「世界のコレラワクチンの備蓄が枯渇した」という国境なき医師団の報告

 

(参考記事)予防医学という医療介入もやはり「ほとんど無」であることについて
In Deep 2024年2月26日


16か国が流行を報告し、世界のコレラワクチンの備蓄が枯渇する

MSF / 国境なき医師団 2024/02/26

Global cholera vaccine stockpile runs empty as 16 countries report outbreaks


レバノンの学校でのコレラワクチン接種キャンペーン。

国際的な医療人道団体である国境なき医師団(MSF)は、世界のコレラワクチンの備蓄が枯渇したという最近の発表を非常に懸念している。

多くの国がアウトブレイクを報告しているため、既存および新規を問わず、より多くの製造業者が緊急に世界への供給拡大に協力する必要があると MSF は述べた。

MSFの国際医療コーディネーター、ダニエラ・ガローネ医師は「世界の経口コレラワクチンの在庫は枯渇しました」と語った。

「世界中の 16か国でコレラの発生が報告されており、これは憂慮すべき状況です。エチオピア、スーダン、ザンビア、ジンバブエなどで異常な数のコレラ発生に対応しようとしている MSF チームに、これは直接的な影響を与えます」

MSF によれば、これ以上のコレラワクチンを製造する能力もほとんどないという。既存の製造業者がワクチン生産を拡大し、新規製造業者の取り組みを支援することが重要だ。

2022年10月、MSFもメンバーである国際調整グループは、供給を拡大するために人々に投与されるコレラの予防接種の回数を一時的に 2回から 1回に減らすという前例のない決定を下した。

あれから 18か月近くが経ち、ワクチンへのアクセス状況は悪化している。供給システムに新たに参入するメーカーはなく、用量の需要は高まっており、少なくとも 3月中旬までは在庫が空になっている。

「ワクチンの不足は、人々と地域社会全体がコレラから引き続き防御されないことを意味します」とガローネ博士は述べた。

「地域社会での流行に対応するワクチンや、そもそも流行を防ぐワクチンがなければ、人々が予防可能な病気に罹り、潜在的に死亡するリスクがはるかに高まることを私たちは非常に懸念しています」

ワクチンは予防手段の一つにすぎないとガローネ博士は言う。「コレラの制御は、安全な水と衛生設備の提供、病気の監視と診断の強化、そしてさらに重要なことに、コレラの流行が発生した場合の治療とケアへの早期アクセスの確保にもかかっています」