「抗生物質の使用は腸内細菌叢に長期的なダメージを与える可能性がある」という研究





抗生物質は腸内細菌叢に長期的な影響を与える可能性がある

nyadagbladet.se 2024/11/21

Antibiotika kan ha långvariga effekter på tarmfloran

抗生物質による治療を繰り返すと、腸内細菌叢が変化し、その保護粘液バリアが劣化する可能性があることが、ウメオ大学とタルトゥ大学の新たな研究で示された。

科学誌「Gut Microbes」に掲載されたこの研究では、少なくとも 5クールの抗生物質投与を受けた患者を調査した。

研究者たちは、最後の抗生物質治療から少なくとも 6か月が経過した患者の便サンプルを分析した。次に、その結​​果を 10年間抗生物質を服用しなかった人々のサンプルと比較した。

分析の結果、腸内細菌の組成に大きな変化が見られた。

「この結果は、抗生物質の反復使用が腸内細菌の組成に永続的な影響を及ぼし、最後の治療後少なくとも数カ月は持続する可能性があることを示している」とタルトゥ大学博士課程学生のケルトゥ・リス・クリグル氏はプレスリリースで述べている。

研究者たちは、粘液バリアの機能を分析するために、これらの患者の腸内細菌叢をマウスに移植した。

抗生物質を繰​​り返し投与された患者から細菌を投与されたマウスでは、粘液層が損傷して粘液の生成が減少し、粘液層の透過性が高まり、細菌が腸壁に近づくことが可能となった。

国際共同で実施され、サイエンス誌に掲載された別の研究では、抗生物質バンコマイシンが粘液バリアを直接破壊することが示された。

この抗生物質を正常マウスと「無菌」マウスの両方に投与すると、腸内の粘液生成が数分以内に阻害された。

「これら 2つの研究を総合すると、抗生物質は少なくとも 2つの独立したメカニズムを通じて粘液層に損傷を与える可能性があり、腸内細菌叢を変化させることで長期的な影響を及ぼし得ることが示されている」

「このことは、抗生物質は責任ある方法で処方されるべきであるという見解をさらに裏付けるものだ」とウメオ大学分子生物学部の感染生物学博士ビョルン・シュレーダー氏は言う。