[アメリカの小麦農家は1917年以来最も高い割合で作物を放棄する予定]という米報道

 

[参考記事] アメリカの冬小麦の収穫が「記録されている歴史の中で最悪」となる見込みが示される
2023年5月10日


農家は1917年以来最も高い割合で米国の小麦作物を放棄する予定

yahoo! finance 2023/05/13

Farmers Set to Abandon US Wheat Crops at Highest Rate Since 1917

アメリカの小麦畑は干ばつに悩まされており、農家は現在、ここ 100年以上で最も高い割合で作物を放棄する態勢にある。

米国農務省は 5月12日、生産者による収獲は、全体の約 67%のみになるだろうと予想していると発表した。同庁は月次報告書で、このようになれば、1917年以来最低の収穫率になると述べた。

米国平原の長年にわたる乾燥状態は、米国の多くの穀物畑に大きな被害をもたらしている。

今シーズンの小麦の一部は水分不足により発育が著しく阻害され、いわゆる穂が出なくなり、収穫する意味がほとんどなくなっている。

農家は代わりに、失敗したエーカーについて作物保険の請求を提出したり、別の作物を植えることを選択することになる。

来週、アメリカの小麦生産量一位のカンザス州で毎年恒例の調査が開始され、アナリストたちが畑を調査して生産量を見積もる。

業界団体カンザス・ウィートのジャスティン・ギルピン最高経営責任者(CEO)は来週の作柄について、「非常に良さそうな小麦もあるが、収穫されない畑もたくさんあるだろう」と語った。

米国農務省は、放棄率の高さにより、米国の小麦供給量がアナリストたちの予想よりも低い水準に低下すると予想した。これにより、カナダやアルゼンチンなどのライバル生産国が生産量を増やす可能性があるにもかかわらず、国内価格は上昇したままになる可能性がある。

カンザス州やオクラホマ州など干ばつに見舞われた州で栽培されている品種である冬小麦の先物価格は、データ発表後、最大 6.9%上昇した。これは、10月以降での日中上昇としては最大となる。

一方、米国のトウモロコシ生産量は記録的な増加が見込まれており、世界的な穀物の供給量が増加し、飼料コストの上昇で打撃を受けている畜産生産者を救済することになる。

トウモロコシ先物はほとんど変化なし。マレックス・キャピタルの穀物部門責任者、チャーリー・サーナティンガー氏はメモの中で、「衝撃的な」小麦生産量推計を受けて、トレーダーたちはショートポジションの手放しを余儀なくされたと述べた。