「食糧」カテゴリーアーカイブ

[アジアの小麦輸入業者、インド輸出停止で代替品確保に奔走]という報道

 


アジアの小麦輸入業者、インド輸出停止で代替品確保に奔走

ロイター 2022/05/17

インドが国内の価格高騰を抑える狙いで小麦輸出の停止を14日に決定したことを受け、アジアの小麦輸入業者は代替品の確保に奔走していると、貿易筋が明かした。週明け16日の米シカゴ穀物市場は小麦先物が値幅制限いっぱいまで上げた。

ロシアのウクライナ侵攻後に両国からの小麦輸出が急減したことから、輸入業者は世界第2位の小麦生産国であるインドに期待の目を向けていた。

商社で勤務する欧州拠点の小麦貿易業者は「アジアの輸入業者は非常に厳しい状況にあるはずだ。インドは特に飼料用小麦に関してウクライナ・ロシアの代替調達先だった」と述べた。

アジアの輸入業者はロシア産小麦の購入を増やすことも考えているという。ロシアの銀行に対する制裁に絡み決済の問題があり、海上輸送の保険料が高止まりしているにもかかわらずだ。

16日の米シカゴ商品取引所の小麦先物は中心限月が値幅制限いっぱいの6%上昇となった。インド政府が年間1000万トンの小麦を輸出する計画を一転させて輸出を突如として停止したことに相場が反応した。

輸出停止により13日より前に発行された信用状の裏付けがある輸出のみ許可される。業界筋によると、許可対象の小麦は約40万トンにとどまり、180万トンがインド国内の港で停滞している。

[スリランカ、ガソリンが枯渇]という報道

 


スリランカ、ガソリンが枯渇 現金不足で紙幣発行へ

AFP 2022/05/17

深刻な経済危機に陥っているスリランカのラニル・ウィクラマシンハ新首相は16日、国民に向けて演説し、国内のガソリン備蓄が枯渇しており、必需品を輸入する資金も調達できていないと述べた。

ウィクラマシンハ氏は「ガソリンが底をつきた」と述べ、残る備蓄は1日分のみだと説明。政府は輸入した石油の代金を工面できておらず、輸送船3隻が石油を載せたままコロンボ港の外で支払いを待っている状態だとした。

また、「今後数か月は最も困難な月となる」と警告。公務員140万人の5月分の給料を支払う現金が不足しているため、最後の手段として紙幣発行に踏み切ることを決めたとした。

スリランカは史上最悪の経済危機に陥っており、国民が食料や燃料、医薬品を確保できない状況が続いているほか、記録的な物価高騰と大規模な停電にも見舞われている。前首相のマヒンダ・ラジャパクサ氏は、数週間にわたる反政府デモが暴動に発展したことを受け辞任。ウィクラマシンハ氏は12日、新首相に就任していた。

小麦のウイルス「コムギ縞萎縮病」が、兵庫県で確認される

 


小麦のウイルスに注意 病害虫防除所が呼びかけ 「コムギ縞萎縮病」

丹波新聞 2022/05/16

兵庫県内では近年見られなかった「コムギ縞萎縮病」の発生が同県南部で確認され、同県病害虫防除所(加西市)は、今年度第1号となる病害虫発生予察特殊報を発表、生産者に注意を呼び掛けている。多発すれば減収の恐れがあるという。

同防除所が4月28日に丹波市内の3集落で調査したところ、病気の発生は確認できなかった。同防除所は、「病徴は日平均気温が5度前後ではっきりと現れるが、10度を超えると不鮮明になる。暖かくなるこれからの時期は分かりにくくなるが、(秋に種まきが始まる)次期栽培に向けて意識をしてもらえたら」と話している。

丹波農業改良普及センターや丹波篠山市農都政策課によると、コムギの作付面積は、丹波市は48・6ヘクタール(今年度)、丹波篠山市は1・4ヘクタール(昨年度)。

同防除所によると、3月上旬、県南部のコムギほ場の一部で、茎葉が細長いかすり状に黄化する症状が現れた。そこで検査を行ったところ、「コムギ縞萎縮ウイルス(WYMV)」を検出した。

同病は、WYMVがコムギの根に寄生することによって起こる。低温の続く年に発生する可能性が高いとされ、感染は5―15度で起こり、冬季に日平均気温10度以下が30―40日間あると発病すると考えられている。県内では1946年に多発した記録がある。北海道や九州などのコムギの一大産地では、よく知られた病気という。品種によって、同病に対する耐病性が異なる。

同病の特徴は、▽発病のひどい部分を中心に同心円状に広がる▽早春から茎葉が黄化し、黄緑色の細長いかすり状の条斑や、新葉に色が抜けたような斑点が生じる▽分げつが減って草丈が低くなり、根の伸びが悪くなる。下葉は黄変して葉先から淡褐色となり、次第に枯れる。症状のひどい株は、茎立ち後に黄化し、枯死する―。

防除対策は、農機具に付着した汚染土が伝染源となるため、▽発病していないほ場から作業を始める▽他のほ場へ移動する際は、農機具(ロータリーなど)の土を十分に落とす―ほか、感染リスクを下げるため、▽11月以降の適期播種もしくは晩播を行い、早播きを避ける▽多発ほ場では抵抗性のある品種への転換を検討する―などを挙げている。

鳥インフルエンザよりアメリカ全体の鶏の10%が死亡し、卵価格が高騰中

 


鳥インフルエンザの被害により国の鶏の10%が一掃され、卵の価格が高騰

zerohedge.com 2022/05/15

Egg Prices Soar As 10% Of Nation’s Hens Wiped Out By Devastating Bird Flu

全米で食料価格が上昇しているが、スーパーマーケットでの最新のショックは、致命的な鳥インフルエンザがアメリカの産卵鶏の群れに大混乱をもたらしているため、卵と家禽の価格に及んでいる。

米国労働統計局が追跡したデータによると、4月の卵価格は前月と比較して23%増加して2.52ドルになりました。価格は、2014-15年の高病原性鳥インフルエンザの発生に続く2016年初頭以来見られないレベルに達している。

2015年下半期には卵の価格が50%上昇した。

1月以降、アメリカでの鳥インフルエンザの発生は32州に広がり、3,700万羽以上の鶏と七面鳥が死亡した。そのうち、産卵鶏は2900万羽が死亡した。これは、米国の3億羽の群れの約10%に相当する。ブルームバーグによると、 鳥インフルエンザは「最悪の発生になりつつある」という。

アメリカの朝食の食材はここ数年で最も高価になっている。卵だけでなく、オレンジジュースや小麦の価格も高騰している。

アメリカ農務省が発表した「作付け進捗率」は、大部分が「平均以下」

 

以下の「赤」が、同時期と比較して平均以下の植え付け率の州を示し、「青」は、平年よりも早い植え付けができている州です。


USDA

平年の今の時期のアメリカ全体の植え付け進捗率は 50%ですが、今年は「 22%」の進捗率だそうです。

作物別では以下のようになります。

・大豆   平年の進捗率 24% 今年の進捗率 12%
・春小麦  平年の進捗率 47% 今年の進捗率 27%
・オーツ麦 平年の進捗率 50% 今年の進捗率 36%

今後のアメリカは、中央平野と南部平野で「猛暑」、北部中央から西部は「寒波」に見舞われる予測です。

6月までに状況が改善しない場合、アメリカの収穫状況も厳しいものになるかもしれません。

小麦の大生産国であるインドが「小麦の輸出を停止」と発表

 

(※) あー・・・これはあかんですねえ。インドは、春前には、今年の小麦の収穫が過去最大になると見られていて、ロシアとウクライナから小麦を輸入していた国は、インドから小麦を購入しようとしていた矢先の話で。インドは熱波の渦中ですが、予想以上に作物への影響が出ているのかもしれません。

[参考記事] インドで120年ぶりの熱波により電力危機の恐れ。そして何より豊作が予想されていた小麦の収穫が「大きなダメージを受ける」可能性 (地球の記録く 2022年4月30日)


インド、小麦輸出を即時停止 – 国内の食糧安全保障を優先

Bloomberg 2022/05/14

インドが小麦輸出を即時禁止した。ロシアによるウクライナ侵攻で小麦供給は逼迫している。

インド商工省商務局・外国貿易部の5月13日付の通知によると、国内の食糧安全保障を万全にする。ただし、他国の要請や取り消し不能の発行済み信用状がある場合は輸出を許可する。

アメリカのエネルギー企業CEOが、この夏にアメリカで厳しいディーゼル不足が起きると警告

 

(参考記事) アメリカの「ディーゼルの在庫」が異様に逼迫してきている。東海岸では在庫が3日分以下? (2022/05/13)


「この夏、東海岸でディーゼルが配給制となる可能性」を米国の石油ビリオネアが警告

zerohedge.com 2022/05/14

“Diesel To Be Rationed On East Coast This Summer,” Warns US Oil Billionaire

製油所と燃料ステーションの所有者であるビリオネアのジョン・キャツィマティディス氏は、ディーゼルの在庫が数十年ぶりの低水準に達し、精製能力が低下するため、この夏、東海岸でディーゼル不足が発生する可能性があると警告した。

ユナイテッド・リファイニング社の最高経営責任者(CEO)であるキャツィマティディス氏は、以下のように述べる。

「この夏、東海岸でディーゼルが配給制となっているのを見ても、私は驚かないだろう。現在、 在庫は少なく、今後数か月で不足する可能性がある」

キャツィマティディス氏の警告は、東海岸のディーゼル在庫が1990年以来の最低水準に落ち込んだことから来ている。アメリカ全体の在庫はも、約20年ぶりの低水準にある。

燃料供給の逼迫は多くの要因によるが、2つの主要なものは、東海岸の製油所能力の低下とヨーロッパへの燃料輸送の増加だ。

キャツィマティディス氏の警告は、 この夏、アメリカ中部大西洋岸と北東部の燃料の物流会社 Freight Waves 社からの警告に続くものだ。

Freight Waves 社の CEOは、オペレーターからの通知の写真をいくつかツイートし、「差し迫った」ディーゼル不足についてドライバーに警告している。

通常は砂漠地帯でのみ発生する砂嵐「ハブーブ」が、アメリカの北西部で発生するという異例な現象

 

(※) ハブーブ – Wikipedia より

ハブーブとは、乾燥地域における強い砂嵐のこと。アフリカ北部のサハラ砂漠、アラビア半島、クウェート、イラクなどでは高い頻度で発生する気象現象である


珍しいハブーブがアメリカ北部平原で発生

zerohedge.com 2022/05/14

Rare Haboob Rips Through Northern Plains

米北中西部(ノーザンプレーンズ)の一部で、5月12日の夕方に「ハブーブ」と呼ばれるまれな気象現象が発生した。

p

ハブーブは砂漠でよく見られる砂嵐だが、この日、アイオワ州、サウスダコタ州、ミネソタ州の一部を襲っているのが発見された。

ノーザンプレーンズには砂漠はないが、米国中部の一部で進行する激しい干ばつに続いて、ハブーブが発生した。

ノーザンプレーンズでハブーブが発生することは非常にまれで あり、1930年代のダストボウル時代(1930年代の約10年間、アメリカ中西部を激しい嵐が何度も襲い、アメリカの農作が荒廃した時代)の砂嵐に似ているように見える。

現在、ノーザンプレーンズ地域の農業生産者たちたちは、厳しい干ばつ状態か、あるいは、あまりにも多い雨と戦っており、農作状況に影響が出ている。

この状態が作物生産の植物の成長期を圧倒しており、穀物の食料インフレ圧力を高める可能性があることを示唆している。

アメリカの「ディーゼルの在庫」が異様に逼迫してきている。東海岸では在庫が3日分以下?

 

以下は、米国エネルギー情報局(EIA)のデータです。

米国のディーゼル在庫の推移 (2020年7月-2022年5月)

eia.gov

さらには、「アメリカ東海岸のディーゼル在庫がなんと3日分以下」になっている」という投稿もありました。

> 私たちは、6月から人々に衝撃を与える世界的なディーゼル不足という悪夢を見ています。東海岸のディーゼル在庫は本日現在1800万(約3日間の需要)であり、1,000万未満にまで減少するでしょう。

> これは、過去の在庫レベルをはるかに下回っています


Wall Street Silver

上海のロックダウン規制がさらに強化され、「最も厳格な段階」へ

 

[参考記事]永遠のロックダウン:コロナ感染確認数が減少しているにも関わらず、上海の都市封鎖がさらに強化される。宅配も認めず (地球の記録 2022年5月10日)


上海がコロナ対策を強化、「最も厳格な段階」へ

electroverse 2022/05/12

新型コロナウイルス対策の厳しいロックダウンを敷いている中国・上海の当局は、今後数日間対策を強化する。上海の一部地域では食料品や病院へのアクセスがさらに制限され、これまでで最も厳格な段階に突入することとなる。

上海では商業目的の食品デリバリーは認められず、緊急時以外に病院を利用する際は許可を得る必要がある。

新型ウイルス感染症COVID-19患者の近隣住民も、政府が運営する隔離施設に強制的に入れられている。

上海市内全域を対象とした新型ウイルス規制は7週目を迎えた。

感染者数はピーク時から大幅に減少した。しかし、隔離施設以外では症例が報告されない「社会的ゼロ」という、当局が掲げる目標はいまだ達成できていない。

こうした厳しい措置を導入しているにもかかわらず、上海市当局は市内の半分の地区に住む人々について、今や自由に外出できる状況にあると主張している。

国営メディアは、医療従事者が街の名所を訪れ、写真を撮る様子を捉えたプロパガンダ動画を流している。

3日間の「沈黙の期間」

BBCは、与党・中国共産党の地方委員会が提示した公式通知を確認した。そこには、当局が「沈黙の期間」とする今後3日間に適用される制限事項の詳細が記されていた。

制限事項には、政府が管理する食品デリバリーのみを許可すること、住民が自宅の玄関から「外に出る」ことを許可しないこと、緊急時以外に病院を利用する際は委員会の承認が必要なことなどが含まれる。

BBCはすでに、救急車がすぐに到着せず自家用車で病院に行かざるを得ないなど、住民たちが苦労している状況を確認している。

陰性でも強制隔離

当局は対策を強化し、たとえウイルス検査で陰性であっても、陽性者の近くに住む人は感染対策の対象となるとしている。

現在、陽性者と同じアパートの階、あるいは同じアパートに住んでいる人たちを集団で隔離するなどしている。

また、陽性者が退去した家の中で極端な消毒作業を行う様子の動画もソーシャルメディア上に浮上している。当局は重要なコロナ戦術として、工業レベルの消毒を広く行なっている。

消毒作業や、陰性であるにも関わらず大勢の人を自宅から追い出す対応の合法性について、疑問の声が上がっている。これらの声を排除するため、国は素早い検閲に乗り出している。

当局が室内を消毒するため鍵を置いていくよう指示されたケースもある。一部の法曹関係者は、こうした動きが「合憲」であるかどうか疑問視している。

上海を拠点とする、憲法が専門のある教授は、住民を強制的に隔離施設に入れるには国務院の承認か立法府の新しい法律が必要だと指摘する公開書簡をインターネット上に投稿していた。この投稿はその後すぐに削除された。

食料供給に懸念

食料供給への懸念が高まる中、市当局は路上や空きビルに仮住まいしている人を排除し、「閉ループ管理」システムに置くとしている。これは、従業員がオフィスや工場で働くだけでなく、そこで生活もしなければならないというもの。

この措置は、上海で暮らす約2500万人のためのサプライチェーン維持に欠かせない、アプリを使った配送ドライバーを標的にしているとみられる。

こうしたドライバーの多くは現在、どこかの恒久的な施設に閉じ込められて仕事ができなくなることを恐れ、仮住まいをしている。

「ゼロCOVID」政策

今回の対策強化が実施される数日前、中国の習近平国家主席は「ゼロCOVID」政策への取り組みを改めて表明した。この政策は物議を醸しているが、中国の保健当局者は今週初めに英医学誌「ランセット」に掲載された論文の中で、ロックダウンは「より多くの人にワクチンを接種するための時間稼ぎ」になるとしている。

世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイエスス事務局長は先に、「ゼロCOVID」政策は持続不可能だとの見解を示していた。

「現在の新型ウイルスの動向と将来的な予測を考慮すると、ゼロCOVID政策は持続可能だとは思わない」と、テドロス氏は10日の記者会見で述べた。

この時の動画は中国のソーシャルメディアで広く拡散された後、中国の検閲に引っかかりブロックされた。

COVID-19が最初に出現してから2年以上が経過した今、中国国民の約9割がワクチン接種を受けていることが当局のデータで示されている。ただ上海では、新型ウイルスの影響を受けやすい60歳以上で3回の予防接種を受けた人は38%にとどまっている。

アメリカのトウモロコシの一大産地であるアイオワ州で、寒さと大雨のために作付けが近年最低レベルに停滞

 

(※) 以下の緑の州がアメリカのトウモロコシの大生産地帯です。

usda.gov


アイオワのコーンの収穫量はすでに消えている

electroverse 2022/05/12

PRIME CORN YIELD ALREADY GONE

アイオワ州立大学の農業従事者たちによると、米国の多くの地域のトウモロコシ農家は、寒さと雨のために植え付けが大幅に遅れているため、今年は収穫量が高くなる可能性は低いという。

遅延の影響は、今後 10〜 14日間の植え付けの進歩に大きく依存する。天候が良好に進めば希望もあるが、現時点での天気予報では、そのようにはなりそうもない。その場合、すべての米国のトウモロコシはゲームオーバーとなる。

収穫量の傾向を研究している ISUエクステンションの作付のスペシャリストであるマーク・リヒト氏は、今のところ不明な部分も多いが、現在の遅れがすでに収穫量を減らしていると確信している。

アイオワ州全体でのトウモロコシの植え付けは、5年間の平均よりも約2週間遅れており、2013年以来最も遅い植え付けペースであると米国農務省国家統計局のディレクターであるグレッグ・テッセン氏は述べている。

5月8日の時点で、種子トウモロコシの植え付け率は、わずか14%だった。平年の平均は63%だ。

適切な発芽のためには地面の温度が平均して約10℃である必要があるが、現在もなお、激しい凍結と戦わなければならない多くの地域がある。

最高のトウモロコシ作物は5月中旬までに植えられるが、植え付けが6月に進むと、ゲームオーバーとなる。

[ラニーニャ現象、夏まで続く – 気象庁]という報道

 

[参考記事] ラニーニャ現象が終わらない : アメリカをはじめ世界の穀倉地帯の干ばつと異常気象がさらに厳しく継続する可能性。その先には「もはや食糧は存在しない」世界が (In Deep2022年4月5日)


ラニーニャ現象、夏まで続く 昨年秋に発生 – 気象庁

時事通信 2022/05/12

気象庁は12日、昨年秋に発生したラニーニャ現象が、少なくとも今夏まで続く可能性が高いと発表した。ラニーニャは太平洋赤道域東部(南米沖)の海面水温が平年より低くなる現象で、世界の天候に影響を及ぼす。

今年初めの予想では、ラニーニャ現象は今春に終息する可能性が高いとされていた。

気象庁によると、インド洋東部の対流活動活発化などにより、太平洋赤道域の温かな海水が予想よりも東に広がりにくくなり、長期化したとみられる。

北海道の食糧自給率って200%以上あるんですね

 

(※) こういう場所を他の国は欲しがると思う。


「食料自給率」が高い都道府県ランキング! 1位は「北海道」

ねとらぼ 2022/05/09

2020年度における日本の食料自給率はカロリーベースで37%ですが、これは世界と比べても低い数値。そのため食料自給力の向上は日本にとって大きな課題となっており、2030年度までに食料自給率を45%(カロリーベース)まで引き上げるのを目標としています。

そこで今回は、農林水産省の「令和元年度、平成30年度の都道府県別食料自給率」のデータをもとに、「食料自給率が高い都道府県ランキング」を紹介します。

このランキングは、「カロリーベースの食料自給率(1人が1日に食べる全食品のカロリーのうち、国産品が占める割合)」の数値をもとに作成したもの。なお数値は概算値となり、データの制約から各都道府県の生産・消費の実態を十分把握できていない部分があること、また各地域の自然など諸条件が異なっているため、単純に比較できるものではないことに留意する必要があります。

第2位:秋田県(205%)

第2位は「秋田県」でした。カロリーベースの食料自給率は205%です。

日本人の主食といえば「米」ですが、秋田県は2020年の米の収穫量が日本で3番目に多い県となっています。そんな秋田県のお米といえば「あきたこまち」が有名で、誕生から30年以上経った現在では秋田県だけでなく全国で栽培されるようになりました。これまでに米の食味ランキングで最高位の「特A」を何度も受賞しており、香りやうまみ、粘りなどのバランスに優れているのが特徴です。

また他にも野菜や果実、食用肉が多く生産されており、“日本三大地鶏”にも数えられるブランド鶏「比内地鶏」もよく知られています。つぶしたお米を使った郷土料理「きりたんぽ」や、きりたんぽを鶏ガラのだし汁で煮込んだ「きりたんぽ鍋」は、秋田県の家庭には広く親しまれている味ですね。

第1位:北海道(216%)

第1位は「北海道」でした。カロリーベースの食料自給率は216%です。

日本一の面積を誇る北海道は、国内の耕地面積のおよそ25%を占めています。夏でも涼しい気候や豊かな土地を生かして農作物の栽培や酪農が盛んに行われており、2020年のデータでは小麦や大豆、馬鈴しょ(ジャガイモ)や牛乳などさまざまな作物で生産量1位を記録。また漁業生産量では日本の約25%を占めており、サケを使った石狩鍋やサケのチャンチャン焼き、昆布巻き、ニシン漬けなど、魚を使った郷土料理もおなじみです。

ちなみに北海道は、2020年における米の収穫量では全国2位。今回使用した「カロリーベースの食料自給率」は、単位重量あたりのカロリーが高い米や小麦などの影響を受けやすい指標のため、ランキング上位を米どころが占める結果となりました。

 

(※)ちなみに、下位は、以下のようになっておりました。

第47位:東京都(0%)

第46位:大阪府(1%)

第45位:神奈川県(2%)

アメリカの春小麦の先物価格が史上最高値に

 


zerohedge.com

(※) 以下の記事などにありますように、北米の気候が農作に対しては大変に厳しいものとなっていまして、今後も小麦価格の推移は、安定しないものとなりそうです。

[記事] 5月の北米で異常な寒さが続き、カナダとアメリカの一部では作付けが5月になっても始められず、アメリカでは穀物備蓄が大幅に低下する予測も (2022年5月7日)

[記事] カナダの広範囲での史上最低レベルの季節外れの気温は今後も続く見込み。いまだに氷点下が記録される地域も (2022年5月9日)


春小麦が第三次世界大戦と天候の問題で14年ぶりの高値を記録

zerohedge.com 2022/05/09

Spring Wheat Hits 14-Year High On World War 3 & Weather Woes

米国北部の平原とカナダでの雨の多い天候、西ヨーロッパで続く乾燥、ウクライナの混乱、インドの荒天による植栽の遅れの組み合わせにより、 世界の小麦市場が混乱し、ミネアポリスの春小麦価格は 2008年以来の最高水準に達した。

春小麦は、ベーグル、ピザ生地、ロールパン、クロワッサンなどの特産品の製造に使用される。

さまざまな理由で米国平原北部とカナダでの植栽が遅れているため、5月9日に14年ぶりの高値であるブッシェル12.31ドルに達した。

大西洋を越えると、3週間の干ばつが西ヨーロッパを悩ませており、小麦の不確実性をさらに高めている。ブルームバーグによると、フランス気象局は、フランスが「今週、夏のような暑さ」に見舞われると予想している。

パリを拠点とするアドバイザーのアグリテルは、フランスの小麦収穫量は非常に多と示唆したが、最新のヨーロッパの乾燥と、今後数週間の天気の見通しによる干ばつの進行を考えると、収獲の評価を低く修正する可能性がある。

「フランスでの水不足の拡大は、すでに緊張している市場の中で懸念を引き起こしている」とアグリテルは商品ノートで述べた。

インドは、深刻な熱波による被害を受けた作物小麦の輸出を停止することを検討している。

「ロシアでは、非常に有望な小麦の収穫が期待されているが、国際問題の状況によりロシアの小麦の利用の可能性の点に問題がある」とアグリテルは付け加えた。

天候と地政学的な問題は、世界中の備蓄が減少するにつれて、世界の小麦作物の供給が圧迫される可能性があることを示唆している。

[輸入塩 年度内に価格改定の兆し 三重苦が収益直撃し悲鳴]という食品新聞の報道

 

(※) 私は知らなかったのですが、この報道の以下の部分に、ややショックを受けました。

> 日本の塩自給率11%程度という低さは看過できない状況だ。

日本は塩もほぼ自給できていないのですね。


輸入塩 年度内に価格改定の兆し 三重苦が収益直撃し悲鳴

食品新聞 2022/05/09

物流費上昇で事業環境悪化

輸入塩は一般用塩として食用、非食用で国民生活に欠かせない存在だ。船便の契約更新が行われる来年1月には値上げが確実視されているが、今年度中にも価格改定は避けられない公算が大きくなっている。

原料塩を輸入する商社はいずれも、世界的な物流費や燃料価格の高騰に加え、急激な円安の為替変動による三重苦が収益に直撃し、悲鳴を上げている。

国内の食用ニーズは新型コロナウイルス禍や減塩志向の浸透により漸減傾向が続いているものの、ソーダ工業用など工業用途では需要増が顕著になっている。またアジア圏でも新興国を中心に、工業用需要の伸長が継続中。国内への原料塩輸入を安定的に供給するためには価格改定に踏み切らざるを得ない事態が迫っている。

輸入塩を取り巻く事業環境を悪化させている主因は、物流費の上昇だ。コロナ禍に端を発した国際的な船便の争奪戦にとどまらず、塩の製造や運搬に必要な燃料となる原油価格が高止まりしている。

今年に入ると、ロシアのウクライナ侵攻がさらなるエネルギー価格の上昇に拍車を掛けた。

商社筋によると、海外で製造された塩を輸入する船便の運賃は、コロナ前の3年前と比べて2倍以上に膨らみ、利益を大幅に圧迫しているという。

コスト増加要因はこれにとどまらない。国によってはコロナ禍に伴う厳しい人流抑制策などが行われた結果、現地の労働力が不足し、塩の製造や輸送に携わる労働者の人件費も高騰している。

輸入各社はこれまで自助努力によるコスト吸収で対応してきたが、130円台に突入した円安進行の逆風にもさらされ「コスト的には切羽詰まっている状況」「本音を言えば、一刻も早い値上げをお願いしたい」といい、既に限界点を超えているとの声で一致している。

長年にわたり、塩は「価格の優等生」と位置付けられ、中でも輸入塩は安定的に数量が確保され、国内経済が急速に発展する中で需要をカバーしてきた。だが、最大の生産地であるメキシコ塩も設備の老朽化対策に向けた修繕費などが必要になってきている。

現況のトリプルパンチに加え、長期的な視座における設備投資費を確保する必要も生じているようだ。そのためにも現況のコストアップにふさわしい適正な価格転嫁が必要不可欠。将来を見据えたサステナブルな輸入塩の供給体制を構築する契機という点でも、国内塩の価格是正と足並みをそろえる形での値上げの流れは必至といえる。

長引くコロナ禍やウクライナ情勢、急激な円安と先行き不透明な材料が山積している中、その決定時期と改定率に注目が集まりそうだ。

他方、国内では現在、主に食用は国内塩、生活インフラを支えるソーダ工業用が輸入塩として使用されている。

有事に備えた食料安全保障の観点から、日本の塩自給率11%程度という低さは看過できない状況だ。日本の食の根幹を支える国内塩と、汎用性の高い輸入塩がともに共存していく視点も忘れてはならない。

イラクの小麦収穫量が「半減」の見通し

 

(※) 太字はこちらで施しています。


イラク:ウクライナでの戦争と水不足で小麦の収穫量は半減

news.yahoo.co.jp 2022/05/09

レバノン、パレスチナ、シリア、ヨルダン、イラクにかけてのマシュリクと呼ばれる地域では、例年11月~5月初頭までが降水期でそれ以後は厳しい暑さに見舞われる。降水期の終わりと真夏の間の短い期間が、小麦の収穫の時期にあたり、この期間の農村は収穫機器が徹夜で操業する忙しさになる、はずだ。

しかしながら、この地域は昨年に勝るとも劣らない干ばつに見舞われ、降水量と河川の流量は相当に少なかった。

シリアの地中海沿岸部は平年並みの降水量を記録した地点もあったが、内陸の農業地帯の降水量は絶望的と言っていいほどの状態だった。

この状況は、トルコやイラクも含むチグリス、ユーフラテス川の流域全般で同様だったようで、今期のイラクの小麦の収穫高は昨期同様の不振となりそうだ。降水量の減少は気候変動とも関連すると考えられており、イラクでは砂嵐の頻発という新たな問題も発生している。

バグダード南方のディーワーニーヤ県では、同県を流れるユーフラテス川の水量が1秒当たり180の平年値に対し、今期は80に過ぎない。このため、イラク政府、そして生産者たちは小麦の作付け面積の削減を余儀なくされた。しかも、降水量の不足により面積当たりの収穫量は例年の半分程度にとどまる見通しである。

この不振に追い打ちをかけたのが、ウクライナでの戦争に伴う燃料と肥料の価格高騰である。エンジンオイル類や種苗も値上がりしており、これらは生産者にとって更なる重荷となる。

肥料についても、価格高騰のため国が生産者に供給する量が過去数年に比べて8分の1にまで減少する見通しだそうだ。

元々、チグリス、ユーフラテス川の流域で天水に頼る農業は不確実性が非常に高い営みではある。そこに、燃料や肥料が世界的な広範囲で取引されるようになったことにより、この不確実性に影響を与える要素はイラク政府や地元の生産者の努力ではどうにもならない範囲にまで拡大している

今期のイラクの小麦の収穫量の見通しは250万~300万トン程度であるが、これは昨期と同程度の水準であり、イラク国内で必要とする量には及ばない。

別稿で指摘した通り、この地域での農業の不振は離農→都市への人口移動→都市近郊の生活環境悪化→社会不安という負の連鎖へとつながりやすいものである。

中東では、経験的に10年に1度ほどの頻度で世界を揺るがす大事件(大抵は紛争や政治危機)が発生するのだが、折悪しく現在は前回の大災難である「アラブの春」とその後の混乱から10年ほど経過している

世界の耳目と様々な資源がウクライナでの戦争に集中する中、中東諸国はそのあおりを受けて人民の生活水準が低下することがほぼ確実である。そのため、「10年に1度」という経験則がとても嫌な予感として感じられてならない。

五月晴れ – ブリタニカ国際大百科事典

 

(※)某県某市の5月中旬までの天気予想。

weather.yahoo.co.jp


五月晴れ(読み)さつきばれ

ブリタニカ国際大百科事典

新暦の 4月後半から 5月の、梅雨前に日本列島が大きな移動性高気圧に覆われたときの晴天。発現期間は短い。もともとは旧暦 5月が梅雨にあたることから、梅雨の晴れ間の意味で、梅雨晴れ(つゆばれ)とも呼ばれたが、近年は、一般に新暦 5月の晴天をいう。

世界最大の肥料企業が「2023年まで肥料の混乱が続く」と警告

 


世界最大の肥料会社が2023年までの作物栄養素の混乱を警告

zerohedge.com 2022/05/05

World’s Largest Fertilizer Company Warns Crop Nutrient Disruptions Through 2023

世界最大の肥料会社が、供給の混乱が2023年まで続く可能性があると警告した。ロシアによるウクライナの侵略により、世界の供給の大部分がオフラインになった。これは、世界の農生産地域での価格の高騰と作物栄養素の不足を引き起こしている。

世界的な食糧危機の初期の兆候は、まだ最初のイニングにある可能性がある。

ブルームバーグは、カナダに本拠を置く NutrienLtd 社のCEOであるケン・セイツ氏が電話会議で投資家に語ったところによると、ロシアとウクライナ(両国とも主要な肥料供給業者)での供給途絶にについて、混乱は「2022年をはるかに超えて続く可能性がある」と予想した。

セイツ氏は、紛争とロシアとベラルーシに対する西側の制裁により、世界市場の肥料供給が減少し、作物の栄養素取引が再形成され、供給の不確実性がさらに高まる可能性があると述べた。

「その結果、世界の貿易パターンに変化が生じる可能性があり得ると思う」と彼は述べた。

肥料の混乱は、今年に留まらない複数年にわたる出来事である可能性がある。

すでに、世界中の農家が肥料を減らしているため、収穫時期に収穫量が減少する恐れがあり、この影響は甚大である可能性もある。

世界中の商業農家が、肥料価格の上昇や不足のために肥料の使用量を減らしている最新の兆候がすでに伝えられている。

先週明らかにされた、ブラジル最大の農業事業の1つであるSLC Agricola SAは、デラウェア州よりも広い地域で大豆、トウモロコシ、綿花畑を管理しているが、今季、肥料の使用量を20%から25%削減する。

最大のコーヒー生産国であるブラジル、ニカラグア、グアテマラ、およびコスタリカのコーヒー農家は、 高コストと不足のために、肥料の使用を減少させることが拡大すると見られている。コスタリカの1,200人の生産者を代表するコーヒー協同組合は、肥料コストの高騰により、来年のコーヒー生産量は15%減少すると予測している。

国際肥料開発センター(IFDC)は、肥料の使用量を減らすと、コメとトウモロコシの収穫時期が短くなると警告している。最大のコメ生産国である中国、インド、バングラデシュ、インドネシア、ベトナムの農家は、肥料の散布量が少なく、生産量が10% 減少する可能性がある。これは、約3,600万トンのコメ、つまり5億人分の十分な食料に相当する。

北米の肥料価格は、2020年の夏以来数百パーセント急騰している

米国でトップの肥料企業であるモザイク社の最高経営責任者(CEO)であるジョク・オルーク氏は、「おそらくこれは2年続く問題であり、そこに赤字が追いつくまでに2年から4年かかるだろう」と語った。

小麦先物価格が再び史上最高値に近づく

 

シカゴ小麦先物価格の推移

tradingeconomics.com


小麦

tradingeconomics.com 2022/05/05

シカゴの小麦先物価格はブッシェルあたり10.8ドルを上回り、北米の乾燥した天候と地政学的緊張が供給懸念を高めたため、5月2日に触れた3週間の安値10.3ドルから反発した。

気象データによると、カンザス州の農場の68%とオクラホマ州の農場の65%が、過去30日間に干ばつに苦しんでいる。北米平野の劣悪な状況により、アメリカ農務省は冬小麦作物の27%を良好な状態と評価し、同時期の昨年の評価を2パーセントポイント下回った。

一方、ロシアのプーチン大統領は、世界最大の小麦の輸出国であるロシアが、制裁措置への報復として、非友好国との輸出取引を終了する可能性があると発表した。黒海からの輸出が中断されているため、世界の小麦の供給は大幅に減少しており、在庫予測の見通しが立たないため、小麦の価格はウクライナ侵攻前よりも26%高くなっている。

岩手県で季節外れの4月の終わりの雪。気温も氷点下に

 


<岩手県>山沿いで季節外れの雪 農作物 霜に注意

FNN 2022/04/29

4月29日18時時点で、岩手県内では山沿いを中心に季節外れの雪が降っている。

さらに、30日の朝は霜が予想され、気象台は農作物の管理に注意を呼びかけている。

井上智晶アナウンサー
「午後4時を過ぎた宮古市区界です。桜が咲いているにも関わらず、季節外れの雪が降り、すでにこの時間、雪が積もり始めています」

宮古市区界の午後4時頃の気温は氷点下1度。

低気圧や寒気の影響で夕方ごろから山沿いを中心に湿った雪が降り始めた。

道の駅を訪れた人は…

「びっくりしたけどね。この薄着ですしね」
「(この時期の雪は)記憶にない。もうすぐ5月ですもんね」

平地では雪が混じるくらいとなりそうだが、山沿いでは積雪のおそれもあり、気象台は30日の朝にかけて雪による交通障害や路面の凍結に注意するよう呼びかけている。

森尾絵美里アナウンサー
「一方、あすは霜が予想されています。農家の方はどんな対策をしているんでしょうか」

盛岡市で果物を栽培するサンファームでは、2021年4月にサクランボが霜の影響を受け実がならず、売り上げが9割減少する被害を受けた。

そのため2022年は霜がおりるのを防ぐハウスを例年より少し早めに設置。さらに霜を防ぐ薬を導入した。

サンファーム 吉田聡社長
「ビニールをかけるだけで園地の中の気温がだいたい外気プラス3度ぐらいになるので、その点は少し胸をなでおろすという感じ」

ほかにも様々な果物の花が開花する時期だが、特に今影響を受けやすいリンゴに対して県は30日、低温や霜に注意するよう呼びかけている。

米ノースダコタ州の洪水が農作地にダメージを与える中で、アメリカの春小麦先物価格は過去最高値に近づく

 

[参考記事] アメリカでほぼ唯一の「春小麦とヒマワリ」のメジャー生産地であるノースダコタ州とサウスダコタ州が洪水と春の吹雪で、今なお植え付けに入ることができず (地球の記録 2022/04/29)

アメリカの春小麦先物価格

zerohedge.com


ピザ生地で使用される春小麦は、洪水が北の平原を荒廃させる中、過去14年近くの最高値に

zerohedge.com 2022/04/30

Spring Wheat Used In Pizza Crust Nears 14-Year High As Floods Devastate Northern Plains

米国北部の平原が、農作生産者たちが生産作物地域への植栽を妨げる壊滅的な洪水に悩まされているためアメリカの春小麦先物は2008年以来の最高水準に近づいている。

吹雪、冬の嵐、強風、 極端な洪水 が 4月ノースダコタ州とサウスダコタ州を襲い、植栽が5月末になると予測されているため、収穫量の減少が懸念されている。

現在、洪水で湿った状態のため、生産者たちが畑で働くことができていない。つまり、小麦が植えられていない状態であり、毎日の収穫量は減少する。

商品調査会社のハイタワーレポートは、「春小麦の収穫は、大雨と寒さによる植栽の遅れが続くと予想されている」と述べた。

最も活発な春小麦先物契約は1%以上増加してブッシェル12.02ドルになり、3月のピークに近づき、2008年以来の最高水準に近づいた。

春小麦は、ロールパン、クロワッサン、ベーグル、ピザ生地などに使用されている。ロシアのウクライナ侵攻後の供給不安により、世界の小麦生産は混乱させられている。

2021年のアメリカの干ばつ、ウクライナの危機、およびアメリカ北部の平原での洪水が相まって、世界は、主要な食糧需要を北半球にさらに依存している。

アメリカがこの収穫期に生産の苦境を経験した場合、それが天候関連の問題または単に不十分な肥料のためである場合でも、世界的な食糧危機が年末または次の年までにさらに顕著になる可能性があるリスクが高まる。

[韓国全土にアフリカ豚熱拡大]という報道

 


韓国全土にアフリカ豚熱拡大 ワクチンなくお手上げ状態

朝鮮日報 2022/04/28

野生のイノシシを介してアフリカ豚熱(African Swine Fever=ASF、以前の名称:アフリカ豚コレラ)が韓国全土に広がりつつあり、政府が対策準備に頭を痛めている。熱病にかかったイノシシが移動できないよう、移動経路の各地に鉄柵を立てたものの、十分でない状況だ。

初めて野生のイノシシからASFが見つかったのは2019年、京畿道漣川郡でのことだった。このイノシシは北朝鮮から非武装地帯(DMZ)を通って南下してきたという説もある。

これに対して、韓国環境部では韓国軍部隊と協議してイノシシの南下を阻止することを目標に、819億ウォン(約83億1400万円)かけて京畿道坡州市から江原道高城郡まで1418.3キロメートルにわたり鉄柵を設置した。

しかし、南北を縦断する山脈「白頭大幹」に沿って移動するイノシシの経路を物理的に断ち切るのに十分でなかった。京畿道・江原道一帯で発見されたASFは最近、政府の防衛線を突破して慶尚北道尚州市や忠清北道報恩郡まで広がっている。2019年に最初に発見された地点から慶尚北道尚州市功城面まで、直線距離にして239キロメートルも南下した。

ASFはヒトを含めイノシシ科以外の動物には感染しない「豚の伝染病」だ。しかし、感染速度が速く、致死率が100%近いため、養豚農家に広がると致命的な被害が出る。このため、対策づくりが急がれている。

環境部が27日に明らかにしたところによると、ASFは今年673件発生し、累計2548件に達した。2019年以降これまでに21の農家が被害を受け、豚12万頭が殺処分された。

新たに報告された民間農家被害事例はまだないが、ASFで被害を受けて殺処分を行った韓国国内21の養豚農家のうち、事業を再開したのは6カ所だけだ。

時点の被害地域は江原道・京畿道・忠清北道・慶尚北道などとなっている。政府は韓国全土のイノシシの5-8%がASFに感染したとみている。「韓半島(朝鮮半島)全域にASFが広がるのは時間の問題だ」と懸念されているのもこのためだ。

後半

結局はイノシシにワクチンを投与して感染を防ぐしかない。しかし、白頭大幹に沿って移動する韓国の野生のイノシシ(推定6万-13万頭)を捕まえて注射をするというのは現実的に難しい。このため、「餌ワクチン」、すなわち餌にワクチンの成分を混ぜ、イノシシにこれを食べさせてASFに対し免疫力を持たせるという方法が研究されている。

韓国では疾病管理院が中央ワクチン研究所・忠南大学と共に国内のイノシシの分離株を利用して「韓国型ワクチン」を開発している。

環境部と民間企業のコミファームは、米国で開発されたワクチン候補株を取り入れて適用する案を協議している。問題は実験だ。ワクチンに効果があるかどうかイノシシを相手に実験しなければならないが、この条件すらきちんと確保できていない状態だ。

動物実験をする実験室も不足しているのが実情だ。民間企業では「野生のイノシシを相手に早く実験をし、その結果を見るべきだ」と主張しているが、環境部は「その過程でASFがさらに広がったらどうするのか」と反対している。

世界的に見ても開発されたワクチンがなく、「かかると死ぬ病気」がASFだ。

2019年にASFが初めて発見された中国では、ASFが風土病として定着するのを防ぐため、国を挙げてワクチン開発に着手しているところだ。

韓国の業界では「イノシシ用『餌ワクチン』が出なければASFの全国拡大は時間の問題だ」と懸念している。政府はこれまで広域フェンスや死骸捜索戦略などを実施してきたが、2年以上にわたって流行拡大を防げていない。

政府はイノシシの餌にワクチンを注入する「餌ワクチン」を2024年までに開発するという方針だが、容易ではない状況であり、家畜の豚が感染した場合に接種するワクチンの開発も進んでいない。

環境部はASFが近いうちに慶尚南道・全羅北道・全羅南道などほかの地域にも広がるとみて、27日に各道の公務員を対象とした防疫教育を開始した。環境部関係者は「今は農家にASFが拡大するのを防ぐことに集中する。長期的には餌ワクチン開発に総力を挙げることになるだろう」と語った。