[米国の大企業は2010年以来最も速いペースで破産申請している]というS&Pのレポート

 


米国企業は2010年以来最も速いペースで破産申請している

zerohedge.com 2023/05/27

US Corporations Are Filing For Bankruptcy At The Fastest Pace Since 2010

S&P株価が2023年に最高値をつけている状況では分かりにくいだろうが、米国ではちょっとした破産危機が広がっており、金融引き締めの明らかな兆候として、米国の企業は、過去13年間で最も速いペースで破産申請を行っている。

金利上昇に伴い信用が逼迫し、金融市場が最も有力な借り手を除くすべての借り手を締め出している。

S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスによると、この増加は大企業で最も顕著で、今年最初の4カ月で破産申請件数は 236件と、2022年の水準の 2倍以上で、年初来のペースとしては2010年以来最速となった。

大企業の破産申請数の推移

ベッド・バス・アンド・ビヨンドやバイス・メディアなど、ここ数週間で数百人、数千人の従業員を抱える著名な大手企業数社が破産申請をしているが、これらの企業の経営難は最近の経済混乱よりも前からあったものだ。

5月に入っても破産件数は衰えず、先週には負債 5億ドルを超える 8社が連邦破産法第 11条の適用を申請し、その中には先週 24時間連続で 5社が破産を申請しており、今週は連邦破産法第 11条の類申請が最も多かった週となった。

2022年の月平均申請件数は 3件強だった。

ムーディーズ・アナリティクスの首席エコノミストであるマーク・ザンディ氏によると、大小を問わずあらゆる種類の企業の中で破産件数の増加はやや抑制されており、申請件数は依然としてパンデミック前の水準や歴史的基準を下回っている。

しかし、金利が上昇し、パンデミック時代の政府支援が枯渇し、経済が冷え込む中で売上高の伸びが鈍化する中、特に大規模な不採算企業の申請が猛烈なペースで増加している。

第1四半期に米国地方裁判所に破産申請があったのは、あらゆる種類の企業で約 1万6,200件で、前年同期の 1万2,200件から増加したが、依然としてパンデミック前の四半期の 2万1,000件以上を大幅に下回っているとのデータが示されていることをムーディーズ・アナリティクスが示している。

パンデミック前のこれらの数字でさえ、歴史的に見て比較的低かったのは、金利が低いため企業が借り入れが容易だったことも一因だ。