英国と米国では「ミュージシャンの自殺率がすべての職業の中で最も高い」ことが研究で判明

音楽ジャンルによっても異なったりするのでしょうかね。





自殺率の高さは音楽業界が「極めて危険」であることを示していると研究者たちは言う

Guardian 2025/03/07

High suicide rates show music industry ‘profoundly dangerous’, researchers say

英国と米国では、ミュージシャンの自殺率が最も高いことが調査で判明した

音楽業界には、激しいツアー、パフォーマンスへの不安、低収入など多くの困難が伴うため、ミュージシャンの自殺率は世界でも最も高い部類に入ると研究者たちは指摘している。

研究の共著者によると、異常に多くのミュージシャンが自ら命を絶っているという発見は、「音楽業界は非常に危険な場所である」ことを示しているという。

ロンドン大学ゴールドスミス校の社会学者ジョージ・マスグレイブ博士は、「統計は驚くべきもので、衝撃的です。この新しい研究で明らかになったミュージシャンの自殺率は、音楽業界が明らかに危険な状況にあることを物語っています」と語った。

マスグレイブ氏の研究は、学術誌「フロンティアズ・オブ・パブリック・ヘルス」に掲載され、イングランドのミュージシャンの自殺率は、建設作業員、建築仕上げ職人、農業従事者に次いで、イングランドのあらゆる職業グループの中で 4番目に高いことがわかった。

「ミュージシャン、俳優、芸能人として働く人々は、国家統計局が文化、メディア、スポーツ関連職と定義した職業グループの中で最もリスクの高いグループであり、全体的に男性の自殺率は男性平均より 20%高く、女性では 69%高かった」と、ジョージア州アトランタのエモリー大学の心理学者ドリアン・ラミス博士が共同執筆した報告書は述べている。

米国でも同様の傾向が見られた。

ミュージシャンを含む米国の芸術、デザイン、エンターテインメント、スポーツ、メディアの分野では、2012年、2015年、2021年と、女性の自殺率がどの職業グループよりも高かった。また、この分野の男性は人口 10万人あたり 138.7人で3番目に高く、全国平均のほぼ 10倍だった。

かつてラッパーとしてソニーミュージックと契約していたマスグレイブ氏は、「米国と英国の職業上の死亡率データは、音楽を愛し、音楽に関心を持つ私たち全員に立ち止まって考えさせるはずだ」と語った。

研究では、ミュージシャンにとってのさまざまなリスク要因が浮き彫りになった。

その中には、不安や抑うつの度合いの高さ、経済的な不安定さ、作品に対する完璧さの追求、創造性を刺激したかもしれないストレスの多い人生上の出来事、孤独感、さらには人前で演奏したりソーシャルメディアで注目を浴びたりすることによるストレスなどが含まれている。

ミュージシャンズユニオン(MU)と慈善団体ヘルプミュージシャンズが 2023年に実施した調査によると、英国のミュージシャン 10人中3 人が精神状態の悪化を経験していた。