した。

コロンビア国家統計局によると、昨年の最初の 8か月間のイスラエルへの石炭輸出額は 3億2000万ドル(約 500億円)以上だった。これは、2023年のコロンビアの石炭輸出総額 90億ドル以上のほんの一部に過ぎない。

アメリカ交通ジャーナルによると、イスラエルは石炭の 50%以上をコロンビアから輸入しており、その大部分を発電所の燃料として使用している。

コロンビア初の左派大統領として 2022年に当選したペトロ氏は、ベンヤミン・ネタニヤフ首相の「大量虐殺」政権との関係を維持できないとして、5月にイスラエルとの外交関係を断絶した。

コロンビアは長年、突撃銃や諜報機器などの軍事装備をイスラエルに依存してきた。この南米の国はまた、過去30年間でイスラエルから30機以上の戦闘機を購入しており、そのメンテナンスをイスラエル企業に依存している。

しかし、両国の関係悪化により、新たな軍事購入は停止されている。

このイスラエルに対する最新の措置を称賛する人々もいる。世界各国にイスラエルへの石炭と石油の輸出停止を訴えてきた支援団体「パレスチナに対する世界エネルギー禁輸」は 6月8日の声明で、コロンビアの決定はイスラエルにガザ地区政策の変更を迫る圧力となり、石炭輸入で稼働する発電所に依存しているヨルダン川西岸のイスラエル入植地にも圧力となるだろうと述べた。

同団体は声明で「イスラエルの石炭の 9%を供給している南アフリカに対し、コロンビアに倣うよう緊急に要請する」と述べ、エネルギー輸出量の多い他の国々にもイスラエルへの輸出を禁止を検討するよう求めた。