[すべての髪が抜けることも…「円形脱毛症」がコロナ禍で増加]という報道

 

(参考報道) ワクチン接種後に脱毛症の症例が爆発的に増加 (英語) 2022/10/03


すべての髪が抜けることも…「円形脱毛症」がコロナ禍で増加 重要な早期治療【福井発】

FNN 2022/10/08

「円形脱毛症」は見た目に関係することから、男女問わず、患者を悩ませる病気。新型コロナウイルスの後遺症として発症する人も増えている。

ただ近年、その発生メカニズムも解明され、効果的な治療法も見つかっている。

突然髪が抜ける「円形脱毛症」とは

(Q.どうやって円形脱毛症を発見した?)
円形脱毛を発症した人:
髪の毛を洗面台で見ながら乾かしているときに、黒いところに地肌が見えた気がして。ちょっとショックでびっくりした。母親が発症したが、自分がなるとは思ってなかった

円形脱毛症の国内患者数は約200万人。人口の約1.6%、60人に1人が発症しているとされる。そして新型コロナウイルスの感染拡大で、増加しているというデータもある。

円形脱毛症とは、そもそもどんな病気なのか?
福井市の「にしむら皮膚科クリニック」西村陽一院長に聞いた。

にしむら皮膚科クリニック・西村陽一院長:
典型的な症状は、10円玉くらいの脱毛が1個か2個くらい出る単発型。その他にも3~4個出る多発型。頭全体の髪の毛が抜ける全頭型。生え際に蛇行して出る蛇行型がある。また全身の毛が抜ける汎発型がある

坂本剛史アナウンサー:
9割以上が軽症で、突然発症する人が多いと言います。ただ、その発症のメカニズムは最近解明されたようです

発症のメカニズムは自己免疫疾患だ。本来身体を守るはずの免疫が、誤って自分の身体を攻撃する症状のことをいう。

免疫細胞が毛根にある細胞を攻撃し、ダメージを受けた毛根の毛髪が抜けてしまう。またストレスとの関連も大きく、ストレスが引き金となって発症するケースがある。

さらに遺伝との関連も見逃せない。

にしむら皮膚科クリニック・西村陽一院長:
家族内での発生が8.4%、一卵性双生児で55%の一致率があり、遺伝がかなり影響している。アトピー疾患のある患者も発症しやすい

季節の変わり目に要注意

他にも、円形脱毛症の発症に関わる体質がある。アレルギー性鼻炎だ。春や秋の季節の変わり目に鼻炎症状が悪化して、発症につながるケースがある。

坂本剛史アナウンサー:
新型コロナウイルスの後遺症としても発症が知られていますが、関連はあるのでしょうか

にしむら皮膚科クリニック・西村陽一院長:
最近のデータによると、 コロナ疾患により発症もするが、それよりも以前に円形脱毛症にかかったことがあるとか、現在 円形脱毛症がある方が増悪したり、再発したりする確率が高くなっている

大部分は軽症で終わるが、注意が必要なケースもある。

にしむら皮膚科クリニック・西村陽一院長:
単発型の場合は、塗り薬や飲み薬でよくなるケースがほとんど。自然に治ることもある。注意する必要があるのは、繰り返す方。自然に治って、また出てきて。これを何度も繰り返す方は、突然全部抜けてくることがある。この病気は手遅れになることがありうる

半年以上放置すると、発毛に関わる細胞が再生しにくくなるという。目安として3カ月経っても生えてこない場合、通院が望ましく、早期発見・早期治療が必要だと強調する。

一方、発症のメカニズムが解明されたことで、近年は新薬や治療法がめざましく進化。発毛に関わる分子にピンポイントで働きかける治療法も開発されていて、可能性が広がっている。