中国の米国債保有高が14年ぶりの低水準に

 

報じているのは、中国共産党機関紙の「環球時報」(グローバルタイムズ)です。


米国経済の不確実性が高まる中、中国は7月に米国債保有高を14年ぶり低水準に削減

globaltimes.cn 2023/09/20

China cuts US Treasury holdings in July to 14-year low amid growing uncertainty of US economy

米財務省のデータが 9月18日に明らかにしたところによると、米国債の第2位の保有国である中国は、7月の米国債保有高を 4カ月連続で 8,218億ドルと、14年ぶりの低水準に減らした。

専門家たちは、この動きは戦略面でも財政面でも予想外ではなかったと述べ、2024年に景気後退に陥ると広く予想されている米国経済の不確実性の高まりと、より多くの国が通貨を求める中での長期的な米ドル安を理由に挙げた。

メディア報道によると、中国は 2022年4月以降、財務省保有額を 1兆ドル未満に維持している。メディア報道によると、保有額は 2022年8月から 2023年2月まで削減され、3月には203億ドルとわずかに回復したが、4月には再び減少した。

最大の米国債保有国である日本は 7月の保有額を1兆1,120億ドルに増やし、6月から 69億ドル増加した。英国は引き続き 6,624億ドルで第3位の米国債保有国となった。

長期証券、米国短期証券、銀行取引の海外純取得額の 7月の合計は 1406億ドルに達した。このうち、海外からの民間純流入は 1,494億ドル、海外公務員純流出は 88億ドルであると米財務省が発表した。

中国人民大学重陽金融研究院の上級研究員、Dong Shaopeng氏は、中国の継続的な削減は長期戦略であり、米国経済の暗い見通しを反映していると語った。来年の景気後退と長期にわたるドル支配力の低下だ。

ドン氏は「地政学的緊張も、もう一つの要因だ」と述べた。

中国が米国債保有を削減しても、中国の外貨準備には影響はない。

国家外為管理局のデータによると、7月の中国の外貨準備高は3兆2043億ドルで、6月から0.35%増加した。