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バンコクの夜

 
バンコクの夜
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バンコクの夜  コラム

【バンコクの空気の中で】



このまま帰っても良かったのですが、少し飲み足りないと思いました。
しかし、明日このお店に同伴出勤することを約束した以上、今日もう一軒クラブを回るのは財政的にキツいものがあります。

「a Doll」から少し歩いたところに「STAR21」というお店の看板がありました。
その看板にはクラブではなく「SNACK」のような文字が見えました。

「覗くだけ覗いてみようか」と私が言うと、Sくんは不安そうな表情をしていましたが、とりあえず、ドアを開けてみました。
そこは確かにクラブではなく、カウンターバーのような作りのお店でした。
「あの・・・料金について聞きたいんですが・・・」と私が切り出すと、その店に客で来てカラオケを歌っていた一人の若い日本人が、

「あ、ここは本当に安いですよ。ボトル入っていれば200〜300バーツ(600円〜900円)あれば十分です。絶対安心ですよ。ぼく、バンコク来てから3日間ずっと、この店に来ているんです」

と、私たちに笑顔で話しかけてきました。

「そんな安いんですか」
「ええ、本当に安いです。でも、女の子は接待はしてくれませんし、カウンターからは出ません」
「それはそれでいいです」

ということで、とりあえず不安はあったものの、この店で飲んでみることにしました。
カウンターの向こうには6人くらいの女の子がいて、バニー風の格好をしているのですが、店の女の子たちはどこか表情が堅く、笑顔もありません。ちなみに、客は私たちに話しかけてきた日本人一人です。

かし、飲み続けているうちに、結局、このお店の女の子たちは接待のプロではないので、お客と慣れるまでに時間がかかるというようなことであることが分かってきました。さきほどの「a Doll」で仕込んだ下手くそなタイ語で話しかけると、女の子たちは突然、表情を変えて笑ってくれるようになりました。ママらしき一人だけが日本語を話しますが、他の子は一切日本語を話さないようです。
それでも、私のすぐ目の前にいた、オオさんという若い女の子は何事かタイ語で一生懸命話しかけては笑顔で接してくれていました。

ある意味では異国で飲んでいるのだから、この雰囲気はこれはこれでいいのかなとも思いました。
私は1時間ほど片言のタイ語と片言の英語で話をしながら、このお店でそれなりに楽しく過ごしました。会話というより、オオさんの笑顔を楽しんでいたという感じも強かったような気がします。
友人のSくんの方はママさんらしき人と何事か話し込んでいました。
料金はボトルを入れたせいで、驚くほど安いということはなかったですが、ボトル自体が安いお酒でしたので、一人2000円かからなかったと思います。

「ここにボトルを入れておくと、何かと便利だよね」というようなことを話しながら、この日は帰途につきました。
昨日のパッポンの美少女のことが頭にふと浮かびましたが、何かとても危険なことになりそうな予感がしたので、この日はパッポンには寄らずに帰りました。


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