福岡大学の医学者たちによる研究のようです。未接種のコロナの自然感染者からは IgG4 は「まったく」検出されなかったようです。
メッセンジャーRNAベースの新型コロナウイルス感染症ワクチンによる反復免疫後の抗スパイク受容体結合ドメイン免疫グロブリンG4応答の出現
sciencedirect.com 2023/11
The appearance of anti-spike receptor binding domain immunoglobulin G4 responses after repetitive immunization with messenger RNA-based COVID-19 vaccines
ハイライト
・メッセンジャー RNA COVID ワクチンの反復投与は、抗受容体結合ドメイン (RBD) 免疫グロブリン (Ig) G4 抗体 (Ab) 応答の遅延増加を誘発する。
・ワクチン接種を繰り返すと、抗 RBD IgG3 Ab のピークレベルが減少した。
・ワクチン接種を受けていない新型コロナウイルス感染症患者の血清からは、抗 RBD IgG2 または IgG4 は検出されなかった。
・メッセンジャーRNA型新型コロナウイルス感染症ワクチン接種後の突破口感染では、抗RBD IgG4が増強される。
・抗 RBD IgG4 の上昇は突破感染のリスクを増加させなかった。
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概要
目的
メッセンジャー RNA (mRNA) ベースの COVID-19 ワクチン接種の繰り返しが SARS-CoV-2 スパイク受容体結合ドメイン (RBD) 特異的免疫グロブリン (Ig)G サブクラスに及ぼす影響と、突破感染(※ ブレイクスルー感染)との因果関係の可能性を分析することが重要だ。
メソッド
われわれは、日本の医療従事者に mRNA ベースの新型コロナワクチンの 2回目、 3回目、 4回目の投与を受けた後の血清中の RBD 特異的 IgG サブクラス抗体の長期動態を調べた。
新型コロナワクチンを受けていない新型コロナウイルス感染患者の血清中の抗 RBD IgGサブクラスも検査した。我々は、ブレイクスルー感染前のワクチン接種者と非感染ワクチン接種者の血清中の抗 RBD IgG サブクラス抗体力価を比較した。
結果
ワクチン接種後の抗 RBD IgG4 の血清陽性率は、2回目の接種から 1か月後には 6.76% だったが、2回目の接種から 6か月後には 50.5%まで徐々に増加し、3回目の接種から 1 か月後には 97.2%に達した。
抗 RBD IgG1/IgG3 の血清陽性率と力価は、2回目の投与から 1か月後にすぐに最大値に達し、その後減少した。ワクチン接種を繰り返した後に観察される抗 RBD IgG4 Ab レベルの上昇は、突破感染のリスクを高める可能性は低い。
結論
ワクチン接種を繰り返すと、抗 RBD IgG4 応答が、遅れながらも急激に増加する。
mRNAベースの新型コロナワクチン接種を繰り返した後のスパイク特異的 IgG4 サブクラスの高い寄与度を明らかにするには、さらなる機能研究が必要だ。