「ワクチンニュース」カテゴリーアーカイブ

インフルエンザワクチンの劇的な効果。感染したい人には接種が必須である模様

米国クリーブランドクリニックの調査です。ワクチン接種群の感染率が圧倒しています。

2024~2025年のインフルエンザワクチンの有効性

promea2014.com

この論文を紹介されていたドクターシミズ氏は、以下のように記しています。

> 多変量調整後、ワクチン接種を受けた人はインフルエンザ感染リスクが 未接種者よりも27% 高くなり、ワクチンの有効性は -26.9% となりました。

インフルエンザにかかりたい人にとっては、ワクチンは大変に有効なようです。

論文は以下にあります。

Effectiveness of the Influenza Vaccine During the 2024-2025 Respiratory Viral Season




麻疹ワクチンの歴史に関する「トリックの歴史」

以下は、ネイチャー誌の「5つのグラフがワクチンの力を明らかにする」という最近の記事にある 1950年からの米国の麻疹症例のグラフです。ワクチン接種開始により見事に麻疹が根絶されたことを示しているような「錯覚」に陥ります。

4月8日のネイチャーより1950年からの麻疹症例の推移

nature.com

しかし、期間を広げますと、以下のようになります。ケビン・マッカーナンさんが投稿していました。

1900年からの麻疹による死亡数の推移

Kevin McKernan

流行が完全に終わってから、ワクチン接種が始まったことが明確に示されています。

ネイチャーのほうのグラフは「トリック」なんですよ。

このあたりは、以下の記事などに書いたことがあります。

麻疹の歴史に見る「ワクチンの威力」。そして、感染症の流行を制御できるのは自然の成り行きだけ、と改めて思う
In Deep 2024年2月13日

グラフを用いてのトリックのいろいろな実例は、以下の記事でもふれています。

統計をファンタジーに変えた手法のこの3年…
In Deep 2023年1月24日




mRNAワクチンのプラスミドDNA汚染の腫瘍形成のメカニズムに関する最新のプレプリント論文

4月7日に公開された論文です。





mRNAワクチンにおけるプラスミドDNA汚染:統合、潜伏、エピソーム形成、および腫瘍形成の理論的メカニズム

osf.io 2025/04/08

Plasmid DNA Contamination in mRNA Vaccines: Theoretical Mechanisms of Integration, Latency, Episome Formation, and Oncogenic Transformation

要約

mRNA ベースの COVID-19 ワクチンの急速な開発により、ワクチン製造中のプラスミド DNA 汚染に関連する潜在的なリスクに関する懸念が生じている。

これらのワクチンに使用されるプラスミドには、SV40 プロモーター、抗生物質耐性遺伝子、mRNA 発現の配列などの調節要素が含まれている。

これらのプラスミドは製造中に線状化されることが多く、完全には除去されない

脂質ナノ粒子(LNP)を介してヒト細胞に導入されると、これらのプラスミドは分解、統合、またはランダムなコンカテマー化 (分子が直鎖状に連結した多量体)を受ける可能性がある。

宿主細胞の DNA 修復機構によって媒介されるこのプロセスにより、プラスミド DNA は宿主ゲノムに組み込まれるか、休眠プラスミドとして存続するか、潜在プラスミドを形成する可能性がある。これらの運命はそれぞれ異なる発がんリスクを伴う

統合されたプラスミドはゲノム不安定性に直接寄与する可能性があるが、休眠または潜在プラスミドは核内で静止したままである可​​能性があるが、特定の条件下では再活性化して発がん性形質転換を促進する可能性がある。

この研究では、これらのプロセスが細胞の形質転換を加速し、マクロファージや内皮細胞などの分化細胞に幹のような特性を誘導することで、がんのマルチヒット理論を回避できる可能性があると仮定している。

SV40 プロモーターによる SP1 などの転写因子の活性化、容積調節陰イオンチャネル(VRAC)を介したイオンチャネルの調節不全、DNA を感知して免疫応答を調整する cGAS-STING 経路は、腫瘍形成のリスクをさらに高める可能性がある

この論文は、潜在的なメカニズムを理解することの重要性を強調し、プラスミド DNA 汚染によってもたらされる潜在的な腫瘍形成リスクを軽減するために、RNA ワクチン製造における品質管理の改善の必要性を訴えている。




荒川央さんの最新note記事:「mRNAコロナワクチンは胎盤を透過し、胎児に抗体を産生させる」

以下にあります。

モデルナmRNAコロナワクチンは胎盤を透過し、胎児に抗体を産生させる: Molecular Therapy Nucleic Acidsに掲載された論文から

この「胎盤の通過」については、In Deep でも、1年くらい前に書いたことがあります。

mRNAワクチンが「胎盤関門を通過」して胎児の全身に循環する能力を初めて実証した査読済み論文から思い出す「接種キャンペーン前」のいろいろ
In Deep 2024年2月20日

胎盤には、「胎児を異物から守るバリア」である胎盤関門というものがあるのですが、そこを突破するのです。

胎盤関門とは以下のようなものです。

> この薄い壁は胎盤関門と呼ばれ、水や酸素、二酸化炭素、アミノ酸、グルコース、無機塩などの低分子物質、ホルモン、免疫グロブリンのIgGなどは通過することができますが、母体のタンパク質やウイルス、細菌は通過できない仕組みになっています。これは、胎児を守る重要な仕組みになります。 kango-roo.com

脂質ナノ粒子は、この胎児の保護を突破してしまうということになります。

しかも、脂質ナノ粒子は、脳を異物から守っている血液脳関門も突破はますので(参考記事)、胎盤を通過すると、そのまま胎児の「脳」にまで達する可能性があります。




「日本の百日ぜき症例数が急増という報道

2024年は、ヨーロッパなどでものすごかったです。以下は、英国とフィンランドの 2024年までの子どもの百日ぜきの推移のグラフです。

2015年〜2024年の英国の百日咳の症例数の推移

In Deep

フィンランドの2015年〜2024年の年代別の百日ぜき患者の推移

BDW





「百日ぜき」急増 今年すでに4100人、去年の患者数上回る

毎日新聞 2025/04/01

激しいせきを伴う気道感染症の「百日ぜき」について、国立感染症研究所などが統合して1日に発足した国立健康危機管理研究機構は同日、3月23日までの1週間で全国の医療機関から458人の患者が報告されたとの速報値を公表した。

今年に入ってからの累積は4100人で、すでに昨年1年間の累計4054人を超えた。都道府県別では大阪府が最も多く、336人。東京都が299人、新潟県が258人で続いた。

百日ぜきは子どもの感染が中心で、特に乳児では重症化し、肺炎や脳症を引き起こすことがある。厚生労働省は、ワクチン接種が予防に有効としている。




偶然知った「日本のジフテリア予防接種の大惨事」

ナイジェリアのラゴス州という場所で、「ジフテリアが発生した」という報道を見ました。

これ自体は、確定症例 10件というもので、今のところ深刻な事例ではないのですが、ジフテリアのことを調べているうちに、

京都・島根ジフテリア予防接種事件

という出来事を知りました。

以下のようなものです。

京都・島根ジフテリア予防接種事件とは、1948年に京都府と島根県で起こったジフテリアの予防接種における医療事故である。

日本における第二次世界大戦後最初の薬害事件であり、死者数は乳幼児を中心に83名または84名、副反応による被害者数は八百数十人から千人以上にも上った世界最大の予防接種事故である。

…1948年11月4日から、予防接種法に基づき京都では約10万人に接種され、うち606名が発症し、68名が死亡した。

…多くの後遺症患者も発生したとされるが、追跡調査は実施されていないので全体の数は不明である。

こんなことがあったのですね。