イタリアの2023年の出生数は、国家統一以来の162年間で最低に

 


イタリアの出生数が15年連続で減少、過去最低を記録

reuters.com 2024/03/29

Births fall in Italy for 15th year running to record low

人口減少が続く中、イタリアの出生数は 2023年に過去最低となり、15年連続の減少となるとイタリア国家統計局 ISTAT が 3月29日に発表した。

イタリアでは、出生率が下がり続けていることについて国家非常事態とみなされているが、歴代政府は出生率を最優先課題とすることを約束しているにもかかわらず、これまでのところ出生率の低下を止めることはできていない。

昨年、イタリアの出生数は 37万9,000人となり、2022年に比べて 3.6%減、2008年に比べて 34.2%減となった。これは 1861年の統一以来最低の数字だ。

出生率は女性 1人当たりの子供の数が 2022年の 1.24人から 1.20人に低下し、人口の安定に必要な出生率 2.1人をはるかに下回った。

対照的に、昨年の死者数は約 66万1,000人で、新型コロナウイルスがイタリアで死亡率を押し上げた過去 3年間に比べて減少した。 ISTAT によると、昨年の平均寿命も 83.1歳となり、2022年に比べて 6か月伸びたという。

2023年には死亡者数が出生数を約 28万2,000人上回ったものの、より多くの外国人移民と帰国したイタリア移民のおかげで、イタリアの総人口は 7,000人減の 5,899万人にとどまった。

2023年には外国人が国の人口の 8.99%を占め、前年比 3.2%増の計 530万人となった。外国人の大多数はイタリアの北部に住んでいる。

イタリアの総人口は 2014年から着実に減少している。ISTATは昨年 9月、イタリアは今後 25年間で住民のほぼ1 0%を失う可能性があり、基本シナリオの下では人口は 2050年までに 5,440万人まで減少すると発表した。

また、イタリアの人口の急速な高齢化を強調し、ISTATは、住民のほぼ 4人に 1人が 65歳以上であり、初めて 10歳未満より 80歳以上の人口が増えたと発表した。半世紀前、この比率は 1対 9だった。