ガンと診断された人は「ガンと診断されたストレス」から、さらにガンを増大させるとも読める論文

 

まあ、よくわからないのですけれど、論文の概要をご紹介させていただきます。


慢性ストレスは好中球を介した微小環境の変化を介して転移を増加させる

sciencedirect.com 2024/03/11

Chronic stress increases metastasis via neutrophil-mediated changes to the microenvironment

概要

慢性的なストレスは、ガン患者の転移リスクの増加と生存率の低下に関連しているが、その理由は不明だ。

我々は、マウスにおいて慢性ストレスにより播種ガン細胞からの肺転移が 2~ 4倍増加することを示した。

慢性ストレスは肺の微小環境を大きく変化させ、フィブロネクチン(細胞接着分子であるタンパク質)の蓄積、T細胞浸潤の減少、好中球浸潤の増加を引き起こす。好中球を枯渇させると、ストレス誘発性転移が消失する。

慢性ストレスは好中球の正常な概日リズムを変化させ、グルココルチコイド(ストレス応答の制御に関わるホルモン)放出を介して好中球細胞外トラップ形成の増加を引き起こす。

好中球特異的なグルココルチコイド受容体が欠失したマウスでは、慢性ストレスによって好中球細胞外トラップ形成と転移は増加しない。

さらに、DNase I (DNAを分解する酵素)で好中球細胞外トラップを消化すると、慢性ストレス誘発性転移が防止される。

まとめると、我々のデータは、慢性ストレス中に放出されるグルココルチコイドが好中球細胞外トラップ形成を引き起こし、転移を促進する微小環境を確立することを示している。

したがって、好中球細胞外トラップは、ガン患者の転移再発を予防するターゲットとなる可能性があり、ガン患者の多くは病気のために慢性的なストレスを経験することになる。