「食糧」カテゴリーアーカイブ

インド政府がコメの輸出規制をさらに強化

 

(参考記事)インドがさらなるコメ輸出の制限を検討 (2023/08/23)


インド、コメの輸出規制をさらに強化

RT 2022/08/27

India further tightens rice export controls

世界有数のコメ輸出国であるインドは、国内での十分な供給を確保するため、主食の海外販売に新たな税を課したと同国の財務省が発表した。

インドの米総出荷量の約3分の1を占める調理済み米の品種であるパー​​ボイル米の輸出に対して 20%の関税が課された。この義務は直ちに発効し、10月15日まで有効となる。

この動きは、インド政府が 2022年10月以来 30%以上高騰したインド国内のコメ価格を抑制するため、バスマティ種以外の白米の輸出をすべて停止してから 1か月後に行われた。

昨年、同国は破砕米の輸出も禁止している。

専門家たちは、この新たな輸出関税はインド国内市場にとって有益ではあるものの、世界的に食料価格を高騰させる可能性があると警告している。

「この動きにより、国内価格は下がり、政府が食料インフレを抑制するのに役立つだろう。しかし、世界的なコメ価格は上昇し、買い手はその上昇分を吸収しなければならないだろう」とインド米輸出業者協会のクリシュナ・ラオ会長はブルームバーグに語った。

供給懸念の中、コメ価格は今月初め、約 15年ぶりの高水準に達した。タイ米輸出業者協会のデータによると、8月9日、アジアのベンチマークであるタイ産 5%白米の価格は 25%以上上昇し、1トン当たり 648ドルとなり、2008年10月以来の高水準となった。

その後数日で価格は落ち着き始めたが、アナリストたちはインドの関税に関するニュースを受けて価格が再び上昇すると予想している。



世界第二位の砂糖輸出国のインドが「砂糖の輸出禁止」を検討

 


インド、砂糖輸出禁止の可能性 – ロイター

RT 2023/08/25

India may ban sugar exports – Reuters

インドは暑さと雨不足の影響でサトウキビの収量が減少したことを受け、7年ぶりに砂糖の輸出禁止を検討しているとロイター通信が 8月23日、政府関係者の話として報じた。

国際砂糖機関によると、インドはブラジルに次ぐ世界第2位の砂糖輸出国であり、砂糖製品の最大の消費者および生産者でもある。しかし、今シーズンの輸出量は610万トンにとどまっている。2021- 22年シーズンの輸出量は過去最高の 1110万トンだった。

政府関係者はロイターに対し、「過去2年間、製糖所に大量の砂糖の輸出を許可してきた」とし、 「しかし国内での十分な供給と安定した価格も確保しなければならない」と付け加えた。

インドのサトウキビ栽培地区では今年の降雨量が平均の半分だったため、インドの砂糖生産量は2023~24年のシーズンに3.3%減って3,170万トンになる可能性があると同紙は伝えた。

「食料インフレが懸念されている。最近の砂糖価格の上昇により、輸出の可能性はなくなった」と別の政府関係者は語った。

公式データによると、インドの小売インフレ率は7月に15カ月ぶりの高水準となる7.44%に上昇した一方、食品インフレ率は11.5%に上昇し、ここ3年以上で最高の数字となった。

一方、国内の供給問題の解決を目的とした砂糖の輸出停止の可能性は、世界的な影響を与える可能性がある。

この禁止により、すでに同商品が数年ぶりの高値近くで取引されているニューヨークとロンドンの取引所の基準価格が上昇する可能性がある。これにより世界の食品市場のインフレが高まる可能性があると同誌は指摘した。

これは、農作物に広範な被害をもたらしたモンスーンの大雨を受けて価格が1カ月で3%高騰したことを受け、インド政府が7月下旬に非バスマティ白米の輸出を停止したことを受けてのことだ。



猛暑が騒がれていたヨーロッパ主要国の多くで「干ばつは完全に解消している」現実

 

以下は、欧州委員会の公式の干ばつマップです(8月10日まで)が、色分けは、いろいろとありますが、主要な部分は以下のようになっています。

□(白) 干ばつの発生ナシ
(オレンジ) 干ばつ注意報
(赤) 干ばつ警報
(青) 干ばつから通常の状態に復活

いわゆる報道で騒がれていたスペイン、ポルトガル、イタリア、フランス、ドイツ、イギリスなどの農業生産国の干ばつは、ほぼ解消されています。あの危機的な猛暑報道は何だった?

2023年8月10日までのヨーロッパの干ばつ状況

edo.jrc.ec.europa.eu

今、干ばつ状態なのは、ポーランド、リトアニア、ラトビアなどの国で、ヨーロッパ全体で干ばつの警報状態にある地域は、欧州委員会のページによれば、「14.4%」のみだそう。

これなら、日本の関東のほうが干ばつはヤバイのでは。



「こんなに雨が降らない夏は初めて」:新潟の水不足が深刻に。コメだけではなく、農作物全体に影響が

 


【悲鳴】「くず米になっちゃう…」日本の米どころ新潟が大ピンチ 原因は“水不足と暑さ” 枝豆・ひまわり・ニシキゴイも被害に

FNN プライムオンライン 2023/08/21

日本一の米どころ・新潟で今、異変が起きています。

8月20日、取材班が新潟・上越市を訪れると、田んぼは干上がり、所々ひび割れを起こした場所がありました。

ディレクター:
水分を失ったせいか、稲が倒れてしまっています。

一面に広がる稲のほとんどが、枯れた状態で倒れています。

農事組合法人ぼうがね 外立軍一郎 組合長:
つぶが小さいし色が悪い、白いだろ。売るというわけにはいかない。クズ米になっちゃうかもしれない。枯れたやつは諦めるしかない。

被害は別の農家でも…。

地元農家 尾﨑実さん:
ここだけでいえば半分くらい枯れているので。

――本来は歩けないところ?
歩けないですね。

本来であれば、水分が多く歩くのが難しい場所も、水分が少ないために干上がり、歩けるほどになっています。例年だと、今は十分な水が必要な時期ですが…。

地元農家 尾﨑実さん:
身も入ってないね、ほとんど…モミだけ…。

――雨はどのくらい降っていない?
1カ月くらい降ってないんじゃないですか。降ってもパラパラ、パラパラみたいな。

 

深刻な水不足…農産物や植物、あの養殖にも影響が

連日の暑さで深刻になっている「水不足」。
新潟県にある早出川ダムでは、普段は緑と岩肌の境目の部分まである水位がかなり下がり、岩肌が大きく露出。

新潟県では農業用と土木用、合わせて3つのダムの貯水率が0%に。これは29年ぶりの異常事態です
その影響は、既に食卓にも見受けられます。

アキダイ関町本店 秋葉弘道 社長:
今の時期なくてはならない枝豆ですね。これなんかも新潟の枝豆なんですけども、入荷量が5分の1ぐらいになってますね。

入荷が少なくなっているという新潟産の枝豆。値段は1袋298円。

アキダイ関町本店 秋葉弘道 社長:
今の時期ですと、大体100~150円ぐらいの枝豆もいっぱい売ってるんですよ。枝豆全体的に考えれば(値段が)倍ぐらいの状況でしょう。

枝豆の購入者:
値段が上がるのは家計には厳しいですけど、やっぱり夏は枝豆食べたいので、そのあたりはしょうがないのかなと我慢して買うと思います。

一方、上越市の畑で栽培されていたのは夏の花の代表、ひまわり。この時期、3ヘクタールの畑に、約15万本が一斉に咲き誇るはずですが…

ションボリと、うなだれているように見えます。

ヒマワリを栽培する 上越つくしの里 医療福祉協会本部参事 田邉信さん:
通常ですと1m50から、1m80の高さまで伸びるものなんですけれども、1mぐらいのサイズが多くなってしまいました。

種からヒマワリ油を絞って販売するという障害者の就労支援の一環で行っているのですが、今回日照り(などの影響)で大きくならず、種の収穫がかなり減ってしまうというか、ほぼ見込めない感じになっています。

影響は植物だけではありません。

品評会では2億円もの値がついたこともある、新潟県の旧山古志村が発祥とされるニシキゴイにも被害が…。

ニシキゴイを養殖する越後夢工房 中野陵 部長:
池のかさが20~30㎝減っている状態で、(池の)酸素量が減ってしまって、酸素不足で12匹が死んでしまっている状態。少なく見積もっても40万円くらいは損害がでている。

 

“こんなに雨が降らない夏は初めて”新潟の今後の予報は

各所に被害を出している水不足。なぜ続いているのでしょうか。

田中良幸リポーター:
昨日実家に連絡してみたんですけど、70年以上新潟で暮らしている家族が「こんなに暑くてこんなに雨の降らない夏は初めてだ」と言っていました。町を歩くと干上がっているような水田がたくさんあると。

今後の収穫時期にどう影響するのかという話をしていたんですけども、実際に新潟の米農家の方にお話を聞くと、やはりこの影響で収穫量が下がったり、また獲れても品質が悪くなる可能性がある。そうなってくると今後お米の価格に影響が出てくるのではないかということなんですよね。

木村雅洋 気象予報士:
新潟の週間予報を確認すると、金曜日ごろまでは、まとまった雨なさそうですね。ずっと晴れマークですから。土日に傘マークがついていて、もしまとまった雨が降るとしたらこのタイミングなんですが、ちょっと前線が弱まったまま南下して来てしまう可能性があります。そうすると、この土日の雨ももしかしたら限定的になる可能性もあります。

量としては、広く降れば割と水不足に対しても有効かもしれませんが、狭い範囲で降る場合は、かなり一部で量が増えたとしても、全体的に降らないとやはり乾燥というのは変わらない。

8月いっぱいはなかなか気温も高い予想が出てますから、それだけ雨も降らないと考えていただいていいと思いますね。




インドがさらなるコメ輸出の制限を検討

 

これでタイやベトナムのコメ生産に問題があったら、今年の国際コメ流通はアウトです。


インドが新たな輸出制限を検討する中、世界的なコメ危機が悪化

zerohedge.com 2023/08/23

Global Rice Crisis Worsens As India Mulls Over New Export Restrictions

コメ危機はまだ始まったばかりのようだ。

世界最大のコメ輸出国であるインドが食糧インフレの高騰とエルニーニョ現象による農地への悪影響に悩まされている中、インド政府が、世界的な引き締めを引き起こしている穀物の輸出をさらに制限するかどうかについて、驚くべき規模で検討しているとブルームバーグが報じた

2022/2023のコメの輸出量の国際比較

インドの輸出規制の第一弾は先月、非バスマティ白米の出荷に適用されたが、現在インド政府は、最終的に社会不安を引き起こす超インフレによる食品価格の高騰を防ぐために、また、インド国内のコメ供給を十分に確保するため、海外への出荷を阻止するためにパーボイル米に輸出税を課すことを検討している。

輸出税の可能性に関する政府の見直しについて説明を受けた関係者は、「審議が関税の導入につながるかどうかは分からない」と語った。

インドがコメの輸出の禁止を発表した直後、タイの白米5%は2008年以来の最高水準に達した。

タイ米の国際価格の推移(2008年と並ぶ)

一方、国連食糧農業機関による世界食料価格に関する最新の報告書は、世界的に取引される食料品の国際価格の毎月の変化を追跡する世界食料指数が、過去18カ月で最も大きく上昇したことを示した。



カリフォルニアに84年ぶりにハリケーンが接近あるいは上陸する見込み

 

天気予報が当たった場合、春に大洪水を受けたアメリカ最大の農作地帯を直撃することになります。しかも、カルフォルニアのシエラ山脈の最高峰にはまだ雪が残っているようで、ただでさえ、雪解けの水が大変なようです。

(参考記事)アメリカ最大の農業生産地であるカリフォルニアが前例のない歴史的な洪水に襲われており、過去最大の作物の損失が起きている
地球の記録 2023年3月22日


ハリケーン「ヒラリー」、米南西部に異例の接近 1年以上分の大雨の恐れ

CNN 2023/08/19


CBS NEWS

ハリケーン「ヒラリー」が20日から来週初めにかけ、米南西部とカリフォルニア州の一部に大雨をもたらす懸念が強まっている。この地域をハリケーンが通過するのは異例で、カリフォルニア州南部では初の熱帯暴風雨注意報も発令された。

ヒラリーはカリフォルニア、ネバダ、アリゾナ各州の一部に1年以上分の降水量をもたらす可能性がある

米国立ハリケーンセンター(NHC)によると、強力な「カテゴリー4」のヒラリーはメキシコ西部カボサンルーカスの南約520キロを移動中。風速は約58メートルで、最大瞬間風速はこれを上回る。

ヒラリーは17日から18日にかけて急速に勢力を強め、わずか24時間の間に熱帯暴風雨からカテゴリー4のハリケーンに発達した。カテゴリー4の勢力を保ちながら19日中にメキシコのバハ・カリフォルニア半島に接近する見通し。

米海洋大気局(NOAA)によると、ヒラリーはメキシコに上陸してからカリフォルニア州に向かう可能性が高いが、もしカリフォルニア州に熱帯暴風雨として上陸すれば、約84年ぶりの事態になる。

NHCによると、カリフォルニア州南部の一部地域では18日午前、初となる熱帯暴風雨注意報が発令され、同日夜には警報に引き上げられた。