世界最大の鶏肉輸出国のブラジルで、初めて鳥インフルエンザが確認される

 


ブラジルで野鳥による鳥インフルエンザ感染者が初確認

anews.com.tr 2023/05/16

Brazil confirms first ever avian flu cases in wild birds

世界最大の鶏肉輸出国であるブラジルで、高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)が初めて確認されたとブラジル農水省が 5月15日に発表した。

ブラジル政府によると、野鳥から2件の症例が検出されたが、世界獣疫事務局(WOAH)のガイドラインに従うと、このことによるブラジル産家禽製品の輸出禁止はないという。

他国がウイルスの世界的大流行に動揺する中、ブラジルの鶏肉輸出は昨年 27%増の 97億6000万ドルとなったが、ブラジルはこれまで一度も鳥インフルエンザ感染が記録されていない。

ブラジル政府は、ブラジル南東部エスピリトサント州の海岸沖を移動していた2羽の鳥からインフルエンザウイルスの H5N1亜型が検出されたことを確認した。ブラジルの主な家禽生産州は極南部と中西部にある。

農水省は、感染は野生動物から検出されたため、ブラジルの「高病原性鳥インフルエンザのない国」としての地位は影響を受けないと述べた。

ブラジルに本拠を置く世界最大の鶏肉輸出会社 BRF のミゲル・グラルテ最高経営責任者(CEO)は記者会見で、高病原性鳥インフルエンザの件には驚かなかったと述べ、同社はいかなるシナリオにも備える用意があると付け加えた。

同幹部は、感染例が検出されたのは野生動物からであり、輸入禁止措置の理由にはならないという WOAH の勧告を繰り返した。

BRF社のグルルテ氏はまた、同社が産業養鶏場に対する潜在的な脅威を予防し封じ込めるためにブラジルの「強力な」動物衛生サービスに依存していると指摘した。

4月のブラジルの鶏肉製品の主な輸入国には、中国、日本、南アフリカ、サウジアラビアが含まれていた。

中国は、商業養鶏場での鳥インフルエンザの発生を受けて、米国の約 40の州からの家禽類の輸入を禁止した。

ブラジルの隣国アルゼンチンは、南部リオネグロ州の家禽産業で初の鳥インフルエンザ症例を記録したことを受け、2月下旬に家禽の輸出を一時停止したが、3月下旬に鳥インフルエンザの発生していない地域からの輸出を再開した。

米国、欧州、英国では記録的な数のニワトリ、七面鳥、その他の鳥類が鳥インフルエンザの大流行で死亡しており、このウイルスは南米、アフリカ、アジアにも広がっている。

家禽の減少により、一部の地域では卵や七面鳥肉の価格が記録的な高値となっている。