何だかもう本当に終末的なニュースで。いくつか「理由」は推測できますけれど、推定を書くのもあれですしね。
魚がぐるぐる回り続けて死ぬ奇病が拡大、原因不明
ナショナル ジオグラフィック 2024/03/23
少なくとも44種で確認、「あちこちで魚が死んでいる」と専門家、米フロリダ沖
米フロリダ州のエバーグレーズ国立公園を泳ぐスモールトゥース・ソーフィッシュ。ノコギリエイ科のこの魚は絶滅危惧種だが、今回の謎の病気で少なくとも21匹が死亡した。
2023年11月の真夜中、米フロリダ・キーズ諸島でダイビングをしていたグレッグ・ファーステンワース氏は、水中ライトの光が当たった魚を見て驚いた。ピンフィッシュというタイ科の小魚が、苦しそうにひっくり返り、ぐるぐると回転しながら海草藻場を泳いでいたのだ。
困惑した氏は、水中カメラで魚の様子を撮影した。
友人や他のダイバーから回転する魚について同じような話を聞くことが増えたファーステンワース氏は、自分のボートから、あるいは夜間に波止場を歩きながら、回転する魚たちの姿を記録しはじめた。
当初、回転する魚の目撃情報はフロリダ半島の先に延びるフロリダ・キーズ諸島のうち、ロウアー・キーズと呼ばれる南部の島々の約50kmにわたる海域で多く見られた。
2024年3月現在、地元住民と科学者は、この奇妙な行動を少なくとも44種の魚で確認している。その中には、絶滅の危機に瀕しているスモールトゥース・ソーフィッシュも含まれている。フロリダ州魚類野生生物保護委員会によれば、多くの死んだ魚が打ち上げられているが、公式な数字は出していないという。
魚が回転する原因はまだ不明で、さまざまな大学、研究機関、州機関が共同で調査を行い、犯人を特定しようとしている。
「解決策を見つけるため、私たちはできるだけ協力して、その原因を突き止めようとしています」と、米サウスアラバマ大学海洋環境科学ストークス校とドーフィンアイランドシーラボで有害藻類ブルームの研究をしている海洋科学者のアリソン・ロバートソン氏は言う。「これほどの長期にわたり、これほど多くの種に影響が及んでいるのは、非常に奇妙です」
原因としては、魚の行動に影響を及ぼす神経毒を産生する有害藻類のほか、汚染物質、環境要因(低酸素や高温など)、病気、寄生虫などが考えられる。
「フロリダで魚が苦しんだり死んだりしているとき、人々が最初に考えるのは赤潮です」と言うのは、米フロリダ・ガルフ・コースト大学で藻類ブルームの研究をしている海洋生態学者のマイケル・パーソンズ氏だ。
赤潮は、植物プランクトンの一種である微小な藻類が突然大発生し、天然の毒素を水中に放出するなどして野生生物や人間に害を及ぼす現象だ。
しかし、今回魚を回転させているのは赤潮ではない。魚類野生生物委員会のケリー・リッチモンド氏によれば、キーズ諸島で赤潮が発生した形跡はない。低酸素も高温もなく、死んだ魚を調べても寄生虫は見つからなかったという。
以下、こちらのオリジナル記事をどうぞ。