「食糧ニュース」カテゴリーアーカイブ

アメリカの春小麦の先物価格が史上最高値に

 


zerohedge.com

(※) 以下の記事などにありますように、北米の気候が農作に対しては大変に厳しいものとなっていまして、今後も小麦価格の推移は、安定しないものとなりそうです。

[記事] 5月の北米で異常な寒さが続き、カナダとアメリカの一部では作付けが5月になっても始められず、アメリカでは穀物備蓄が大幅に低下する予測も (2022年5月7日)

[記事] カナダの広範囲での史上最低レベルの季節外れの気温は今後も続く見込み。いまだに氷点下が記録される地域も (2022年5月9日)


春小麦が第三次世界大戦と天候の問題で14年ぶりの高値を記録

zerohedge.com 2022/05/09

Spring Wheat Hits 14-Year High On World War 3 & Weather Woes

米国北部の平原とカナダでの雨の多い天候、西ヨーロッパで続く乾燥、ウクライナの混乱、インドの荒天による植栽の遅れの組み合わせにより、 世界の小麦市場が混乱し、ミネアポリスの春小麦価格は 2008年以来の最高水準に達した。

春小麦は、ベーグル、ピザ生地、ロールパン、クロワッサンなどの特産品の製造に使用される。

さまざまな理由で米国平原北部とカナダでの植栽が遅れているため、5月9日に14年ぶりの高値であるブッシェル12.31ドルに達した。

大西洋を越えると、3週間の干ばつが西ヨーロッパを悩ませており、小麦の不確実性をさらに高めている。ブルームバーグによると、フランス気象局は、フランスが「今週、夏のような暑さ」に見舞われると予想している。

パリを拠点とするアドバイザーのアグリテルは、フランスの小麦収穫量は非常に多と示唆したが、最新のヨーロッパの乾燥と、今後数週間の天気の見通しによる干ばつの進行を考えると、収獲の評価を低く修正する可能性がある。

「フランスでの水不足の拡大は、すでに緊張している市場の中で懸念を引き起こしている」とアグリテルは商品ノートで述べた。

インドは、深刻な熱波による被害を受けた作物小麦の輸出を停止することを検討している。

「ロシアでは、非常に有望な小麦の収穫が期待されているが、国際問題の状況によりロシアの小麦の利用の可能性の点に問題がある」とアグリテルは付け加えた。

天候と地政学的な問題は、世界中の備蓄が減少するにつれて、世界の小麦作物の供給が圧迫される可能性があることを示唆している。

[輸入塩 年度内に価格改定の兆し 三重苦が収益直撃し悲鳴]という食品新聞の報道

 

(※) 私は知らなかったのですが、この報道の以下の部分に、ややショックを受けました。

> 日本の塩自給率11%程度という低さは看過できない状況だ。

日本は塩もほぼ自給できていないのですね。


輸入塩 年度内に価格改定の兆し 三重苦が収益直撃し悲鳴

食品新聞 2022/05/09

物流費上昇で事業環境悪化

輸入塩は一般用塩として食用、非食用で国民生活に欠かせない存在だ。船便の契約更新が行われる来年1月には値上げが確実視されているが、今年度中にも価格改定は避けられない公算が大きくなっている。

原料塩を輸入する商社はいずれも、世界的な物流費や燃料価格の高騰に加え、急激な円安の為替変動による三重苦が収益に直撃し、悲鳴を上げている。

国内の食用ニーズは新型コロナウイルス禍や減塩志向の浸透により漸減傾向が続いているものの、ソーダ工業用など工業用途では需要増が顕著になっている。またアジア圏でも新興国を中心に、工業用需要の伸長が継続中。国内への原料塩輸入を安定的に供給するためには価格改定に踏み切らざるを得ない事態が迫っている。

輸入塩を取り巻く事業環境を悪化させている主因は、物流費の上昇だ。コロナ禍に端を発した国際的な船便の争奪戦にとどまらず、塩の製造や運搬に必要な燃料となる原油価格が高止まりしている。

今年に入ると、ロシアのウクライナ侵攻がさらなるエネルギー価格の上昇に拍車を掛けた。

商社筋によると、海外で製造された塩を輸入する船便の運賃は、コロナ前の3年前と比べて2倍以上に膨らみ、利益を大幅に圧迫しているという。

コスト増加要因はこれにとどまらない。国によってはコロナ禍に伴う厳しい人流抑制策などが行われた結果、現地の労働力が不足し、塩の製造や輸送に携わる労働者の人件費も高騰している。

輸入各社はこれまで自助努力によるコスト吸収で対応してきたが、130円台に突入した円安進行の逆風にもさらされ「コスト的には切羽詰まっている状況」「本音を言えば、一刻も早い値上げをお願いしたい」といい、既に限界点を超えているとの声で一致している。

長年にわたり、塩は「価格の優等生」と位置付けられ、中でも輸入塩は安定的に数量が確保され、国内経済が急速に発展する中で需要をカバーしてきた。だが、最大の生産地であるメキシコ塩も設備の老朽化対策に向けた修繕費などが必要になってきている。

現況のトリプルパンチに加え、長期的な視座における設備投資費を確保する必要も生じているようだ。そのためにも現況のコストアップにふさわしい適正な価格転嫁が必要不可欠。将来を見据えたサステナブルな輸入塩の供給体制を構築する契機という点でも、国内塩の価格是正と足並みをそろえる形での値上げの流れは必至といえる。

長引くコロナ禍やウクライナ情勢、急激な円安と先行き不透明な材料が山積している中、その決定時期と改定率に注目が集まりそうだ。

他方、国内では現在、主に食用は国内塩、生活インフラを支えるソーダ工業用が輸入塩として使用されている。

有事に備えた食料安全保障の観点から、日本の塩自給率11%程度という低さは看過できない状況だ。日本の食の根幹を支える国内塩と、汎用性の高い輸入塩がともに共存していく視点も忘れてはならない。

イラクの小麦収穫量が「半減」の見通し

 

(※) 太字はこちらで施しています。


イラク:ウクライナでの戦争と水不足で小麦の収穫量は半減

news.yahoo.co.jp 2022/05/09

レバノン、パレスチナ、シリア、ヨルダン、イラクにかけてのマシュリクと呼ばれる地域では、例年11月~5月初頭までが降水期でそれ以後は厳しい暑さに見舞われる。降水期の終わりと真夏の間の短い期間が、小麦の収穫の時期にあたり、この期間の農村は収穫機器が徹夜で操業する忙しさになる、はずだ。

しかしながら、この地域は昨年に勝るとも劣らない干ばつに見舞われ、降水量と河川の流量は相当に少なかった。

シリアの地中海沿岸部は平年並みの降水量を記録した地点もあったが、内陸の農業地帯の降水量は絶望的と言っていいほどの状態だった。

この状況は、トルコやイラクも含むチグリス、ユーフラテス川の流域全般で同様だったようで、今期のイラクの小麦の収穫高は昨期同様の不振となりそうだ。降水量の減少は気候変動とも関連すると考えられており、イラクでは砂嵐の頻発という新たな問題も発生している。

バグダード南方のディーワーニーヤ県では、同県を流れるユーフラテス川の水量が1秒当たり180の平年値に対し、今期は80に過ぎない。このため、イラク政府、そして生産者たちは小麦の作付け面積の削減を余儀なくされた。しかも、降水量の不足により面積当たりの収穫量は例年の半分程度にとどまる見通しである。

この不振に追い打ちをかけたのが、ウクライナでの戦争に伴う燃料と肥料の価格高騰である。エンジンオイル類や種苗も値上がりしており、これらは生産者にとって更なる重荷となる。

肥料についても、価格高騰のため国が生産者に供給する量が過去数年に比べて8分の1にまで減少する見通しだそうだ。

元々、チグリス、ユーフラテス川の流域で天水に頼る農業は不確実性が非常に高い営みではある。そこに、燃料や肥料が世界的な広範囲で取引されるようになったことにより、この不確実性に影響を与える要素はイラク政府や地元の生産者の努力ではどうにもならない範囲にまで拡大している

今期のイラクの小麦の収穫量の見通しは250万~300万トン程度であるが、これは昨期と同程度の水準であり、イラク国内で必要とする量には及ばない。

別稿で指摘した通り、この地域での農業の不振は離農→都市への人口移動→都市近郊の生活環境悪化→社会不安という負の連鎖へとつながりやすいものである。

中東では、経験的に10年に1度ほどの頻度で世界を揺るがす大事件(大抵は紛争や政治危機)が発生するのだが、折悪しく現在は前回の大災難である「アラブの春」とその後の混乱から10年ほど経過している

世界の耳目と様々な資源がウクライナでの戦争に集中する中、中東諸国はそのあおりを受けて人民の生活水準が低下することがほぼ確実である。そのため、「10年に1度」という経験則がとても嫌な予感として感じられてならない。

五月晴れ – ブリタニカ国際大百科事典

 

(※)某県某市の5月中旬までの天気予想。

weather.yahoo.co.jp


五月晴れ(読み)さつきばれ

ブリタニカ国際大百科事典

新暦の 4月後半から 5月の、梅雨前に日本列島が大きな移動性高気圧に覆われたときの晴天。発現期間は短い。もともとは旧暦 5月が梅雨にあたることから、梅雨の晴れ間の意味で、梅雨晴れ(つゆばれ)とも呼ばれたが、近年は、一般に新暦 5月の晴天をいう。

世界最大の肥料企業が「2023年まで肥料の混乱が続く」と警告

 


世界最大の肥料会社が2023年までの作物栄養素の混乱を警告

zerohedge.com 2022/05/05

World’s Largest Fertilizer Company Warns Crop Nutrient Disruptions Through 2023

世界最大の肥料会社が、供給の混乱が2023年まで続く可能性があると警告した。ロシアによるウクライナの侵略により、世界の供給の大部分がオフラインになった。これは、世界の農生産地域での価格の高騰と作物栄養素の不足を引き起こしている。

世界的な食糧危機の初期の兆候は、まだ最初のイニングにある可能性がある。

ブルームバーグは、カナダに本拠を置く NutrienLtd 社のCEOであるケン・セイツ氏が電話会議で投資家に語ったところによると、ロシアとウクライナ(両国とも主要な肥料供給業者)での供給途絶にについて、混乱は「2022年をはるかに超えて続く可能性がある」と予想した。

セイツ氏は、紛争とロシアとベラルーシに対する西側の制裁により、世界市場の肥料供給が減少し、作物の栄養素取引が再形成され、供給の不確実性がさらに高まる可能性があると述べた。

「その結果、世界の貿易パターンに変化が生じる可能性があり得ると思う」と彼は述べた。

肥料の混乱は、今年に留まらない複数年にわたる出来事である可能性がある。

すでに、世界中の農家が肥料を減らしているため、収穫時期に収穫量が減少する恐れがあり、この影響は甚大である可能性もある。

世界中の商業農家が、肥料価格の上昇や不足のために肥料の使用量を減らしている最新の兆候がすでに伝えられている。

先週明らかにされた、ブラジル最大の農業事業の1つであるSLC Agricola SAは、デラウェア州よりも広い地域で大豆、トウモロコシ、綿花畑を管理しているが、今季、肥料の使用量を20%から25%削減する。

最大のコーヒー生産国であるブラジル、ニカラグア、グアテマラ、およびコスタリカのコーヒー農家は、 高コストと不足のために、肥料の使用を減少させることが拡大すると見られている。コスタリカの1,200人の生産者を代表するコーヒー協同組合は、肥料コストの高騰により、来年のコーヒー生産量は15%減少すると予測している。

国際肥料開発センター(IFDC)は、肥料の使用量を減らすと、コメとトウモロコシの収穫時期が短くなると警告している。最大のコメ生産国である中国、インド、バングラデシュ、インドネシア、ベトナムの農家は、肥料の散布量が少なく、生産量が10% 減少する可能性がある。これは、約3,600万トンのコメ、つまり5億人分の十分な食料に相当する。

北米の肥料価格は、2020年の夏以来数百パーセント急騰している

米国でトップの肥料企業であるモザイク社の最高経営責任者(CEO)であるジョク・オルーク氏は、「おそらくこれは2年続く問題であり、そこに赤字が追いつくまでに2年から4年かかるだろう」と語った。

小麦先物価格が再び史上最高値に近づく

 

シカゴ小麦先物価格の推移

tradingeconomics.com


小麦

tradingeconomics.com 2022/05/05

シカゴの小麦先物価格はブッシェルあたり10.8ドルを上回り、北米の乾燥した天候と地政学的緊張が供給懸念を高めたため、5月2日に触れた3週間の安値10.3ドルから反発した。

気象データによると、カンザス州の農場の68%とオクラホマ州の農場の65%が、過去30日間に干ばつに苦しんでいる。北米平野の劣悪な状況により、アメリカ農務省は冬小麦作物の27%を良好な状態と評価し、同時期の昨年の評価を2パーセントポイント下回った。

一方、ロシアのプーチン大統領は、世界最大の小麦の輸出国であるロシアが、制裁措置への報復として、非友好国との輸出取引を終了する可能性があると発表した。黒海からの輸出が中断されているため、世界の小麦の供給は大幅に減少しており、在庫予測の見通しが立たないため、小麦の価格はウクライナ侵攻前よりも26%高くなっている。

岩手県で季節外れの4月の終わりの雪。気温も氷点下に

 


<岩手県>山沿いで季節外れの雪 農作物 霜に注意

FNN 2022/04/29

4月29日18時時点で、岩手県内では山沿いを中心に季節外れの雪が降っている。

さらに、30日の朝は霜が予想され、気象台は農作物の管理に注意を呼びかけている。

井上智晶アナウンサー
「午後4時を過ぎた宮古市区界です。桜が咲いているにも関わらず、季節外れの雪が降り、すでにこの時間、雪が積もり始めています」

宮古市区界の午後4時頃の気温は氷点下1度。

低気圧や寒気の影響で夕方ごろから山沿いを中心に湿った雪が降り始めた。

道の駅を訪れた人は…

「びっくりしたけどね。この薄着ですしね」
「(この時期の雪は)記憶にない。もうすぐ5月ですもんね」

平地では雪が混じるくらいとなりそうだが、山沿いでは積雪のおそれもあり、気象台は30日の朝にかけて雪による交通障害や路面の凍結に注意するよう呼びかけている。

森尾絵美里アナウンサー
「一方、あすは霜が予想されています。農家の方はどんな対策をしているんでしょうか」

盛岡市で果物を栽培するサンファームでは、2021年4月にサクランボが霜の影響を受け実がならず、売り上げが9割減少する被害を受けた。

そのため2022年は霜がおりるのを防ぐハウスを例年より少し早めに設置。さらに霜を防ぐ薬を導入した。

サンファーム 吉田聡社長
「ビニールをかけるだけで園地の中の気温がだいたい外気プラス3度ぐらいになるので、その点は少し胸をなでおろすという感じ」

ほかにも様々な果物の花が開花する時期だが、特に今影響を受けやすいリンゴに対して県は30日、低温や霜に注意するよう呼びかけている。

米ノースダコタ州の洪水が農作地にダメージを与える中で、アメリカの春小麦先物価格は過去最高値に近づく

 

[参考記事] アメリカでほぼ唯一の「春小麦とヒマワリ」のメジャー生産地であるノースダコタ州とサウスダコタ州が洪水と春の吹雪で、今なお植え付けに入ることができず (地球の記録 2022/04/29)

アメリカの春小麦先物価格

zerohedge.com


ピザ生地で使用される春小麦は、洪水が北の平原を荒廃させる中、過去14年近くの最高値に

zerohedge.com 2022/04/30

Spring Wheat Used In Pizza Crust Nears 14-Year High As Floods Devastate Northern Plains

米国北部の平原が、農作生産者たちが生産作物地域への植栽を妨げる壊滅的な洪水に悩まされているためアメリカの春小麦先物は2008年以来の最高水準に近づいている。

吹雪、冬の嵐、強風、 極端な洪水 が 4月ノースダコタ州とサウスダコタ州を襲い、植栽が5月末になると予測されているため、収穫量の減少が懸念されている。

現在、洪水で湿った状態のため、生産者たちが畑で働くことができていない。つまり、小麦が植えられていない状態であり、毎日の収穫量は減少する。

商品調査会社のハイタワーレポートは、「春小麦の収穫は、大雨と寒さによる植栽の遅れが続くと予想されている」と述べた。

最も活発な春小麦先物契約は1%以上増加してブッシェル12.02ドルになり、3月のピークに近づき、2008年以来の最高水準に近づいた。

春小麦は、ロールパン、クロワッサン、ベーグル、ピザ生地などに使用されている。ロシアのウクライナ侵攻後の供給不安により、世界の小麦生産は混乱させられている。

2021年のアメリカの干ばつ、ウクライナの危機、およびアメリカ北部の平原での洪水が相まって、世界は、主要な食糧需要を北半球にさらに依存している。

アメリカがこの収穫期に生産の苦境を経験した場合、それが天候関連の問題または単に不十分な肥料のためである場合でも、世界的な食糧危機が年末または次の年までにさらに顕著になる可能性があるリスクが高まる。

[韓国全土にアフリカ豚熱拡大]という報道

 


韓国全土にアフリカ豚熱拡大 ワクチンなくお手上げ状態

朝鮮日報 2022/04/28

野生のイノシシを介してアフリカ豚熱(African Swine Fever=ASF、以前の名称:アフリカ豚コレラ)が韓国全土に広がりつつあり、政府が対策準備に頭を痛めている。熱病にかかったイノシシが移動できないよう、移動経路の各地に鉄柵を立てたものの、十分でない状況だ。

初めて野生のイノシシからASFが見つかったのは2019年、京畿道漣川郡でのことだった。このイノシシは北朝鮮から非武装地帯(DMZ)を通って南下してきたという説もある。

これに対して、韓国環境部では韓国軍部隊と協議してイノシシの南下を阻止することを目標に、819億ウォン(約83億1400万円)かけて京畿道坡州市から江原道高城郡まで1418.3キロメートルにわたり鉄柵を設置した。

しかし、南北を縦断する山脈「白頭大幹」に沿って移動するイノシシの経路を物理的に断ち切るのに十分でなかった。京畿道・江原道一帯で発見されたASFは最近、政府の防衛線を突破して慶尚北道尚州市や忠清北道報恩郡まで広がっている。2019年に最初に発見された地点から慶尚北道尚州市功城面まで、直線距離にして239キロメートルも南下した。

ASFはヒトを含めイノシシ科以外の動物には感染しない「豚の伝染病」だ。しかし、感染速度が速く、致死率が100%近いため、養豚農家に広がると致命的な被害が出る。このため、対策づくりが急がれている。

環境部が27日に明らかにしたところによると、ASFは今年673件発生し、累計2548件に達した。2019年以降これまでに21の農家が被害を受け、豚12万頭が殺処分された。

新たに報告された民間農家被害事例はまだないが、ASFで被害を受けて殺処分を行った韓国国内21の養豚農家のうち、事業を再開したのは6カ所だけだ。

時点の被害地域は江原道・京畿道・忠清北道・慶尚北道などとなっている。政府は韓国全土のイノシシの5-8%がASFに感染したとみている。「韓半島(朝鮮半島)全域にASFが広がるのは時間の問題だ」と懸念されているのもこのためだ。

後半

結局はイノシシにワクチンを投与して感染を防ぐしかない。しかし、白頭大幹に沿って移動する韓国の野生のイノシシ(推定6万-13万頭)を捕まえて注射をするというのは現実的に難しい。このため、「餌ワクチン」、すなわち餌にワクチンの成分を混ぜ、イノシシにこれを食べさせてASFに対し免疫力を持たせるという方法が研究されている。

韓国では疾病管理院が中央ワクチン研究所・忠南大学と共に国内のイノシシの分離株を利用して「韓国型ワクチン」を開発している。

環境部と民間企業のコミファームは、米国で開発されたワクチン候補株を取り入れて適用する案を協議している。問題は実験だ。ワクチンに効果があるかどうかイノシシを相手に実験しなければならないが、この条件すらきちんと確保できていない状態だ。

動物実験をする実験室も不足しているのが実情だ。民間企業では「野生のイノシシを相手に早く実験をし、その結果を見るべきだ」と主張しているが、環境部は「その過程でASFがさらに広がったらどうするのか」と反対している。

世界的に見ても開発されたワクチンがなく、「かかると死ぬ病気」がASFだ。

2019年にASFが初めて発見された中国では、ASFが風土病として定着するのを防ぐため、国を挙げてワクチン開発に着手しているところだ。

韓国の業界では「イノシシ用『餌ワクチン』が出なければASFの全国拡大は時間の問題だ」と懸念している。政府はこれまで広域フェンスや死骸捜索戦略などを実施してきたが、2年以上にわたって流行拡大を防げていない。

政府はイノシシの餌にワクチンを注入する「餌ワクチン」を2024年までに開発するという方針だが、容易ではない状況であり、家畜の豚が感染した場合に接種するワクチンの開発も進んでいない。

環境部はASFが近いうちに慶尚南道・全羅北道・全羅南道などほかの地域にも広がるとみて、27日に各道の公務員を対象とした防疫教育を開始した。環境部関係者は「今は農家にASFが拡大するのを防ぐことに集中する。長期的には餌ワクチン開発に総力を挙げることになるだろう」と語った。

[ウクライナの穀類生産は前年比で4割減]という日本農業新聞の報道

 


小麦畑に地雷、農作業阻む 穀類生産4割減、有機販路も激減

日本農業新聞 2022/04/28

ロシアによる軍事侵攻から2カ月以上たち、ウクライナの農業は大きな打撃を受けている。今年の生産予想は戦争の行方によって大きく振れるが、現時点で穀物や油糧作物の生産量は前年の4割減という見方が出ている。占領地域の存在や畑に残る地雷、物流の混乱などが立ちふさがる。

大豆や野菜などの作付けが難しくなっている他、これから収穫する冬小麦の畑にまかれた地雷が農作業を難しくしている。政府などによると、今年の穀類生産量は6300万トン、前年の1億トンを大きく下回る見通しだ。マリウポリなど黒海沿岸地域で激しい戦闘が続き、海上輸送を主力とする輸出は、引き続き大きく制限されそうだ。

あまり注目されていないが、ウクライナの有機農業が痛めつけられている。ウクライナの有機農業生産は2020年に46万2200ヘクタールで行われていた。最大の産地は南部のヘルソン地域で8万2000ヘクタール、東部のザポリージャ地域の4万5000ヘクタールなどが続く。いずれも完全にロシア軍に占領されていたり、交戦によって農地で作業することが著しく難しくなっていたりする地域にある。合計すると、ウクライナの有機農業生産面積の3割に相当する。

混乱の中で有機農産物の販路は大きく限られている。生きるか死ぬかに直面する国民にとって必要なのは、有機農産物ではなくて、大量の基礎的食料だ。有機農業生産者の販路は激減した。こうした生産者は、ウクライナ軍や住民に無償で作物を提供したり、価格の上乗せを諦めて慣行の農産物と同じ値段で販売したりすることで、売り先を見つけている。

ある調査によると、国内の有機農業生産者の中で「これまで同様の生産を続けられている」と答えたのはわずか7%にすぎない。

一方でキーウでの生活は、目に見えて改善している。主要な交差点や橋にあった検問所は取り払われ、公共交通は平常に戻りつつある。市民は市内であればほぼ自由に出回れるようになった。米国大使館がキーウに戻るという26日のニュースも、市内に住む私たちを勇気づけてくれた。(キーウ、ユーリ・ミハイロフ、翻訳・編集=山田優特別編集委員)

インドネシアがパーム油輸出禁止対象を拡大。先物価格は史上最高値を連日更新

 

(※) 過去40年間のパーム油の国際価格の推移

tradingeconomics.com


インドネシアがパーム油輸出禁止対象を拡大、前日から方針転換

ロイター 2022/04/28

インドネシアのハルタルト調整相(経済)は27日、パーム油の輸出禁止対象をパーム原油や精製品などに拡大すると発表した。現地時間28日午前0時から実施される。

ハルタルト氏による前日の説明では、輸出禁止は脱酸・脱色・脱臭(RBD)処理をしたパームオレインに限定されるという話だった。同氏は急な方針転換について「ジョコ大統領の決定に沿い、国民の声を考慮に入れた結果」だと語った。

ジョコ大統領は別の声明で、当面は国家収入の減少懸念よりも、手頃な値段でパーム油を買うという国民のニーズが重視されると強調。「国内需要が満たされれば、もちろん私は輸出禁止措置を解除する。なぜならわが国には(輸出)税や外貨、貿易黒字が必要だと承知しているからだ。だが国民の基本的ニーズをかなえることはもっと大事な優先事項になる」と述べた。

米価下落と原油高騰に見舞われる北海道のコメ生産者

 


米価下落に原油高騰が追い打ち 田植え控え農家ため息 上川管内

北海道新聞 2022/04/26

新型コロナウイルス感染拡大に伴う米価下落や原油価格高騰の長期化で、上川管内のコメ農家が田植えを前に不安を募らせている。

農機の燃料代などで経費がかさむ一方、米価回復も見通せないためだ。一方、日本穀物検定協会(東京)が行っている2021年度産米の食味ランキングでは道産米の3銘柄が最高評価「特A」を得ており、生産者は品質への誇りを胸に作業に励む。

「燃料などあらゆる物の価格が高騰していて、経費削減がすごく難しい」。

旭川市旭神町などの水田約6・5ヘクタールでななつぼしとゆめぴりかを栽培するJAあさひかわ稲作協議会の岩井敬樹会長は種もみまきの作業場でため息をついた。

種もみを運ぶフォークリフトや、トラクター、コンバインなどの燃料費はロシアによるウクライナ侵攻など国際情勢の不安定化で昨年より1~2割ほど増える見立てという。

青森県の水稲の種まき進捗率は46%

 



水稲の種まき 進捗率は青森県全体で46%

ABA青森朝日放送 2022/04/25

青森県内の水稲の種まきの進み具合は、15日現在県全体で46%で、平年を5ポイント下回っています。

県によりますと、15日現在の水稲の種まきの進ちょく率は、西北地域が62%、上北が43%、東青が41%、下北が29%、中南が28%、三八が25%となっています。

県全体で46%で、平年を5ポイント下回っています。県全体のは種始めは、平年より1日早い7日でした。

県は今後、霜が降りたり低温が予想される場合は、ハウス育苗では資材で苗を覆うほか石油ストーブなども併用して保温すること、折衷苗代の場合は、被覆資材を二重にして保温するよう呼び掛けています。

モロッコ政府が例外的な干ばつのために「穀物生産の半分を失った」と発表

 


世界の穀物価格が上昇する中で、モロッコは干ばつにより穀物生産の半分を失った

alaraby.co.uk 2022/04/18

Morocco set to lose half its grain production to drought as global cereal prices increase

モロッコは、例外的な干ばつのために年間穀物生産の53%を失うことになる見込みだと、農業大臣のモハメド・サディキ氏は 先週議会に警告した。

モロッコは今年、過去40年間で最悪の干ばつを経験した。3月末までに、貯水池には平均年の11%の水量しかない。同国では、作物の90%以上が天水で育てられているため、農業生産は深刻な影響を受けている。

昨年のモロッコは、過去最高の1,030万トンの生産があったが、今年は、穀物生産の半分以上が失われる可能性があるという

この大規模な作物の不作により、世界市場での小麦と大麦の価格の上昇にもかかわらず、モロッコは今年、国内のニーズをカバーするために穀物の輸入を増やす。

政府はまた、巨額の経済的損失に直面している農民たちを支援するために、100億ディルハム(10億米ドル)に相当する支援プログラムを開始した。農業はGDPの約14%を占めている。

モロッコは、将来の食糧主権を高めるために、穀物、砂糖、食用油などの基本的な商品の「戦略的在庫」を作ることを目指していると述べた。

干ばつは今後数年間で中東全体でより頻繁になり、より壊滅的なものになると予想される。

2021年の報告によると、20年以内に、7億人以上が6か月も続く干ばつにさらされる可能性がある。

昨年、シリア、イラク、ヨルダンでも非常に深刻な干ばつが記録されている。

プーチン大統領が「パレスチナへの小麦の提供」をパレスチナ解放機構のアッバス議長に確約

 


ウラジミール・プーチン氏がウクライナ戦争について話し、アルアクサ・モスクへのイスラエルによる襲撃について、アッバス議長と話す

alaraby.co.uk 2022/04/18/span>

Vladimir Putin talks Ukraine war, Al-Aqsa raids with Palestinian president Mahmoud Abbas

パレスチナの国営メディアによると、ロシアのウラジミール・プーチン大統領は 4月18日、パレスチナ解放機構執行委員会議長マフムード・アッバスと電話会談をし、ロシアのウクライナ侵攻と アルアクサ・モスクへのイスラエルの襲撃について話し合った。

プーチン大統領は、「パレスチナの崇拝者たちがアルアクサ・モスクに自由にアクセスすることを妨げるイスラエルの慣行を拒否する」と述べた。

パレスチナ自治政府の通信社 WAFA が報じた。

大統領は、「パレスチナ人の権利を支持するというロシアの確固たる立場を強調し、ロシアはすべての国際フォーラムでパレスチナの大義に政治的支援を提供し続けるだろう」と述べた。

プーチン大統領は、ロシアのウクライナへの継続的な侵攻について、「ウクライナの危機に対する交渉による解決策に到達するためにあらゆる努力をする」とアッバス議長に語った。

アッバス議長は、ウクライナでの解決を求めることについて「プーチン大統領の立場を確認した」とパレスチナの通信社は述べた。

二人の指導者はまた、食料安全保障についても話し合った。

「プーチン大統領は、ロシア政府は、ロシアの小麦、作物の中東におけるパレスチナ人や他の輸入業者のすべてのニーズに提供することを強調した」とパレスチナの報道機関は述べた。

中東諸国は、小麦やひまわり油などの主要な食料をロシアとウクライナの輸出に大きく依存している。ロシアが2月24日にウクライナを侵略して以来、食料価格はこの地域全体で急騰した。

イスラエルとロシアの関係は、ロシアの侵略以来悪化しており、イスラエル政府はウクライナへの作戦と支援を公然と非難している。

カザフスタンの小麦粉製粉所の多くがロシア産の小麦不足のために操業停止

 


ロシア産小麦の不足で、カザフスタンの製粉所が閉鎖

world-grain.com 2022/04/22

Lack of Russian wheat shutters Kazakhstan flour mills

カザフスタン政府は国内市場に小麦を供給することを約束していたが、米国農務省(USDA)の外国農業局からの報告によると、ロシアからの小麦の輸入が不足しているため、多くの製粉業者が操業を停止した。

カザフスタンの穀物産業は、ロシアからの小麦の輸入が大幅に不足しており、入手可能な小麦は非常に高価であると業者は述べた。小麦は1トンあたり355ドルに達しており、これは歴史的に高い水準だ。

現在、カザフスタンの製粉所の少なくとも50%が操業を停止しているか、非常に限られた能力で操業している。4月中旬の時点で、操業している製粉業者でも、持っている在庫は約2週間分だという。

過去数年間、ロシアからの低価格の小麦の輸入は、カザフスタンの小麦価格を安定させていた。

カザフスタン政府の Food Contracting Corp. は、国内の備蓄に50万トンの小麦があり、そのうち25万トンが恒久的な備蓄であると述べた。さらに、FCCは、2022年1月から8月にかけて、製粉所と養鶏場に供給するために275,000トンの小麦を確保したと述べた。

2022年から23年にかけて、カザフスタンの小麦の作付面積に大きな変化は見込まれず、2,310万ヘクタールと推定されている。

[仕入れ値が最大5割増しの肉も]というテレビ山梨の報道

 

(※) この報道には「円安の影響で」とありますが、問題はそれ以上に、世界的に飼育動物のエサとなるトウモロコシなどの飼料用穀物が異常に高騰していることがあり、もはや従来の価格での肉の販売自体が難しくなっている上に、世界中の飼育農家そのものに経営危機が近づいているので、「そもそも肉が手に入らない」という状況も、数ヶ月のうちには見られるかもしれません。


仕入れ値が最大5割増しの肉も 円安による価格高騰 精肉店にも打撃 山梨

テレビ山梨 2022/04/22

円安の影響で外国産の食肉の仕入れ値が高騰しています。

山梨県甲府市の精肉店では最大5割近くまで仕入れ値が上がり、需要が高まる大型連休を前に大きな打撃となっています。

浅川博仁記者:
県内でも輸入肉を多く扱う甲府市の精肉店です。今月に入り100グラム60円も値上がりした肉もあり、金額も書き換えられています。

食肉の卸や小売りを行う甲府市相生の牛奥商店では、扱う4割の食肉がブラジルやオーストラリアなどおよそ10か国からの輸入ものです。

牛奥商店 山田孝太専務:
今まで味わったことのないような状況に陥っている。

過去にない状況というのは仕入れ値です。

急激な円安で外国産の食肉の仕入れ値が全て上昇しているのです。
なかでもブラジル産の鶏肉やオーストラリア産の牛こま肉は2021年の同じ時期より5割近く高騰し、店は4月、輸入肉の値上げに踏み切りました。

山田専務:
最初は企業努力でやっていたが、ここまで上がると僕らの企業努力ではどうにもならないので、順次4月から(販売価格を)上げている。

さらに、上海のロックダウンによる物流の停滞で輸入肉の確保が困難になったことも追い打ちをかけます。

山田専務:
モノによってはゴールデンウィーク明けでないと入って来ないので、さらに1割~2割の高騰は覚悟している。輸入牛の比率を下げて国産牛を増やして乗り越えていきたい。

4月末からの大型連休は多くの需要が見込まれているだけに、店にとっても消費者にとっても大きな打撃となりそうです。

鳥取県の牛乳生産者たちが飼料高騰による経営危機で知事へ緊急の支援要請

 


白バラ牛乳ピンチ!飼料高騰で知事へ緊急要請 鳥取県

BSS山陰放送 2022/04/22

価格高騰が続く原材料費。その影響が学校給食にも迫りつつあります。
給食に欠かせない牛乳ですが、いま生産現場は大変な事態に…。

大山乳業 小前孝夫 組合長
「生活もままならんような状況に陥るんじゃないかという風に非常に危惧しているところ」

コロナ禍による貨物船の減便や原油高による燃料費の急騰で牛のエサとなる飼料の値段が高騰。

22日、大山乳業と生産者の代表が知事に対して緊急の支援要請を行いました。

大山乳業にはおよそ100の酪農家と事業者が加盟していますが、配合飼料でコロナ前と比べて、およそ31パーセント値上がりしていて、中には所得が半分以下になったところもあるということです。

ナカムラファーム 中村兼三 社長
「不安です、すごく。何とか耐えるしかないというかたちだが、それがいつまで耐えないといけないのか…」

要請に対し、知事は県としても、対策をとっていきたいと応えました。

シカゴ大豆先物価格が史上最高値に迫る

 


Soybeans

tradingeconomics.com 2022/04/22

シカゴの大豆先物はブッシェルあたり17ドルを超えて取引され、米国の供給に対する強い需要と黒海地域からの出荷の混乱の見通しに支えられて、2012年9月以来の最高値に近づいた。

ブラジルとアルゼンチンの一部の悪天候により、穀物と油糧種子の生産が減少し、運賃の上昇と相まって、米国の出荷に対する需要の高まりへの期待が高った。しかし、中国は3月に米国から337万トン大豆を購入したが、家畜生産マージンの低さが購入を抑制し、前年の718万トンに比べて減少した。

[インドネシア、食用油・原材料の輸出を禁止]という報道

 


インドネシア、全ての食用油・原材料の輸出を禁止- 28日から

bloomberg.co.j 2022/04/22

インドネシアは全ての食用油とその原材料の輸出を禁止する。

国内の供給不足に対応するとし、ジョコ大統領が22日の記者会見で発表した。

大統領によれば、28日に始まる輸出停止は、国内での不足が解消されたと政府が見なすまで続けられる。世界最大のパーム油生産国であるインドネシアの食用油は大半がパーム油製品から作られる。

アブラナ(カノーラ油の原料)の国際価格が史上最高値に

 


カノーラ

tradingeconomics.com 2022/0422

カノーラ先物価格は、新記録のピークに急上昇し、2022年の初めから10%以上上昇した。

これは、生産と品質に影響を与えた豪ニューサウスウェールズ州北部での極度の春の雨と洪水による供給の混乱に起因している。

それに加えて、ウクライナでの戦争は世界の農業市場に衝撃波を送り、生産コストの上昇は価格にさらに上向きの圧力をかけている。

[肥料コスト高騰でアジアのコメ生産量が減少の可能性]という報道

 


食糧危機が深刻化へ、肥料コスト高騰でコメの生産量減少の可能性

bloomberg.co.jp 2022/04/19

肥料コストの高騰によりアジア全域でコメ農家が肥料の使用量を減らしている。価格上昇が抑制されない場合、人類の半数が主食とするコメの収穫を脅かし、本格的な食糧危機につながる可能性がある。

インドからベトナム、フィリピンに至るまで、食糧増産には欠かせない肥料原料の価格がこの1年だけで2倍あるいは3倍となっている。肥料の使用量減少は、作物の収穫量減少を意味する可能性がある。

国際稲作研究所(IRRI)は、次のシーズンに収穫量が10%減少し、コメ3600万トン、5億人分相当の供給が失われる恐れがあると予測している。

IRRIのシニア農業エコノミスト、フムナス・バンダリ氏は、これは「非常に控えめな予測」で、ウクライナでの戦争が続けば、その影響ははるかに深刻なものになる恐れがあると指摘した。

供給停滞や生産上の問題のほか、最近ではウクライナ侵攻で肥料原料の主要供給国であるロシアとの貿易が中断されたことを背景に、肥料価格が世界的に上昇している。

肥料コストの高騰で農家が使用量を減らし、作物の収穫量が減少すれば食料品のインフレを引き起こしかねない。そうなった場合、世界のサプライチェーンが大きな打撃を受ける公算が大きい。

コメ農家は特に影響を受けやすい。ウクライナでの戦争により世界の主要穀倉地帯が危機に見舞われる中で、小麦やトウモロコシなどの価格は高騰しているが、コメは十分な生産量や既存の備蓄により価格が抑えられている。

これはコメの生産者がコスト高に対応しなければならない一方で、より高い対価を得ることができないことを意味している。

ウクライナの港に停泊したままの商業船に残されている「100万トン以上の穀物が腐敗する」可能性

 


ウクライナの穀物は封鎖された港の船の中で腐敗する危険性がある

world-grain.com 2022/04/19

Grain runs risk of spoiling in blocked ships

ウクライナの港で封鎖された商業船に取り残された100万トン以上の穀物と油糧種子が、近い将来劣化する可能性があるとウクライナの農務大臣が 4月15日にウクライナの新聞に語った。

ロシアのウクライナ侵攻が2月24日に始まって以来、ウクライナの港からの貨物はロシアによって阻止され、穀物輸出業者にとって実行可能な選択肢として東ヨーロッパへの鉄道ルートのみが残されている。ウクライナは通常、月に最大600万トンの穀物と油糧種子を輸出しているが、3月には約20万トンしか出荷していない。

「貨物は荷降ろしされておらず、まだ船上にあります」と農務大臣は語った。

「現在、穀物と油糧種子が 125万トン積まれている船舶がウクライナの港に57隻あります。それらの保持期間については、もともと、これらの穀物を長期間保管することを計画していなかったため、問題が出るかもしれません」

ウクライナはヒマワリ種子油の世界トップの輸出国であり、小麦とトウモロコシのトップ5の輸出国の1つだ。