「もの忘れを直す方法」ルドルフ・シュタイナー


もの忘れを直す方法

ルドルフ・シュタイナー 1912年1月11日 ドイツ・ミュンヘン

自分がもの忘れをすることに気づいた人が、もの忘れを治すためには、まず「必要なものを、私はいろいろな場所に置くことにしよう」と思うのです。

そして、「私はそれをここに置いた。その周囲の様子や形や色をイメージして覚えておくように努めよう」と考えながら、そのものを置くのです。

安全ピンをテーブルの角に置くとします。「私はこのピンを、この角に置く。そして、ピンが置かれたテーブルの角を、イメージとして心に刻印づけよう」と考えながら、ピンを置きます。

そうして、落ち着いて立ち去ります。一度行っただけでは、すべてのものをすぐに見つけられるようにはならないでしょう。

しかし、そのように考えながらものを置くことを、習慣のようにしばしば行うなら、もの忘れは次第になくなっていきます。

「私はピンをここに置く」としっかり考えて、自我を自分の行いと結び付け、さらにイメージを付け加えます。

思考における明瞭なイメージ、自分の行いのイメージ表象、自分の行為を、自分の精神的 - 心魂的な核、つまり自我と結びつけるのです。

そうすると、私たちの記憶力は根本的に強くなります。

ものを置くときに、このように思考する習慣が付くと、それだけで、エーテル体(生命体)の力が呼び出されます。

このような習慣をとおして、人間のエーテル体はますます強化されていきます。私たちは人智学をとおして、「エーテル体はある意味で記憶の担い手である」と、学びます。