『パッチ・アダムスと夢の病院』 前書きより抜粋

 

ハーバード大学医学部助教授 マシュー・A・バッド氏によるまえがき

https://amzn.to/3nWbvO9

…パッチ・アダムスの言葉から、わたしたちは忘れてしまった大切なものを思い出すことができる。

第一に、わたしたちは一人ひとりまったく違う人間であるということ。同じ病人でも、個性を持った一人の人間であることに変わりはないのだから、医者は患者を単なる「症例」の一例として見てはいけない。

第二には、人生の暗闇の一時期に、会社での上下関係にも似た堅苦しい人間関係で医者と患者が向き合うのではなく、むしろ親しく尊敬し合えるパートナーとして、いっしょにその苦労を乗り越えることが可能だということ。

第三には、病気の診断方法や治療方法などを知るより、人生を知ることのほうがもっと大切だということ。笑い、自然とのふれあい、人との交流などによって、人間として本来持っている生物学上の機能を立て直すことができるのだ。これは決して薬を使ってはできないことである。

最後に、人生には謙虚さも必要だということ。パッチは、わたしたちが不死身ではなく、いつも背後に死が控えていることを思い出させてくれる。そして、限られた人生で、わたしたちが情熱を持って生きようとすれば、いまよりもっと楽しく、すくなくとも、もっと積極的に生きられることに気づかせてくれるのだ。

本書を読んでいくごとに楽しい驚きが待っている。読者の皆様には、人生は自分でどのようにでも変えられるものだと知ってほしい。そして感じてほしい。夢に生きる勇気を持った誰かのおかげで何かを始めたい気持ちになることを。