今日、町を歩いていましたら、駅の中を「赤いロングヘア」の女性、というか、女の子が歩いていました。
とてもスリムで……というより、痩せすぎの気配もある女性でしたが、赤い髪は、きちんときれいにケアされているような印象でした。
「ほとんどクリスチーネだな」
と思い、その女性を少し眺めていました。
クリスチーネ、というのは1981年のドイツ映画に「クリスチーネF」というのがありまして、その主人公の女性の名前なのですが、私はこの映画を 18歳の頃に見たのですけれども、あまりにショックを受けて、映画館を出たあと半日くらい話すこともできないほどでした。
今は、クリスチーネFの DVD もあり、私は持っていまして、1年に1回くらい見ることもあるのですが、見る度に切なくて悲しくて、
「なんでまた見ちゃったんだろう」
とそのたびに思います。
クリスチーネFは、実際にあった十代前半のドイツの少年少女たちが麻薬で滅びていく様相を描いたもので、後にも先にも、若者のドラッグの問題をここまでストレートにいろいろ描いた映画はないと思います。
見ていて、ひたすら痛くてつらくて。
この映画の主人公は、クリスチーネという13歳の女性で、14歳から Wikipedia の説明では、以下のようなことになっていきます。
クリスチーネ・Fが友人とともに麻薬に手を出し始めたのは1974年頃のこと。徐々に麻薬への依存は抑えきれなくなっていく。
やがて、クリスチーネは14歳にしてベルリンのZoo駅付近で売春に手を染めることになる。ボーイフレンドのデトレフも男娼として体を売り始めた。
もう、そこからはボロポロなんですが、しかし、映画では、こうなる前のクリスチーネの姿が非常に美しく描かれていまして、それだけに、
「こんなんなっちゃうのかよ」
と思います。
13歳のクリスチーネは、知りあった女友達に、
「わたし、14歳になったら、髪を赤くするんだ」
と言い、その通りにするのですが、時期としてボロボロになっていくのが、同じときでした。
髪を赤く染める前のクリスチーネは飛びきりの美少女で、映画でありながら、見とれてしまうような存在でした。
髪を染める前のクリスチーネ
髪を赤く染めた後のクリスチーネは、もうどの姿もボロボロになっているものばかりですので、写真は載せないですけれど、この映画を見た時から、
「女の子が髪を赤く染めたらあぶないんだ」
という思い込み(どんな思い込みだ)を持つようになっていました。
その後、2009年頃だったと思いますが、私は、東京の吉祥寺で、「クリスチーネとそっくりな赤毛の女の子」と出会うことになります。
この人については、こちらなどでふれたこともありますけれど、
「いろいろな人と出会うなあ」
と、いつも思います。