[IgG4関連疾患の危険因子としてのCOVID-19 mRNAワクチン]という東京都医学総合研究所の記事

 


IgG4関連疾患の危険因子としてのCOVID-19 mRNAワクチン

公益財団法人 東京都医学総合研究所 2023/10/12

今回の論文のポイント

・新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のmRNAワクチン接種により血清IgG4が上昇し、IgG4関連疾患(IgG4-RD)(図1)の病態を促進する可能性があることから、COVID-19 mRNAワクチンはIgG4関連疾患の危険因子として要注意です。

・実際、複数回のmRNAワクチン接種により、IgG4関連疾患が新たに発症したという症例や、1回のmRNAワクチン接種でIgG4関連疾患が再燃したという症例の報告が増えています。現時点で、幸いな事に重篤には至っていないようです。

図1

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、2019年12月に中国の武漢で勃発して以来、SARS-CoV-2のパンデミックは世界中に広がりましたが、mRNAワクチンによる予防が功を奏したおかげもあり、現在、COVID-19は収束しつつあります。

これに関連して、mRNAワクチンの開発に寄与した米国ペンシルベニア大のカタリン・カリコ特任教授とドリュー・ワイスマン教授の2人が2023年のノーベル生理学・医学賞を受賞しました。

しかしながら、ノーベル賞が授与されたからと言ってmRNAワクチンに問題はないという保証はありません。

実際、mRNAワクチンの接種に伴い、発熱、倦怠感、頭痛、筋肉痛などの副反応が、低頻度ながら心筋炎、心膜炎、血栓症など重篤な合併症が観察されて来ました。

また、前回(mRNAワクチンの反復接種はSARS-CoV-2の免疫回避を促進する〈2023/10/03掲載〉)で述べましたように、頻回のワクチン接種により免疫グロブリンのIgG4が上昇し、免疫寛容状態が引き起こされる結果、SARS-CoV-2の免疫回避が増強したり、自己免疫疾患や癌が促進される可能性が論じられました。