[4回目ワクチンから3週間なのに…]という報道に見る、「なあ、気付よ」

 

(報道より)

> 携帯用のアルコールを持ち歩き、何かに触れるたびに消毒するほど気を付けていたのになあ。

> 最近、周りで4回目のワクチンを打ったばかりで感染という知人が増えているけれど、考えてみれば、ぼくも4回目のワクチンを打って3週間…

なんで疑問を持たない。みんなアレになっちゃった? っていうか、4回目はマズイですけどね。


4回目ワクチンから3週間なのに…TBS松原キャスターがコロナ感染「免疫逃避のオミクロン恐るべし」

中日スポーツ 2022/08/08

TBS系情報番組「サンデーモーニング」のコメンテーター、BS―TBS「報道1930」のキャスターを務めるフリージャーナリストの松原耕二さん(61)が8日、自身のツイッターで新型コロナウイルス感染を報告した。

松原さんは「報告ですが、新型コロナに感染し隔離期間に入っています。ようやくクリニックで予約が取れ、タクシーも使えず片道30分歩いて診療、処方されたのは解熱剤と風邪薬、やれやれです。重症化を未然に防ぐ体制にはほど遠いと実感。ということで今週、私は『報道1930』を休みますが、変わらず観てください」とつづった。

さらに「ところで感染経路は思い当たらず。会食もしていないし、携帯用のアルコールを持ち歩き、何かに触れるたびに消毒するほど気を付けていたのになあ。先週がハードで疲れから免疫力も弱まっていたのかと思ったりしますが、何より今や、ウイルスはどこにでもいるのでしょう。皆さんもお気をつけくださいね」

「最近、周りで4回目のワクチンを打ったばかりで感染という知人が増えているけれど、考えてみれば、ぼくも4回目のワクチンを打って3週間、抗体もマックスに近いほど出来ていたはずなのでは、と思ってしまう。免疫逃避のオミクロン恐るべし。せめて重症化予防にはなると信じるしかないな、いや信じよう」と締めくくった。

トルコがロシアの決済システム「ミール」に参加

 


ロシアの決済システム「ミール」を採用するトルコの銀行 – エルドアン大統領

sott.net 2022/08/06

Turkish banks adopting Russian payment system Mir – Erdogan

トルコの 5つの銀行がロシアのミール決済システムを採用していると、トルコのエルドアン大統領は、ソチの黒海リゾートでのウラジーミル・プーチン大統領との会談から戻った際に語った。

トルコの銀行がロシアのミールカードで行っている作業に関して進展があり、トルコの国営庁はエルドアン大統領が飛行機で言ったことを引用した。それはロシアの観光客とトルコの両方にとって有益であると大統領は記者団に語った。

ルーブルでの支払いは 、ロシアとトルコの両方にとって財政支援の源になるだろうと大統領は述べ、両国の中央銀行総裁も訪問中に会ったと付け加えた。

プーチン大統領とエルドアン大統領は、ソチでの会談で、天然ガスの配達の一部をルーブルで支払うことに移行することにも合意した。

トルコはロシアのウクライナ侵攻に反対の意を表明したが、ロシアに対する米国と欧州の制裁への参加は控えている。

ロシアからのエネルギー輸入も続けており、昨年の原油輸入の 4分の1と天然ガス供給の約 45%を供給した。

ロシアはまた、地中海沿岸での原子力発電所の建設を完了するために、 トルコに本拠を置くRosatom 子会社に数十億ドルを送金することにより、必要とされている外国為替の流動性をトルコに提供した。

トルコの省庁は、ロシアの穀物輸出に関する協定の仲介にも取り組んでいるとエルドアン大統領は述べた。

ロシアで今後数日「最高気温が 40℃に達する」と気象局が発表

 

(※) 報道では、40℃になると予測されているのは、カスピ海のほうの南西部のようですが、ロシア全体として大変暑い日が続くようです。とすると、ウクライナも暑いのでしょうね。


ロシア水文気象センターは、ロシアの多くの地域で気温が 40℃まで上がる猛暑について警告した

RT 2022/08/08

В Гидрометцентре предупредили о жаре до +40 °С в ряде регионов России

ロシアの多くの地域で、今後数日 40°C までの暑さが予想されている。これは、ロシア水文気象学センターの科学ディレクターによって述べられた。

「中部、下部ヴォルガ、南ウラルが最も暑くなるでしょう。これら地域では、気温が平年より 4~ 6℃高くなると予測されており、30°Cをはるかに超えるでしょう」とタス通信が科学ディレクターの言葉を引用し伝えている。

アストラハンとヴォルゴグラード地域では、 40°Cまでの異常気温が予想されると指摘した。

クリミア半島のステップ地域では 34 – 37°С まで、ロストフ地域とカルミキアでは 36 – 39°Сになるという。

アルゼンチン政府が 60%のインフレの中で「紙幣の印刷を停止する」と発表

 


アルゼンチン政府は、60%のインフレと戦うために紙幣の印刷をやめることを約束した

ブエノスアイレス・タイムズ 2022/08/03

Argentina pledges end of money printing to battle 60% inflation

アルゼンチンの新しい経済大臣であるセルジオ・マッサ氏は、就任宣誓の数時間後にアルゼンチンの金融危機を遅らせる計画を発表した。大臣は、インフレを遅らせるために紙幣の印刷を停止すると述べている。

セルジオ・マッサ新経済相は、暴走するインフレを助長する紙幣の印刷をやめると約束し、同国の深刻化する危機を好転させるための戦略を概説した。

マッサ氏は、アルベルト・フェルナンデス大統領から 1か月の間に 3人目の大臣として宣誓された後、経済ロードマップを展開した。マッサ氏の措置は、輸出の促進、国の財政赤字の削減、また中央銀行の準備金の減少にも重点を置いている。

マッサ氏は、今年末までに 90%に達すると予想されるインフレを抑えるという大きな課題を受け継いでいる。国際資本市場から切り離されたフェルナンデス政権は、慢性的な財政赤字を補うために紙幣の印刷に頼ってきた。

「魔法は存在しません」とマッサ氏はブエノスアイレスで記者団に率直に語った。「私たちは、決意を持ってインフレに立ち向かわなければなりません」

バングラデシュ政府がガソリン価格を50%以上の史上最大の引き上げを発表し、社会不安が広がる

 


バングラデシュは燃料価格の急上昇を発表し、インフレの懸念を煽る

ロイター 2022/08/07

Bangladesh announces fuel price jump, stokes inflation fears

石油価格の上昇を背景に、政府が史上最大の 52% もの値上げを行った後、多数のバングラデシュ人が全国の燃料ステーションを包囲した。

ロシアのウクライナ侵攻により、世界のエネルギー価格が急騰しているが、景気後退への懸念が高まる中、ここ数週間、石油価格は下落している。

バングラデシュ政府は 8月5日の深夜からガソリンの価格が 51.7%、ディーゼルが 42.5% 上昇すると発表した。

オートバイのライダーたちは、値上げが発効する前に、全国のガソリンスタンドに競って給油を試みた。一部のスタンドは販売を一時停止し、散発的な抗議行動が発生した。

デモ参加者は、この値上げは国民に不釣り合いな打撃を与えるだろうと述べた。多くのバングラデシュ人たちがディーゼルを使って輸送や農業の灌漑ポンプに動力を供給している。

バングラデシュは、ウクライナでの戦争をきっかけにエネルギー価格の上昇に見舞われており、発電所の燃料を調達するのに苦労している。

発電容量の全体の 10%を占めるディーゼル発電所は、一部のガス火力発電所と同様に停止されている。

バングラデシュでは、ここ数週間、1日最大 13時間の停電が発生している。

バングラデシュのインフレ率は 9か月連続で 6%を超えており、7月の年間インフレ率は 7.48%に達し、貧困層と中所得層の家庭に圧力をかけている。

政府は国際通貨基金に 45億米ドル (約5,800億円)を要求した、とデイリースター紙が報じた。

バングラデシュの通貨タカは、過去 3か月で対ドルで約 20%下落し、経常収支赤字は 170 億米ドル (約2兆2000億円)に達し、国の財政をさらに弱体化させている。

[酒とタバコの害について]という医療従事者の方の備忘録

 

(※)(※) 2004年の論文に「歴史におけるタバコの薬用」というものもあります。


酒とタバコの害について

Books&Apps 2022/08/03

チェーホフに「タバコの害について」という一幕ものの戯曲がある。

登場人物は冴えない中年男一人で、奥さんに「タバコの害について」という講演をして来いといわれた男として舞台に登場してくる。

氏は細君に全く頭があがらない。それで奥さんが会場にいないのをいいことに、「タバコの害」ではなく、奥さんの悪口や自分の愚痴を延々と演壇で語る。が、終わり近くになって楽屋に奥さんが来ているのに気づき、あわてて「ただ今、申し上げたように、タバコにはおそろしい毒が含まれているという事情から見て、どんなことがあっても喫煙など、いたすべきではないのであります。・・」などといって講演をおえるという話である。

わたくしも、「酒と煙草の害について」正面から論じる気はない。

ただ、なぜ現在世界中でタバコや酒、とくにタバコがかくも嫌われるようになっているのかということについて、少し考えてみたいと思っている。

まずアルコール。

昨年末現役を引退するまで50年間医療の場にいたので、一応、肝臓専門医として、時に相談をうけることがあったのが、アルコール依存症の患者さんである。典型的な場合は以下のようなケース。

患者は男性で奥さんが病院まで引っ張って来たようである。本人は項を垂れていてほとんど口をきかない。奥さんが一方的に話す。勝気そうで元気な奥様である。

そしてこういう。「この人はお酒さえ飲まなければ本当にいい人なのです!」 そうなのだろうなと思う。

この男性が酒を飲むのは「いい人」なので奥様に頭が上がらないからで、酒をのんでようやく奥様となんとか対抗している。

奥様がいう。「先生! 何とかこのひとに酒をやめるように説教して下さい!」 そんなの無理でしょ、と内心では思うが一応医者なので、「いつぐらいからこのような状態なったか? 仕事はできているか?・・」などの問診をする。

「おいしくて飲んでいるのですか?」 これに対する返答は微妙で奥さんがとなりにいては本当のことを話すわけがない。

多量飲酒であるから当然身体の検査にも異常があるわけで、血液検査をし、超音波検査などの予約をしてその場は帰す。

そして暫く通院しても(当然だが)状態はかわらないので、「やはり専門の先生にお願いしましょう」といってアルコール依存症専門の病院に紹介するのだが、半分は病院から拒否される。

「当院はやめる意志があるのだがそれでもやめられない方を対象にしているので、やめる意志がないかたはお受けしておりません!」

しかし「止める意志があるひと」についても治療成績は惨憺たるもので、アルコール依存症専門病院は、現在は若者のゲーム依存症の治療に軸足を移してきているという話もきく。しかしこの治療もまた惨憺たる成績のようである。

僅かに効果があると言われているのがアルコホーリクス・アノニマス(Alcoholics Anonymous)というアルコール症患者の自助グループで、患者同士が各々の病歴を話し合うことから時に道が開けてくることがあるらしい。

もう一つのアルコール依存のタイプとして、いわゆるキッチン・ドリンカーがあるが、これはまず病院にこない。

ご主人が原因は自分にあると自覚しているので内々に抱え込んでしまうようである。

日本はまだアルコールに寛容な国である。たとえ酒をどんなにたくさん飲んでいても仕事がなんとかまわっているうちは許容される。

しかし、一旦、仕事に支障がでてくると途端に手の平を返すように冷たくあつかわれるようになる。

そういう日本社会であるから、医療者の世界でもアルコール依存に近い方々も少なからずいらっしゃる。

わたくしの知っているある内視鏡医は検査にいく前に一杯ひっかけていく。「だって飲まないと手が震えるんですよ。」

その先生と酒の席に同席したことがあるが、一杯目はグラスが口に来ないで、口がグラスにいく。そうしないと手の震えが止まらないと、特に悪びれることなく本人がいう。

ある臨床分野ではそれなりに高名な某大学教授の机の引き出しには何本もウイスキーの瓶が入っているという噂もきいたことがある。

本人はおれの実績ではこんな地位では不満であると思っていて、それでその憂さをはらすために飲んでいるらしい。しかし、周りはあんなにお酒をのんでいるようではこの上は無理と思っている。

どの組織でも、その人の能力からみて不遇だなあ、とおもわれるひとが存在している。そういう人がたまたま酒にむかうと、ひとによってはアルコール依存にまでいってしまう。

おそらく酒はどこでもそうなのかもしれないが、人間関係を円滑にするものとして日本の企業の活動でも不可欠のものとなっていて、そのため、アルコールに対してはかなり甘い対応になっている。

それに対して非常に厳しい対応となっているのが煙草である。

会社でも、とても環境の悪い隅っこに喫煙コーナーを設け、吸うならここで吸えということになっている。

もちろんこれは日本の社会が煙草に冷たいことの反映であり、もっといえば、世界全体が煙草に冷たいことの反映でもある。

わたくしも医療関係者であるから煙草が健康にいいとは思わないが、しかしそれを承知で自己責任で吸うのであれば、あれほど肩身の狭い思いをしているのはいささか理不尽ではないかと思っている。

人は自ら不健康になる権利もあるのではないか?

誰かがいっていたが、生きていること自体が健康に悪い。ましてや、仕事をするというのはとても体に悪い。

それを何とか乗り切るために酒も煙草も利用されてきたという側面もあるのではないか?

煙草は軍隊あるいは戦争には必須であるらしい(恩賜の煙草)。

オーウェルの「カタロニア賛歌」では兵隊さんは食べ物よりも煙草を欲しがっていた。

いまのウクライナの戦場ではどうなのだろう? 健康のために禁煙が推奨されているのだろうか?

しかし、戦争自体が健康に悪い。

アメリカの人文学者R・クラインに「煙草は崇高である」であるという本がある。(太田出版 1997)

20年ほど前にはまだこんな本も出版できたわけである。

崇高というのは「質」の問題であり、健康というのは、あるいは長寿への志向は「量」の問題である。世界は着々と質より量の方向にむかっている。

現下の反=煙草の状況で生じている喫煙者いじめ的な動きからくる弊害については、反=タバコ派の方々もさすが考えているようで、そこで持ち出されてくるのが「受動喫煙」という問題である。

煙草の煙は吸っている本人以外にも周囲にいる人の健康にも悪影響をあたえるという指摘で、煙草を本人が吸っている時の高温の燃焼よりも、灰皿に置いてある煙草から出る低温燃焼の煙のほうが有害物資が多いということがいわれている。だから他人の健康のためにも煙草はやめなさい!

もちろん、これに対する反論も当然でてきて、大分古い本であるがトリトンという人が編集した「喫煙と社会 よりバランスのとれた評価にむけて」(平凡社 1987)には受動喫煙者が喫煙者より健康を害するという証拠はないと書かれている。

もっともこの本は「たばこ総合研究センターの全面的協力、援助をえて訳出された」のだそうである。

何万組かの夫婦を集め、夫妻ともに非喫煙、夫のみ喫煙者で比較し、夫が喫煙者である方が有意に妻に肺がんが多くなるというような結果がでれば、間接喫煙の問題に決着が着くのではないかと思うのだが、そういう方向の疫学的研究はあまりみないように思う。

さらに反喫煙に対して煙草会社がだしてきたのが無煙煙草で、煙草の葉を温めることで燃焼という問題を回避している。

本当の?煙草吞みは「あんなもの煙草じゃない、喫えるか!」と言って両切りのピースなどを未だに粋がって吸っているようだが、多くの煙草吞みはないよりましということで(泣く泣く?)無煙煙草に移行してきているようである。

しかしネットをみればわかるように、紙煙草が辞められないひとはせめて電子煙草へというような記事は皆無で、紙煙草より電子煙草のほうが健康にいいなどというのは嘘の皮であって、これだけの有害物質が電子煙草でも出るという方向の論一色である。

今、世界のどの医学雑誌の査読者も「煙草にはこういう利点もある」といった論文は絶対に採用しない。

むかしどこかで喫煙は潰瘍性大腸炎を改善させるという話を聞いたことがあるが、どうなっているのだろうか?

煙草に比べれば俺たちはましだな、とここまで読んで思っているお酒派の方もあるかもしれないが、今、反タバコ派を牽引している世界保健機関の偉い方々は「本丸はアルコールである。アルコールという健康に悪い飲料を世界から一掃することがわれわれの最終の目的である」と公言しているのだそうである。

アルコールはいうまでもなくそれ自体とその代謝産物が発癌物質であるから(特にもともと顔がすぐに赤くなるなど、お酒に弱いひとが頑張って吞めるようになったかたは危険)、健康を管理する団体である世界保健機構がそれの駆逐を目指すのは当然であろう。

しかしあるイギリスの作家は「もしもアルコールというものがなければ人類はとっくに滅びていただろう」といっていた。

禁煙・禁酒の問題は内科医より精神科医に相談がいくことも多いわけで、この問題に関心がある方は、精神科医・中井久夫氏の「臨床瑣談 続」(みすず書房 2009)所収の「煙草との別れ、酒との別れ」「現代医学はひとつか」なども参観していただければと思う。ここで氏は「アルコール症になる人は大真面目な人のようである」といっている。

また同書の「現代医学はひとつか」では、「祈りは、人間が万能でないことを自分に言い聞かせる意味があると私は思っている。」「宗教は時間に洗われて生き残っているものほど、医者は信用を置くしか目安がない。」などということもいわれている。

また同書の「インフルエンザ雑感」は現在のコロナ流行についても示唆に富むものと思う。

酒も煙草も、十分に「時間に洗われて生き残って」来ているとわたくしは思う。

以上ぐだぐだと書いてきたが、何をいいたいかというと、結局、今日本で(世界でも)着々と進行している「管理社会」化ということなのだろうと思う。

例えば今いろいろなところにある喫煙指定場所をみると、煙草を吸う方々はよく我慢しているなと思う。狭いところにぎっしりと詰め込まれ、ただ黙々と吸っている。相互に話をするでもなく、ただ吸っている。

これも「そんな思いをしてまで煙草を吸うこともないでしょう。もう煙草はやめましょう」という設置者の意図に素直に従ってしまっている。

作る気があれば、もっと衛生的でいい環境の喫煙所も作れるはずである。そうしないのは喫煙者に対する嫌がらせである。

性的マイノリティーの権利が声高に主張される時代に、喫煙者というマイノリティーの権利もまた尊重されるべきではないだろうか?

そして、そういう喫煙者への差別をおかしいと思わなくさせる最大の根拠が「健康」なのである。

喫煙で自分の健康を害するのは自業自得だが、他人の健康まで害することは許せない、ということである。

そう遠くない昔に専売公社が「煙草は動くアクセサリー」などというコマーシャルを流していたのが嘘のようである。

医療者は医療の進歩が長寿をもたらしたと喧伝しているが、おそらくそれは嘘で、寿命の延長は、栄養の改善が最大の原因である。

戦後すぐには医療現場の最大の問題は結核を含む感染症であった。それは貧困と低栄養がもたらす病であって、もちろん結核治療薬の出現ということもあるが、基本的に戦後の復興とともに日本人の栄養状態が改善するとともにコントロールされていくようになった。(結核症は抗結核薬が臨床の場に導入される以前から減少に転じている)

結核が後景に退くと脳血管障害が問題になってきた。

しかしこれもさらなる高栄養化で脳血管が丈夫になると減ってゆき、(まず脳出血が減り、次いで脳梗塞が減った)、あとは基本的に老化の病気である癌が残った、もしもそれが克服されれば後に残るのは老衰である。

しかし、すべての人が老衰で死ぬ社会が理想の社会なのだろうか?

日本人の死因のトップは1947~1950年が結核、51~80年が脳血管障害、81~現在が悪性腫瘍である。

これを抗生物質の出現や血圧やコレステロールの薬の進歩によるものと医療業界あるいは製薬業界は宣伝しているが、はなはだ疑わしい。

50年前わたくしが医者になったころは、血圧やコレステロールに有効な薬はほとんどなかった。

血圧についてはカルシウム拮抗剤(1990年前後)、コレステロールについてはスタチン系の薬(これも1990年前後)が出て、ようやくそれらの薬物によるコントロールが可能になった。

しかし、コレステロールのコントロールについては、事後的にみて服薬が有効であったと判断されるのは、15人に一人くらいらしい。

またわたくしが医者になったころ、高血圧とは160/100以上くらいであったが、いまは「血圧が130を超えたら」とテレビのコマーシャルなどでは言っている。

わたくしは、酒は吞むが、煙草は喫わない。

煙草については、学生時代遊びに吸ったとはあるが、ちっとも美味いと思わなかった。

しかし、酒も最初は全然美味しいとは思わなかったのにいまだに続いている。なぜなのだろう。

「酒も煙草も女も知らず 百まで生きた馬鹿がいる」という都都逸があるらしい。

わたくしは清教徒的見方というのが、どうも苦手なようである。

白河の清きに魚もすみかねて
もとのにごりの 田沼恋しき

問題はお上が禁欲しろといっているわけではないのに、勝手に下々が禁欲していることで、その片棒を医療者が担いでいるのだとしたら、大きな問題である。

しかし昨年まで一緒に仕事をしていた保健師さんは仕事熱心でとても優秀な方だったが、また極めて熱心な禁煙活動家であったし、大学同期の某先生も「禁煙学会」を立ち上げて熱心に活動されている(この「学会」は公的な学会ではなく私的な学会)。

ということで何だかもう多勢に無勢なので、ここで少し書いてみた次第である。

そういえば、チェーホフも医者だった。44歳で結核で死んでいる。
***

【著者プロフィール】
著者:jmiyaza

人生最大の体験が学園紛争に遭遇したことという団塊の世代の一員。

2001年刊の野口悠紀雄氏の「ホームページにオフィスを作る」にそそのかされてブログのようなものを始め、以後、細々と続いて今日にいたる。内容はその時々に自分が何を考えていたかの備忘が中心。
ブログ:jmiyazaの日記(日々平安録2)

メキシコで犬の人間に対しての攻撃が急増

 


メキシコシティは犬の攻撃が 19% 増加したことを記録

Mexico News 2022/08/03

Mexico City records 19% increase in attacks by dogs

メキシコシティでは今年、犬の攻撃が 19%以上増加し、100人をはるかに超える被害者が公立病院で負傷の治療を求めている。

連邦政府のデータによると、1月から 7月の間に首都で 5,665件の犬の攻撃があり、2021年の同時期と比較して 19.4%、つまり 920件の増加となった 。Milenio

入手したデータでは、141人が救急治療を受けたことを示している。そのような怪我のために病院での治療を求めた人の数は、COVID 関連の制限が多くの都市でピークに達した 2020年の 199件から、昨年 40.7%急増して 280件になった。

メキシコシティでは近年、致命的な犬の攻撃が発生している。 各攻撃にはピットブルが関与していた。

首都での犬の攻撃が増加している一方で、被害者が刑事告訴を行うことはほとんどない。今年これまでに提出された苦情はわずか 66件だった。