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バンコクの夜

 

バンコクの夜
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バンコクの夜  コラム

【バンコク到着】


 バンコク到着は午後5時前でした。
ちょうど、夕陽が差し始めてきているバンコクの街並みの中を我々が乗ったエアインディアAI305便は静かに着陸に成功しました。
5年ぶりのバンコク。
ちょうど、雨期が終わった頃でもあり、雨は夕方にスコールがある程度で、基本的には滞在中ずっと晴天でした。
しかも、この時期のバンコクはさほど暑くありません。ま、そりゃ南国ですから、日中は30度やそこらはありますが、東京の夏にくらべれば楽勝の涼しさです。

とりあえず、我々はホテルに向かいました。
今回の我々の旅行はいわゆるスケルトンツアーというやつで、航空券とホテルだけがついていて「後は好きにせえ」というあれです。ホテルまでは送迎があり、そこであとは帰国の日まで自由行動ということになります。
チェックインやら何やら終わり、動ける時間になったのが午後7時すぎ。
私とSくんはお互いに「どうしようか」と話し合いました。

私たちの宿泊したホテルはスクンビットエリアというところにあって、日本人、韓国人、アラブ人、などの外国人居住者が比較的多い場所です。
そして、そのスクンビット周辺には前述した白人歓楽地帯、つまりゴーゴーバーやオープンバーなどが建ち並ぶ地帯が随所にあります。
また、日本人向けの怪しげなマッサージ屋の看板もずいぶんと見かけました。
オープンバーというのは、つまりテントみたいな粗末な建物にカウンターがあるだけのもので、そこに女の子たちがダラーッと座っています。雰囲気は店によっ て様々で、道行く外国人の手をむりやり引っ張り、店内に引きずり込むようなオープンバーもあれば、客引きもなしで、ただ入って座ると注文を取りにきて、そ の時に「女の子はつけますか?」と聞かれたりするだけの店もあります。「女の子は要らない」といえば、それで済みます。

私とSくんはとりあえず、ホテルから徒歩で10分ほどの場所にある「アソー ク」という地帯にあるオープンバーエリアに行ってみました。ここでは、強力な客引きの女の子にいきなりむりやり店の中に引きずり込まれてしまいました。私 がその手をふりほどき、逃げようとすると、今度は後ろからSくんの「ダメッすよ、逃げ切れません!」という悲鳴が聞こえてきます。
もう仕方ないので、このお店に入ることにしました。
これだけ強引な営業をするのに、まったくボラないあたりがバンコクのバーの面白いところです。ビールは80バーツ、つまり250円くらいです。しかし、座 ると一斉に店の女の子に囲まれ、私の横では女の子がカラダを私になすりつけて踊り出しています。大変な状況には違いありません。

一方、さらに重大な事実にも気づき始めました。
店には女の子が総勢5人いたのですが、そのうちのふたりは明らかに男性、あるいは元男性でした。平たくいうとオカマです。
バンコクはオカマ天国で、どこにでもオカマはいます。そして、社会的にもかなり認知されていて、女性の働く場所で一緒に働くことすら許されています。
また、とてもきれいなオカマが多いのも特徴で、この店にいた元男性の方々も声を聞くまではわからなかったほどです。

我々としては、バンコク到着最初の夜をとりあえず静かに飲もうと思っていただけなのに、これでは「静かに」どころの騒ぎではありません。特にSくんはオカマの方にとても気に入られたようで、盛んに何事か誘われている様子です。
私とSくんはすぐにこのお店を出ることにしました。


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