この大腸菌毒素が出る大きな要因として、AI は「幼少期の抗生物質の使用」を挙げていました。もちろん、確定した話ではないですが、ずいぶんと早い頃から「がんの芽」が出る可能性があるようです。
40歳未満の大腸がん、7割で大腸菌毒素が関与 大阪大学や東京大学
日本経済新聞 2026/08/10
大阪大学や東京大学などの研究グループは40歳未満で発生した大腸がんの約7割に特殊な大腸菌が関与していることを発見した。日本人全体でみてもおよそ半数が大腸菌によるDNAの損傷が関与している可能性があることが分かった。
大腸がんは日本で急速に増加していて、この40年で患者数は7倍にまで増えたという。また世界で50歳未満で罹患数が増えている。これまで食生活の欧米化や生活習慣の変化が指摘されてきたが、欧米諸国よりも日本で発症頻度が多い原因などは十分に分かっていなかった。
近年一部の大腸菌が「コリバクチン」という毒素を生み出し、細胞のDNAを傷つけることが報告されている。東大の柴田龍弘教授らが2025年に発表した大規模な先行研究ではコリバクチンによるDNA損傷が世界の大腸がん患者の5〜20%で認められていた。
同研究には日本人の事例も含まれており、28例中の半数でDNA損傷の痕跡が確認されていた。
今回、柴田教授と阪大の谷内田真一教授らの研究グループは、国内の大腸がん患者200人を対象に、大腸がんと大腸菌のコリバクチンによるDNAの損傷の痕跡を調べた。その結果、日本人全体の大腸がんの約45%でコリバクチンによるDNAの損傷が認められた。
詳しく調べるとコリバクチンによる損傷は、がんを抑制する働きがある遺伝子「APC」などに変異を起こしていた。またコリバクチンによるDNAの損傷が見られる大腸がん患者では、発がんの最初期にできる遺伝子変異が10歳未満の幼少期に起きている可能性も示された。
40歳未満で発症した若年性大腸がんについて調べたところ、約70%でコリバクチンによる変異パターンが認められた。この変異パターンは1965年以降に生まれた世代で高い頻度で認められた。
谷内田教授は「ピロリ菌除菌が胃がんの予防を大きく変えたように、将来コリバクチン産生菌を標的とした新しい手法が大腸がん予防を変える日が来るかもしれない」と話す。今後は日本人の大腸がん患者でコリバクチンの関与が多い理由の究明や大腸がんの予防法などの研究を進めるという。