[米地銀株の下げ拡大-パックウェスト株、時間外取引で一時60%安]という報道

 

(前日の動き) ファースト・リパブリック銀行の破綻を受けて、さらに3つのアメリカの銀行の株価が暴落し、複数回の取引停止に (2023/05/03)

ファースト・リパブリック銀行の時の推移は以下の記事であれています。

[参考記事] アメリカ4800行にのぼる銀行の「半数が支払い不能に陥る可能性」について英テレグラフの著名ジャーナリストが警告
In Deep 2023年5月3日


米地銀株の下げ拡大-パックウェスト株、時間外取引で一時60%安

bloomberg.co.jp 2023/05/04

米地方銀行持ち株会社パックウェスト・バンコープを中心に地銀株が再び下げた。同行は身売りを含めた一連の戦略的選択肢を検討しているとブルームバーグ・ニュースが報じ、中小金融機関を巡る混乱は収束に程遠いとの懸念が強まった。

パックウェストの株価は通常取引終了後の時間外取引で一時60%下落。ウェスタン・アライアンス・バンコープは一時38%下げた。パックウェストは金融アドバイザーと協力し、会社分割あるいは増資も検討していると事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

複数の米地銀経営破綻に伴う混乱が続いている。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は3日、銀行の状況について3月初旬より「おおむね改善」してきたと発言したが、銀行セクターのストレスによって「家計と企業への与信環境は一層引き締まったように見受けられる」と話した。

銀行セクターは圧力にさらされている。金利高で長期投資の価値が下がる一方、資金調達コストは上昇し、預金者がより利回りの高いマネー・マーケット・ファンド(MMF)に現金を移す動きにも拍車がかかっている。

政府主導の取引でJPモルガン・チェースに1日買収されたファースト・リパブリック・バンクは、3月のシルバーゲート・キャピタル、シリコンバレー銀行(SVB)とシグネチャー・バンクに続き今年4番目に破綻した米金融機関となった。

バイタル・ナレッジのアナリスト、アダム・クリサフルリ氏はリポートで「規制環境が厳しくなる中で引当金積み増しに加え資金調達や預金コストが上昇するため、このグループは今後の利益に大きな疑問符が付く」と指摘。

「ただSVBとファースト・リパブリックは特殊だった点を忘れないのが重要だ。投資家はこれら銀行に起こったことで地銀全体を推し測るべきではない」と語った。

上場投資信託(ETF)のSPDR・S&P地方銀行ETFは時間外取引で一時5%余り下げた。コメリカとザイオンズ・バンコープはそれぞれ10%強の下落となった。