デストピア日記

NOFIA

メモと雑記

愛のコスモス

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先日、夜ひとりだったので、何となく地元の街で飲んでいたのですが、少しだけ顔見知りの女の子がいて、一緒に飲んでいました。

「オカさんってタバコ吸わないんだっけ?」

彼女はそう言いました。

私はずいぶん前にタバコをやめて以来、1本も吸っていないので、「うん」と答えました。

「わたし吸っていい?」
「ああ、もちろん。どうぞどうぞ」

私は自分が吸わなくなってからも別にタバコを悪く思ったことはないです。

「オカさんいつやめたの?」
「14年前とか15年前とかくらいかな」
「なんで?」
「そのときに子どもが生まれたのよ」
「ああそうなの」
「赤ちゃんのいる家で吸うのもどうかなと」
「すぐやめられたんだ」
「うん」
「もともとあんまり吸わなかったの?」
「いやいや、超ヘビースモーカー」
「そうなん?」
「60本とか80本とか」
「よくやめられたね」
「自分でも不思議だったけど、そのままやめられた」
「吸いたいとは思わなかったの?」
「最初はあったけど、そのうち消えたよ」

彼女は何かをバッグから取り出しました。

何かこう金属的なものです。
そして、それを口に当てました。

「それ何?」
「アイコス」
「愛子16歳?」
「ちがう。アイコス」
「何それ?」
「オカさん知らないの?」
「うん」
「タバコだよ」
「もしかして、それが加熱式というやつ?」
「そう」
「へえー。煙出ないんだ」
「うん」
「アイコス……」
「そうだよ」
「愛が濃すぎるって意味かね」
「うーん、言ってることがちょっとわからない」
「愛のコスモスとか」
「うーん、よくわからない」

金属的な細いチューブを手にして、口にたまに当てるという、何だかそれは不思議な光景ではあるけれど、魅力的な光景にも見えました。

「味はタバコなん?」
「オカさん吸ってみる?」
「でも、口つけちゃうことになるから」
「別にいいよ」
「じゃ、ちょっとだけ」

ということで、それを一口いただきました。

「あー、タバコの味だ」
「そうでしょ?」

十数年ぶりにタバコの味というものを経験しました。

「いろいろと変化していくものだねえ」

と語りつつ、お礼を言い返しました。

「これ、名前いいよね。アイコス」
「そう?」
「この名前が最強ビザとかマイボナンザとかだとイヤだよね」
「うーん、言ってることがちょっとわからない」
「サバンナクラブとかさ」
「オカさん酔ってる?」
「うん」
「見た目じゃわかんないんだよね、オカさんは」
「そう?」
「訳のわからないこと言い始めるよね」
「それはシラフでも同じだから」
「そうなん?」
「シラフジラーフとかさ」
「ほら、わかんない」




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