「食糧」カテゴリーアーカイブ

コメの世界価格が急騰。タイ米は前年比50%値上がり

 

(参考記事)「世界のコメ不足は過去20年で最大になる」と信用格付機関フィッチが発表。…日本の近年最大のコメ不足時と同様の強力エルニーニョが迫る中で
In Deep 2023年4月22日


コメ価格急騰、アジアで食料価格危機の見込み高まる-HSBC

bloomberg.co.jp 2023/09/15

アジアの主食であるコメ価格が2008年以来の急騰となっており、インフレ抑制を目指す各国中央銀行にとって食品高が新たな懸念材料になりそうだと、HSBCホールディングスは指摘した。

フレデリック・ニューマン氏らエコノミストは15日の調査リポートで、「2008年にアジアで起きた食料価格危機の記憶は深い」とし、「当時、この地域で消費者と各国政府が供給確保に奔走したため、一部の国のコメ価格上昇が急速に他国に波及した。買い手もコメの代替品にシフトしたため、小麦など他の主食の価格も上昇した」と論じた。

世界的な指標であるタイ産のコメ輸出価格は1トン=600ドル強に急騰し、前年比で約50%値上がりした。

全世界で消費量に占めるコメ輸入の割合は過去 25年間で約2倍に達し、08年の食料価格危機以来、約4ポイント上昇している。



ポルトガルでワイン醸造場タンクが爆発し、「220万リットルのワインの川」となる

 

長い歴史がある製法だと思うのですが…満タンだったとしても普通破裂する?


ワイン220万リットルが川のように…ポルトガルの村を襲った醸造場タンク破裂事故

中央日報 2023/09/14

ポルトガルのある醸造場でワインのタンクが破裂してワイン約220万リットルが流出した。これはオリンピック規格のプール(250万リットル)をほぼ満たすことができるほどの量だ。

13日、英国ガーディアンや米国ニューヨーク・タイムズなどによると、10日、ポルトガル・アナディア地域にある醸造所Destilaria Leviraでワインタンク2個が破裂した。

この事故で220万リットルを超えるワインが近くの住宅と道路にあふれ出た。当時の状況が撮影された映像を見ると、ワインは急流のように流れている。まるで紫色の川のようだった。

同醸造場のPedro Carvalho代表はこうしたことが発生したことについてニューヨーク・タイムズに「構造的な問題でタンク1基が倒れて別のタンク1基までなぎ倒された」と明らかにした。インフレや新型コロナウイルスなどの理由で在庫が蓄積され、タンクの中に支えきれないほどの大量のワインが保管されていたことが原因だったということだ。

Carvalho代表はただし、流出事故は約1時間続いたが「良い品質のワインなので強い臭いを残さなかった」と話したとニューヨーク・タイムズは伝えた。

また、醸造場側はフェイスブックにコメントを載せて「浸水した住宅地下室などの地域を清掃して復旧するためにかかる費用に対して全面的に責任を負う」としながら「できるだけ早期に問題を解決することができるよう最善を尽くしたい」と約束した。



パナマ運河の通航制限が1年間延長される見込み

 

パナマ運河の発着国の上位は、「米国、中国、日本」となっていまして、1年も延長するとなると、少しずつサプライチェーン等に影響が出てきそうです。


パナマ運河、水不足で通航制限1年延長も

日経XTECH 2023/09/08

大西洋と太平洋を結ぶパナマ運河で水不足のため航行制限が導入されているが、運河当局はこのほど、十分な降雨が望めない場合には制限を1年間継続する方針を固めた。

船舶が高低差のある運河を通航するには、閘門(こうもん)に水を注入して水位を調整する必要があるが、降雨量が不足しているため十分な水を確保できていない。

1隻当たり2億リットルの水が必要

パナマ運河庁のイリヤ・エスピノ副長官は 24日、AFPに対し、向こう 3か月間に十分な雨が降らなければ、通航制限を「 1年継続することを検討している」と述べた。利用者はその間に対応策を検討できるだろうとしている。

パナマ運河の通航には、1隻当たり2億リットルの水が必要とされる。しかし、エルニーニョ現象の影響もあり、パナマは現在、深刻な干ばつに見舞われており、当局は通航制限を導入。そのため滞船が発生しており、1日当たり通航数は昨年は平均 40隻だったが、現在は 32隻にまで減少している。



イタリアで「ヒアリ」の複数のコロニーが発見され、ヨーロッパ中への拡大が懸念される

 


ガーディアン:ヨーロッパはヒアリの侵入の脅威にさらされている

InoTV 2023/09/12

Guardian: Европе угрожает нашествие красных огненных муравьёв

地球上で最も致死的な侵入アリの一種のコロニーがイタリア南部で発見され、この昆虫がヨーロッパ全土に広がる可能性があると科学者らは警告している。

地球上で最も危険な侵入アリの一種のコロニーがイタリア南部で発見された。科学者たちは、地球温暖化により、これらの昆虫がヨーロッパ全土に広がる可能性があると警告していると英ガーディアン紙が報じた。

ヒアリ (アカヒアリ / Solenopsis invicta ) は強力な刺し針を持っており、それによって被害者の体内に強力な毒が放出され、また、農作物を破壊し、車やコンピューターなどの電気機器に損傷を与える可能性がある。

ガーディアンが指摘しているように、ヒアリは最も危険な外来種の一つと考えられており、数匹の女王がいるスーパーコロニーを急速に形成することができる。

アリのコロニーは植物の種子を食べるほか、無脊椎動物や小型脊椎動物も捕食する。それらの蔓延は、動植物の在来種の数と多様性の深刻な減少を伴う。

20世紀初頭、ヒアリは南米から物品とともに誤って米国に持ち込まれ、年間 60億ドルの被害を引き起こし、その後、オーストラリア、ニュージーランド、中国、インドにも持ち込まれた。

科学者たちは、シチリア島のシラキュース市近くの 4.7ヘクタールの狭い地域で 88個のヒアリの巣を発見した。その後のこれらのアリの DNA 分析により、これらのアリが国際貿易を通じて中国または米国からイタリアに持ち込まれたことが判明した。この発見は、学術誌「Current Biology」に掲載された。

英国の自然保護慈善団体バグライフはすでに EU からの土壌輸入を禁止するよう政府に求めている。同団体は、外来種のアリは土壌中の植物を介して英国に簡単に侵入する可能性があると述べた。

科学者たちによると、近い将来、ヒアリはヨーロッパの約 7%に加え、ロンドン、パリ、ローマ、バルセロナなど亜大陸の主要都市の約半分に生息する可能性があるという。

これは、シチリア島やヨーロッパの他の地域で、すべてを駆除することを目的とした対策を早急に策定する必要があることを示している。

オーストラリア当局はこの種を根絶するために 2億5,700万ドルを費やしたが、まだ完全に根絶することには成功していない。

ニュージーランドは、2001年にヒアリが侵入して以来、駆除に成功した唯一の国であるとガーディアン紙は書いている。



紅茶は新型コロナウイルスを不活性化するが、「牛乳を入れるとその効果が消える」

 

日本の研究者たちによる論文の概要です。

牛乳の「カゼイン」というタンパク質が不活性化を阻害するようです。


ミルクのカゼインは、in vitroでSARS-CoV-2を不活化する紅茶ガロイル化テアフラビンの効果を阻害する

mdpi.com 2023/09/09

Milk Casein Inhibits Effect of Black Tea Galloylated Theaflavins to Inactivate SARS-CoV-2 In Vitro

概要

SARS-CoV-2 感染者の唾液は、人から人へのウイルス感染を媒介する飛沫やエアロゾルの主な起源であるため、唾液中のウイルスを飲料によって不活化できる場合、そのような飲料は有用である可能性がある。

我々は以前、SARS-CoV-2 が緑茶や紅茶を含むお茶類による in vitro 処理により有意に不活化されたことを報告した。

カテキンとその派生化合物は、スパイクタンパク質の受容体結合ドメイン (RBD) に結合するテアフラビン (※ 紅茶に含まれるポリフェノールの一種)をガロイル化し、RBD と ACE2 の間の相互作用をブロックした。

紅茶は、一般的に、砂糖、牛乳、レモン汁などと一緒に摂取されることが多いが、これらの成分が紅茶の抗 SARS-CoV-2 効果に影響を与えるかどうかはまだ明らかになっていない。

私たちは、これらの成分の存在下で、オミクロン亜種に対する紅茶の影響を調べた。

オミクロン亜種の感染力は、紅茶で 10秒間処理すると 1/100 以下に減少した。

小さじ 1~2杯の牛乳(4~8mL)は、一杯の紅茶(125mL)の抗ウイルス効果を完全に阻止した。砂糖やレモン汁では阻止されなかった。

抑制効果はミルクカゼインによって用量依存的に発揮されたが、ホエータンパク質には影響しなかった。牛乳添加紅茶を酸性化した後、テアフラビンはカゼインと共沈した。これは、テアフラビンがカゼインに結合していることを強く示唆している。

本研究は、紅茶に牛乳を添加すると、カゼインのテアフラビンへの結合により、紅茶の抗 SARS-CoV-2 効果が打ち消されることを初めて実証した。



[コメの品質が低下 一等米の比率がわずか2割に]という新潟の報道

 


9月も暑さ厳しく コメの品質が低下 一等米の比率はわずか2割に 《新潟》

テレビ新潟 2023/09/01

きょうから9月ですが収まる気配をみせない暑さ。最高気温は新潟市秋葉区で36.1度など県内は各地で猛暑日となりました。この猛暑の影響で三条市で行われたコメの品質検査では一等米の比率がわずか2割と厳しい結果が出ています。

(リポート)
「きょうから9月となりましたが強い日差しが照り付けています。立っているだけで汗が噴き出るほどの暑さです」

暦の上では秋に近づいているはずですが、一向に収まる気配のない猛暑。

最高気温は新潟市秋葉区で36.1度を観測するなど各地で猛暑日となりました。

〈まちの人〉
「暑いですね、大変です。もうちょっと(気温が)下がってほしいですね。30度切ってほしいです」
「夜だけでも涼しくなってほしいですね。昼間はしょうがないから」

気象庁は8月31日、ことし8月の平均気温を発表。

新潟市中央区では去年とおととしは26度台でしたが、ことしは30.6度と、観測史上初めて30度を超えました。

異常な暑さが続くなか、9月1日、三条市では「こしいぶき」など早生品種のコメの品質検査が行われました。

〈JAえちご中越 営農生産課 村田信哉さん〉
「白っぽいのが多かったり割れていたりしますね」

よく見ると粒が割れていたり、栄養が行き届かず熟したりない粒が…

JAによりますと高温障害が起き、生育に影響で出ているといいます。

9月1日の検査では…

〈JAえちご中越 営農生産課 村田信哉さん〉
「おおよそ1等比率が2割、2等が8割という結果になっています」

261トンのコメのうち一等米の比率はわずか2割という結果になりました。

例年は8割ほどだという一等米。ことしは猛暑だった2019年以来、初めて2割ほどにとどまったということです。

〈JAえちご中越 経営管理委員会 吉田文彦会長〉
「(1等米が)2割というのは想定外に悪かったというのが正直なところ。高温が影響しているということだと思います」

米どころも新潟に影を落とす記録的な猛暑。影響が広がっています。



新潟三条市のコメの作況は「やや不良」

 


「ここから良くなることは考えにくい」連日の“危険な暑さ”で水稲作況は「やや不良」新潟県三条市

BSN 新潟放送 2023/08/31

“危険な”暑さが続き農作物への影響が懸念される中、新潟県三条市では間もなく収穫を控える「コシヒカリ」の作況調査が行われました。

農業委員会による6段評価では3段目の「やや不良」と判定され、高温障害を原因とする品質低下が現実のものとなりそうです。

三条市では毎年この時期になると、農業委員会による作況調査が行われています。

31日には三条市の栄地域や下田地域の4つの田んぼをまわりました。

「あーやっぱり白いな。あんまりだな。雨少なかったしな…」

通常、この時期のもみは半透明だということですが、白くなっているものが確認されました。連日続く猛暑が原因です。

「三条市も猛暑続きで雨降らなかったしな…。下からも上からも水が必要」

このあたりは田んぼに引く水の量は足りているということですが、雨が降らないことで穂の部分が乾燥しすぎてもみが白くなってしまうそうです。

このままだと精米したときに米粒が白濁したり、割れたりして見た目や味の評価が下がり、出荷されない可能性もあります。

31日の調査では、6段評価の3段目にあたる「やや不良」と判定されました。

【三条市農業委員会農政対策部会 熊倉睦部会長】
「多くの稲に、猛暑による障害が見られた。穂が短いし、実の入りもバラバラなので…。この時期にもなると、ここから良くなることは考えにくい」

この地域一帯では9月中ごろから稲刈りが始まる予定ですが、猛暑による被害が懸念されます。