エキナセアが、有益な腸内の善玉菌を増やして免役機能を改善するとした研究

 

エキナセアは、風邪などにいいと言われていますが、ご紹介する論文によれば、腸内細菌環境を大幅に改善する効果があるようで、全体的な免役向上に良いのかもしれません。

私も冬は、わりとエキナセア茶を飲みます(飲んでいるのはこれです)。

 


免疫抑制されたアヒルの腸内細菌叢に対するエキナセアの効果

ncbi.nlm.nih.gov 2023/01/05

Effect of Echinacea on gut microbiota of immunosuppressed ducks

概要

導入

免疫抑制により動物は感染しやすい状態になり、腸内細菌叢のバランスが崩れ、病気のリスクが高まり、農場に深刻な被害をもたらす可能性がある。エキナセアはさまざまな方法で免疫調節効果を発揮するが、腸内細菌叢に対するその影響は不明だった。

メソッド

実験では、免疫抑制されたアヒルの腸内細菌叢に対するエキナセア抽出物 (EE) の影響を 16s-RNA シーケンスによって調査した。

結果

結果は、エキナセア抽出物が免疫抑制されたアヒルの体重増加を有意に改善することを示した。また、免疫器官指数も増加し、血清中の TNF-α および IFN-γ および IL-2 (※ 3つとも免疫作用に重要なタンパク質)のレベルも上方制御された。

滑液包の病変が、脾臓や胸腺と比較して明らかだったアヒルは、エキナセア抽出物グループの治療後、滑液包のリンパ球数は健康なレベルに戻り、病変は大幅に改善された

多様性分析では、どちらの α多様性指数(※ 微生物群集構造の多様性。この場合、種類ではなく腸内細菌の全体量を示していると思います)も有意差を示さないことが示されたが、しかし、エキナセア抽出物群は対照群と比べて健康群に近い傾向があった。

β多様性分析により、健康なグループと免疫抑制されたグループの間でサンプルが高度に分離されていることが明らかとなった。

配列決定の結果は、デキサメタゾン治療群におけるプレボテラ属および プレボテラ属 _UCG_001 (※ どちらも主要な常在菌)の相対存在量が有意に高いことを示し、これはデキサメタゾン誘発性免疫抑制の潜在的なバイオマーカーである可能性がある。

エキナセア抽出物グループは、アッカーマンシア属、バクテロイデス属、アリスティペス(※どれもいわゆる善玉菌と言われる細菌)の相対存在量を増加させ、メガモナス属、レンサ球菌、およびエンテロコッカス属の相対存在数を有意に減少させた。

結論

エキナセア抽出物が免疫抑制されたアヒルの発達を改善し、腸内の有益な細菌属の量を増やすことによって腸の免疫機能を調節することが示された