札幌の男性がロマンス詐欺で4億円の被害

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札幌の男性、ロマンス詐欺で4億円超被害 全国で過去2番目の金額

毎日新聞 2025/06/14

全国で多発する、SNS(交流サイト)を使って恋愛感情を抱かせ現金をだまし取るロマンス詐欺事件で、5月末に発覚した札幌市内の60代男性がだまし取られた被害額4億600万円は、全国で把握できている1件当たりの被害額のうち、過去最高額に次ぐ金額だったことが警察庁への取材で判明した。

道警は被害を5月29日に発表。男性は2024年11月ごろ、SNSで日本人女性を名乗る人物と知り合い、「共通の趣味」とされるマラソンの話題などについてやり取りを続けているうちに投資を持ちかけられた。

男性は25年2月上旬~5月20日、相手の指示に従い10回に分けて計4億600万円を指定口座へ振り込んだ。約50億円まで増えているとされていた暗号資産の一部を払い戻そうとしたところ、高額な手数料を請求されたため詐欺を疑い、被害が発覚した。

警察庁によると、4億600万円の被害額は24年3月に「SNS型投資・ロマンス詐欺」の分類を設けて以降で、1件として過去最高額に次ぐ被害額だという。過去最高の被害額や事件の内容については「広報していない案件」として明かしていない。

道警幹部は「極めて大きな金額だ。啓発活動を通じて被害を防止するしかない」と話した。

警察庁と道警によると、24年の全国のロマンス詐欺の認知件数は3824件で、総被害額は約401億円に上る。道内でも被害が相次いでおり、今年は5月末までに少なくとも35件、計4億6654万円分の被害届が出された。

恋愛感情を利用された恥じらいから提出をためらう人もいるとみられ、実際はさらに多くの被害がある可能性がある。

道警は「SNSで面識のない相手から突然メッセージが送られてくるなど、手口には共通点がある」としており、SNSやネット上で知り合った人物から送金を求められた場合、最寄りの警察か相談ダイヤル「#9110」への連絡を呼びかけている。