ここ1、2年、有名人の「骨折」報道が多いですが、参考論文を

 


地域居住者における血清マイクロRNAと骨ミネラル密度との関連

ncbi.nlm.nih.gov 2023/11/28

Associations of Serum MicroRNA with Bone Mineral Density in Community-Dwelling Subjects: The Yakumo Study

いくつかの血清マイクロRNA が骨粗鬆症と関連していることが報告されている。ただし、マイクロRNA と骨粗鬆症の関係を調査する大規模なコホート研究が必要だった。

そこで今回の研究では、352人の被験者に対して住民健康診断を実施し、miR195 と miR150  (※ それぞれマイクロRNA の名称)それぞれ女性と男性の骨粗鬆症と関連していることを確認した

これら 2つのマイクロRNA は、マウスの実験で骨代謝と関係があることが報告されており、これらのマイクロRNA は骨粗鬆症の潜在的なバイオマーカーである可能性もある。

miR195 は miR-15 ファミリーに属し、ストレスによって誘導され、ガン、心血管疾患、精神疾患などのいくつかの疾患で活性化される

miR195 は、複数の細胞における細胞浸潤、増殖、血管新生、およびアポトーシスに関連しており、骨代謝との関係も報告されている。骨代謝に関しては、miR195 の軟骨細胞分化および骨形成タンパク質 (BMP) シグナルへの関与が報告されている。

miR150 はヒト染色体 19q13.33 に位置し、リンパ節と脾臓で高度に発現しており、免疫発生、造血、および胚形成において重要な役割を果たしている。

特に、miR150 は骨髄における免疫細胞の成熟(B 細胞と T 細胞の分化、ナチュラルキラー細胞、不変ナチュラルキラー T 細胞の発生)の制御に関連している

したがって、miR150 の発現の調節が解除されると、自己免疫疾患や造血器悪性腫瘍が発症する。