[クレディ・スイスの劣後債保有者に迫る損失危機]というブルームバーグの報道

 

難しい言葉がたくさん出てきます。おおむね以下のような感じです。

・ディストレスト債 → 経営的に行き詰まりを見せた企業、経営破綻に直面した企業の社債などの債権で、本来の価値より著しく安価になっているものを指す。

・ジュニア債 → 資産担保証券の発行に際してリスクを3分類した中で、最もリスクの高い水準の債券のこと。劣後債ともいいます。

・クレジット・デフォルト・スワップ (CDS) → 特定の会社等が倒産したとき等に、一方の当事者から他方の当事者に、あらかじめ定められた範囲の金額が支払われる。


クレディ・スイスの劣後債保有者に迫る損失危機

ブルームバーグ 2023/03/16

クレディ・スイス・グループのジュニア債(劣後債)保有者は損失計上を迫られる可能性が高いと、ヘッジファンドのベテラン運用担当者ホセ・モスケラ氏が指摘した。

モスケラ氏はこうした見方が、クレディ・スイスのデフォルト(債務不履行)の可能性に対応するデリバティブ(金融派生商品)などの価格に基づいていると説明した。

同氏はヘッジファンドのロー・インベストメンツとクアドリガ・クレジット・オポチュニティーズの最高投資責任者(CIO)でHSBCホールディングスの元金融クレジットトレーディング責任者。

15日午前の時点で、クレディ・スイスの「その他ティア1債」(AT1債)は額面を80%下回る水準が示唆された。これはディストレス債と通常見なされる水準だ。

また事情に詳しい複数の関係者によると、金融機関がクレディ・スイスに対するエクスポージャーを短期的にカバーしようとしたことで、1年物クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)スプレッドはデュレーションが長めのものを大きく上回った。

モスケラ氏は「クレディ・スイスの短期CDSはほぼ調達不可能だ」などとする一方、「ディストレス債の水準にある劣後債は豊富な供給が見られている」と指摘。このことから「劣後債保有者の完全な負担を伴う破綻処理を市場は非常に高い確率で織り込んでいると思う」と述べた。

トレースによると、ジュニア債の一つである偶発転換社債(CoCo債)の価格は15日、額面1ドル当たり39.89セントと、前日の73.15セントから下がった。この永久債の表面利率は9.75%、発行残高は16億5000万ドル(約2200億円)。

クレディ・スイスの担当者はコメントを控えた。