[クレディ・スイスの2兆円の高リスクの債券 (永久劣後債)の価値が消滅]というブルームバーグ報道

 

(※) 永久劣後債とは以下のようなものらしいです。この世には、いろんな金融商品があるんですね。

> 永久劣後債とは、債券と株式の両方の性質を持つ「ハイブリッド債」の一種。 発行企業が一定期間後に元本を買い戻す条項を付ける例が多い。 経営破綻時には借入金や通常の社債など一般債務に比べ弁済される順位が劣後する。日経


クレディ・スイスの170億ドルのリスクの高い債券は今では価値がない

Bloomberg 2023/03/20

Credit Suisse’s $17 Billion of Risky Bonds Are Now Worthless

クレディ・スイス・グループの債券の保有者たちは、UBS による買収により、約 160億スイス フラン (約 2兆2000億円)相当のリスクノートが一掃され、歴史的な損失を被った。

スイスの金融規制当局である FINMA はウェブサイトに掲載した声明で、この取引により、中核資本を増やすために銀行の追加の Tier 1債 の「完全な評価損」が引き起こされると述べた。一方、銀行の株主は 30億フランを受け取る予定だ。

この債券の一掃は、ヨーロッパの 2,750億ドル (約 36兆円)の AT1 (永久劣後債)市場にとってこれまでで最大の損失であり、この種の証券のこれまでの唯一の評価損をはるかに上回った。

これまでの最大の損失は、2017 年にスペインのバンコ・ポピュラーSA のジュニア債券保有者たちが被った 13億 5000 万ユーロ (約 1900億円)の損失だ。

典型的な評価損のシナリオでは、クレディ・スイスが今週初めに投資家向けのプレゼンテーションで説明したように、AT1 債が損失に直面する前に最初に打撃を受けるのは株主だ。

そのため、株主ではなく銀行の最もリスクの高い債務を償却するという決定が、クレディ・スイスの AT1債券保有者の一部から猛烈な反応を引き起こした。

アキラアセット・マネージメントのポートフォリオマネージャーであるパトリック・カウフマン氏は、次のように述べている。

「これはまったく意味がありません。これは AT1債市場にとって大きな打撃となるでしょう」

カウフマン氏は、「資本構造の優先順位を尊重する必要がある」ため、株主には何も残さず、代わりにAT1債保有者たちにお金を払うべきだと考えている。