「イールドカーブコントロールを柔軟化していくことは、一つのオプションとしてあり得る」という日銀黒田総裁の発言

 

(参考記事) 善と悪の聖霊が共に地下から出てくるハロウィーンを起点に、2022年から2023年までをカウントダウンする
In Deep 2022年10月31日

「イールドカーブコントロールが壊れ、まもなく日本の国債市場全体が存在しなくなる」


物価目標見通せれば、前段階でYCC柔軟化も選択肢-日銀総裁

bloomberg.co.jp 2022/11/02

日本銀行の黒田東彦総裁は2日、イールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)政策の運営について、将来的に2%の物価安定目標の実現が見通せる状況になれば「その前段階でイールドカーブコントロールを柔軟化していくことは一つのオプションとしてあり得る」と語った。衆院財務金融委員会で答弁した。

YCCでは現在、政策金利の目標として短期金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%程度(ゼロ%を中心に上下0.25%程度)に設定している。

黒田総裁は質問者が円安対策として短期金利の引き上げや長期金利目標の変動幅の拡大などを求めたことに答えた。

黒田総裁は、日本経済の状況を踏まえれば「金融緩和を継続することで日本経済をしっかりと支えていくことが適当だ」とし、現在の長短金利の誘導水準を維持して「イールドカーブ全体を低位に安定させることが最も適当だ」と指摘した。

賃金上昇を伴う物価安定目標の持続的・安定的な実現には「必要な政策」との認識を示した。

一方、別の質問者は投機的な円売り抑制に向けて長期金利の変動幅拡大の可能性など政策の柔軟性を示すべきだと提案。

総裁は「ご指摘の点は十分考慮したい」としながらも、「今のイールドカーブコントロールを変えないといけないとは全く考えていない。あくまでも2%の物価安定目標が持続的・安定的に達成されることが見通せるようになった時に当然、金融政策は修正変更されるべきだ」と述べた。

最近の円安は「急速かつ一方的で望ましくない」とし、政府とも緊密に連携し、金融・為替市場の動向や日本経済への影響を「十分に注視していく」と改めて表明。「急激かつ一方的な変動は恐らく投機によるものであり、それに対抗して介入するのはG7(主要7カ国)やG20(20カ国・地域)でも当然視されている」とも述べた。